FIRE(早期リタイア)を成功させて「海外移住したい!」という夢を抱いている人も多くいると思います。しかし、海外移住を計画するときに、日本にいるうちに現地の不動産を買ってしまうのは悪手です。タイ・フィリピンに海外移住して暮らした経験から解説します。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)
海外移住する前に「家」を買ってはいけない
コロナ禍がなかなか収束せず、かねてからタイなどに海外移住したいと考えている方にとっては、もうしばらくの辛抱というところでしょう。
以前、私がタイで暮らしていた頃には、日本の方から「バンコク(タイ)のコンドミニアムを買ってそこに住むつもりです。日本のマンション販売会社から紹介されていまして…」というような話をよく聞きました。
私が提案する海外移住の手順は、次の通りです。
まずは、ホテルやサービスアパートメントで2週間〜1ヶ月ほど生活してみること。その後は、月極めのコンドミニアムを借りて、最低1年とかそれ以上の期間を、現地で暮らしてみるのがおすすめです。
けっこうな確率であるのが、「旅行では何回もタイ(やフィリピン)に来ていたが、住んでみたら、全然、印象が変わった。やっぱり日本で暮らしたい」というものです。
こういった場合に障害になるのが、持ち家(コンドミニアム)だからです。
これが持ち家でなくて賃貸だったら、家具や家電も付いているものですから、すんなり帰国できます。
しかし、高額な不動産を持ってしまうと、本来の希望(日本帰国)に目をつぶって、嫌々の海外生活になってしまうのです。
これはまったくハッピーではありませんね。
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日本で買える海外物件は割高になる
もうひとつの理由は、日本で買える海外物件は、詐欺でないとしても「割高」だから。
私は海外で不動産仲介ビジネスをした経験があるので、業者側の気持ちもわかるのですが、そもそも現地で売れる物件であれば、そのまま現地で売ってしまいます。
なぜ、日本で販売・紹介されているのかと言えば、「現地で売れないから」です。
例えば、タイで現地で売るなら、当たり前ですが、言語はタイ語のみで大丈夫ですが。しかし「日本で売る」となると、日本人の販売担当者か、日本語ができるタイ人スタッフが必要となり、その分だけ人件費が上がります。
加えて、手間もかかります。
日本人のお客さんでかなり多いのが、基本的な英単語でも自分で調べないで、「INTERESTって、何の意味ですか?」みたいに聞いてきて、メール対応だけでもかなり大変なのです。
「INTEREST=金利」くらいは検索すればわかるはずなのですが、「質問は無料だ」という認識の人が一定数います。となると、業者側としては、その分、価格を上げざるを得ない。
そうなると、自分でINTERESTくらいわかる人にとっては、その分だけ割高で損なわけです。
いずれにしても、移住後、現地で暮らせば、例えばバンコクなら、電柱やスーパーの掲示版に「FOR SELL」「FOR RENT」という形で物件価格が書かれており、これがナマの相場情報だったりします。
高額な不動産を買うのは、それからがベストです。
『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2021年10月1日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。