いま、AmazonやNetflixなどの動画配信サービスに登録している人はかなり多いのではないでしょうか。人材の面でも、テレビ局からプロデューサーたちが引き抜かれて移動していくといった動きが見られるそうです。もう日本のテレビ局に未来はないのか?なぜ人が流れていくのか?そんな疑問に、人気コンサルタントの永江一石さんが、自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で回答しています。
テレビ局からAmazonやNetflixに人が流れるのはなぜか?
Question
永江さん、こんにちは。AmazonやNetflixにテレビのプロデューサーが引き抜かれているというニュースを見ました。
やはり、テレビ局には未来がないのでしょうか。予算が潤沢なことや、コンプラをあまり意識しなくていい(むちゃな企画ができる)こと、などを考慮すると、テレビはAmazonやNetflixに勝てないように思います。ご回答をよろしくお願いします。
永江さんの回答
結論から言いますと、テレビ局からの優秀な人材の流出は、単なる待遇面だけの問題ではなく、クリエイティブな仕事が出来る環境を求めての移動ではないかと思います。
最近、AmazonやNetflixにテレビの敏腕プロデューサーが引き抜かれるというニュースを目にする機会が増えています。ただ、テレビ局は今でも給料はとても高いです。特にキー局なら平均年収1,500万円もザラで、他の業界に比べても断トツです。
またテレビ局の現状はというと、確かに広告収入は少しずつ減ってはいるものの、新聞や雑誌ほどの激減ではありません。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0227-010688.html
テレビの主な視聴者は高齢者と専業主婦なので、特に団塊の世代が後期高齢者になってきている今、この先5年ほどでテレビの価値は大きく下がっていくでしょう。
そしてテレビ番組の中身も大きく変わってきています。昔は海外ロケなど大きな予算をかけた番組がたくさんありましたが、今はターゲットに合わせてお金のかからない健康番組やバラエティが中心。こういう状況の中で、テレビ局の経営層も高齢化し、新しいことにチャレンジしようという雰囲気が薄れています。
若手のADからすれば「下積みで10年頑張ってもこんな番組しか作れない。これが自分のやりたかったことか?」と悩んでしまう環境になっています。
一方でAmazonやNetflixには潤沢な制作予算があります。例えばボクシングの世界タイトルマッチなども、地上波では放送できませんが、彼らなら何十億という契約金を出せる。若いクリエイターにとって、そちらの方が魅力的に映るのは当然ですよね。
優秀なプロデューサー達が移っていく理由はお金の問題だけじゃありません。かつてのように創造的な仕事の場としての魅力が失われていることも、大きな理由の1つなのではないかと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
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