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28000円割れを狙ったショートの動きが強まりやすい

 8日の日本株市場は、弱含みの相場展開になりそうだ。7日の米国市場ではNYダウが104ドル高だった。連邦準備制度理事会(FRB)が公表する6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨待ちで、調整色が強まるなか、議事要旨では特に警戒されていたようなタカ派色が強まらなかったため安心感が広がり買いが継続。長期金利の低下でハイテク株の買いも続き、ナスダックは連日史上最高値を更新して終了した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の28335円。円相場は1ドル110円60銭台で推移している。

 米国市場の上昇に対するシカゴ先物の反応は限られており、やや売り優勢の展開になりそうだ。ETFの決算に伴う分配金支払いのための売り需要が見込まれているなか、この需給要因が通過するまでは押し目買い意欲も高まらないだろう。売り需要に対して先回りの売り方は買い戻しを見せてくる可能性はあるものの、明日も同様の需給要因があることから、リバウンドも限られそうである。また、昨日は米国市場の休場明けで海外勢のフローが見られたものの、それでも東証1部の売買高は10億6000万株程度にとどまっており、リバランスの商いなどに限られているようである。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、政府はまん延防止重点措置を1カ月延長するほか、東京都に緊急事態宣言を出す方向で調整に入ったと報じられており、戻り待ちの売り圧力が警戒されやすい。ある程度は予想されていたこともあり、先回り的な売り方にとってはカバーのタイミングになるものの、日経平均は支持線として意識されていた28500円を割り込んでおり、節目の28000円が意識されている。この水準に接近する局面においては当然の如く6月21日につけた直近安値27795.86円が視野に入ってくることから、少なくとも28000円割れを狙ったショートの動きは強まりやすいところか。

 その他、ナスダックは小幅ながらも4営業日続伸で最高値を更新しており、長期金利の低下も材料視されてハイテク株が買われている。一方で、SOX指数は下落しており、AMDは4%を超える下落となるなど、半導体株は弱い動きである。指数インパクトの大きい値がさ株などが重荷となる可能性もあるため、インデックス連動を避ける動きにより、新興市場の中小型株のほか、テーマ性のある材料株などへ個人主体の資金がシフトしやすいだろう。

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