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米中問題再燃懸念などから利益確定売りが優勢に【クロージング】

12日の日経平均は反落。229.33円安の29538.73円(出来高概算9億5429万株)で取引を終えた。朝方は前週末の米国株の上昇を映して、東エレクやアドバンテスなどの指数寄与度の大きいグロース銘柄などに買いが先行し、寄り付き直後に一時29876.04円まで上昇。ただ、3万円の大台を目前に戻り待ちの売りなどが散見されていた。米中対立問題の再燃などが懸念されるなか、上海や香港といったアジア市場の下落や時間外取引での米株先物も軟調に推移しており、利益確定売りが次第に増加し、結局は安値引けとなった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1200を超え、全体の5割超を占めた。セクター別では倉庫・運輸、電気・ガス、鉄鋼など14業種が上昇。一方、海運が5.58%と大幅に下落したほか、非鉄金属、その他金融、鉱業など18業種が下落している(情報通信は変わらず)。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG、資生堂、7&iHD、クボタが堅調。半面、信越化、ファーストリテ、ファナック、安川電が軟調だった。

米国のブリンケン国務長官が11日、中国の台湾政策ついて「武力で現状を変えようとするのは深刻な過ちだ」とけん制したことなどから、米中両国の対立激化が警戒されるようになった。また、前週末に決算を発表し、今期見通しが市場コンセンサスに届かなかった安川電が一時8%超急落したことで、電子部品関連株などにも利益確定の売りが広がる要因につながった。

今週は米国の経済指標などに投資家の関心が集まりそうだ。13日に3月の消費者物価指数(CPI)が発表される。先週の卸売物価指数同様に市場予想を大幅に上回る伸びを示せば、景況感の改善期待を背景に米株高基調が強まり、日本株にも好影響をもたらすのか、若しくはインフレ加速を背景にグロース株中心に売られる展開になるのか確認したいとの声が聞かれる。また、14日にはゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースが決算を発表する。米ヘッジファンド問題の余波が出てくるのかどうかも気掛かりとされ、目先は軟調な展開が想定されそうだ。

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