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NYの視点:米6月JOLT求人件数:1000万件台へ過去最高、失業者総数を上回り雇用過熱感

米労働省が発表した米国の6月JOLT求人件数は1007.3万件となった。予想927.0万件を上回り、初めて1000万件の大台に乗った。5月分も920.9万件から948.3万件へ上方修正された。過去6カ月間に330万件の求人が新たに加わった。産業別ではプロフェッショナル、ビジネスサービスで22.7万件増、小売りで13.3万件増、宿泊、食品サービスで12.1万件増。

依然、1100万人近くの失業者は様々な緊急パンデミック失業者支援の支給を受けている。現状では、7月時点の総失業者数870.2万人に比べ求人件数は137.1万件上回った。
採用者数は69.7万人増加の671.9万人と、過去3番目に高い水準。産業別では小売りが29.1万人増、連邦・地方政府の教育関連が9.4万人増、製造業が3.6万人増。

労働市場への自信を示すとして、特に注目される自発的な退職者数は23.9万人増の3.9万人。退職率(Quits rate)は2.7%と、5月2.5%、昨年1.9%から上昇した。解雇は引き続き、減少を継続しており、131万人と過去最低水準。解雇率Layoffs/discharges rate)も0.9%と、過去最低の5月に並んだ。昨年同月は1.6%だった。

7月雇用統計の結果に一致する形で、労働市場のスラックも改善基調にある。雇用の過熱感を示唆しているとの見方も強まりつつある。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官も、9月にも緩和縮小計画を発表し、年内の開始を推奨している。8月の雇用が同様に強く、デルタ株の経済への影響も限定的になった場合は、年内の緩和縮小開始も現実味を帯びてくる。

■雇用たるみダッシュボード

◎金融危機前に比べ状態が改善         パンデミック:  金融危機水準と比較
6月求人率(Job openings rate):6.5%(5月6.1%、昨年4.2% ) 4.4%, 3%
6月退職率(Quits rate):2.7%(5月2.5%、昨年1.9%)     2.3%: 2.1%
6月解雇率(Layoffs/discharges rate):0.9%(5月0.9%、昨年1.6%) 1.2%
7月雇用者数(Nonfirm payrolls):+94.3万人(6月+93.8万人)  +25.1万人,+16.18万人
6月採用率(Hiring rate):4.6%(5月4.2%、昨年5.6%)      3.8%

◎金融危機前に比べ状態悪化
7月失業率(Unemploynent rate):5.4%(6月5.9%)     3.5%, 5%
7月広義の失業率(U-6):9.2%(6月9.8%)         7.0%, 8.8%
7月労働参加率:61.7%(6月61.6%)               63.4%, 66.1%
7月長期失業者数(15週以上):52.8k(6月56.2k)        19k

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