せっかくの退職金を証券会社にまかせて運用したら半減してしまった…という方がいます。お金を増やすために始めたことで、逆にお金が減ってしまっては本末転倒です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
退職金が投資で半分に!?
先日、ご相談を受けた方の悩みは、「退職金を証券会社で運用したら半減してしまった」というものでした。マイナスになっているので、投資信託の売買を繰り返していくうちに半減してしまったのだと言います。
こういうご相談をいただくと胸が苦しくなります。
人に任せての投資は上手くいきません。人に運用してもらったとしても、売却するのはあなたなのです。
自分で購入していたら何かしら選んだ理由があるはずです。その理由からかけ離れてしまった時が、その金融商品を手放す時です。
銀行に預けるのも安全ではない
また、国債も上手に使って欲しいと思います。銀行で預金が保証されるのは、1,000万円まで。1,000万円以上の退職金でしたら、国債にしておけば、全額を国が「元本保証」してくれます。
よく「日本が破綻するのが心配で、個人向け国債を買えない」と言う方がいます。しかし、日本が破綻するのと銀行が破綻するのは、どちらの方が確立が高いでしょうか?
特に地方銀行の経営は、とても悪化しています。国債は銀行よりも安心ですし、1,000万円以上でも全額保証してくれるのです。
Next: 国債も有効活用を。投資は焦ってするものでない
国債は1,000万円以上も元本保証される
特に「個人向け国債変動10年」などは利率が半年ごとに変わり、金利が上がればその時の実勢に合わせて利率が変わります。
金利が下がった場合でも、0.05%の最低利率が保証されているのでおススメです。
さらに、1年を経過したら途中換金もできます。中途換金時には直前2回分の利子相当額を支払う必要がありますが、現在は0.05%なので、微々たる金額です。何らかの理由で途中解約する必要が生じても、元本はほぼ戻ってきます。
また、証券会社で実施している国債のキャンペーンなどを利用すると、さらに良いです。現金をプレゼントしているところもあります。
せめて退職金の半分は、国債などで安全に守ってくださいね。
お金を減らさない(守る)ことも重要
大きく増やそうと欲をかくのではなく、大事な退職金を「守る」こともよく考えてくださいね。
「お金がない」「お金が足りない」とあせって投資するのは、お金を減らしてしまう原因になります。
そもそも、投資は「お金」がなければできません。
お金がない、お金が足りないという方は、まず、お金が貯められる家計にすることです。
『教育貧困にならないために』(2021年1月22日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
教育貧困にならないために
[無料 ほぼ日刊]
人生で二番目に大きな買い物は、子どもの教育費。教育費を意識して貯蓄していますか?「実はコレだけ必要です」から、「学資保険でまかなえるのか?」「目減りしない資産管理」「我慢しない節約」「ゼロから稼ぐ方法」までを調べて実践したことを紹介しています。教育ローンに頼らず、老後資金も確保できる教育費の貯め方を伝授します。