(2)突如、日本のある言葉が話題に?
「新年の抱負」に関連した話題として・・・というか、実は、昨年夏あたりから、英語圏の各種メディアで興味深い日本語がしばしば話題に上がっている。
これまでも、日本語がそのまま英語になったことは多い。
カワイイはその典型例で英語でもKawaiiで普通に通じる。
今や世界の共通語だ。
つい最近のニュースでも、Kawaii Girl Cosmeticsという伝統的なアフリカンアメリカンの女性が立ち上げた独自のコスメブランドが紹介されていたほど。
(ご参考)
日本人は一切関わっていない。
ただアフリカンアメリカンの女性が日本の文化が好きだからという理由でKawaii Girl Cosmeticsと名付けたという。
もし、Kawaiiの意味が広く知られていなければコスメ・ブランドの名前になることはあり得ないのでそれだけ多くの人々が
Kawaiiの意味を理解しているということなのだろう。
このように日本語がそのまま英語になる事例は多々あるが、その最新の興味深い事例がIkigaiだ。
つまり、日本語の「生き甲斐」。
2017年8月に、”Ikigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life”という本が発売されたことで注目されているようだ。
(ご参考)
●”Ikigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life”
例えば、BBCニュースは、昨年2017年8月6日付で
「生き甲斐:仕事と人生を向上するための日本人の考え方」(Ikigai: A Japanese concept to improve work and life)
と題した記事を掲載。
東京などの大都市に住む日本人の朝は、「寿司詰め」と呼ばれる満員電車に揺られて仕事に出かける。
ストレスはこれだけでは終わらない。そこから長い会社での、縦社会ルールに従う仕事が続くのだ。
そんな中でどうやって生きているのだろうか?
・・・という疑問からこの記事は始まり、その秘密は生き甲斐にあると説明している。
生き甲斐に相当する英単語は無く、あえて説明すると、”embodies the idea of happiness in living”とのこと。
直訳すると、
日々の暮らしの中での幸せを具体化する。
要は、幸せな日々を過ごすには生き甲斐にヒントがあるのではないかという、いかにもイギリス英語という感じの指摘である。
(ご参考)
●Ikigai: A Japanese concept to improve work and life
当然、イギリスだけではなくアメリカでも様々なメディアが取り上げており、例えば、経済専門誌のフォーブスの2017年9月29日付の記事のタイトルは:”Discover Your Passion Or’Ikigai’ With 4 Simple Tips”要するにIkigai(生き甲斐)を見つけろと、Ikigaiが重要なキーワードになっているほどだ。
この記事では「生き甲斐」を西欧で言う「情熱」(Passion)に似たような考え方だと説明。
また、別の表現で「存在する理由」(reason for being)とも補足している。
お堅い経済誌のフォーブスだけあって、真面目に日本語の「生き甲斐」がどのようなものであるか、さらに以下のような4つの要素に分解し必死に英語で説明しようとしているのが興味深い。
<イキガイの4つの要素>
- 何が好き
What you love - 何に長けている
what you are good at - 世界は何を必要としているのか
what the world needs - 何を得るのか
what you can be paid for
日本人が読んでもこのイキガイの4つの要素は勉強になる気がする。
特に3つ目の「世界は何を必要としているのか」(what the world needs)は、なんだかスーパーヒーローみたいだなと思った。
さて、そんなわけで、日本人はこの「生き甲斐」を自分自身の中で深く長きに渡り探し求めることが人生に満足感と意味をもたらすと考えている・・・というのがフォーブスの記事の見解だ。
つまり、「生き甲斐」を見つけることは幸せな人生にも繋がるとしている。
(ご参考)
●Discover Your Passion Or ‘Ikigai’ With 4 Simple Tips