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NYの視点:FOMC、タカ派姿勢強める

米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.00-0.25%に据え置くことを決定した。さらに、ひと月の資産購入縮小規模を従来の150億ドルから300億ドルに倍増。緩和縮小ぺースを加速させる。1月の買い入れは国債、400億ドル、住宅ローン担保証券は200億ドルとする。

FRBのスタッフ予測において、金利見通しで中間値で22、23年3回づつの利上げを予想。10人のスタッフが22年に3回の利上げを予想。5人のスタッフが2回の利上げを予想している。金利市場での2022年の利上げは完全に織り込んでいるのは2回のみ。このため、FRBスタッフの予想は市場予想を上回る。

パウエル議長は会合後の会見で、資産購入縮小は3月中旬にも終了する軌道だと言及。利上げは、資産購入縮小が終了後としたものの、終了から利上げまでの期間はあまり長くないと予想すると指摘した。3月中旬にも終了が予想されるため、状況次第では4月、5月の最初の利上げも可能となる。

また、利上げの条件となる最大雇用に関し、パウエル議長は2022年に目標を達成すると見ており、今までの2023年まで最大雇用が達成できないとの見方を修正した。さらに、議長は労働市場が最大雇用を達成する前の利上げも可能と指摘するなど、タカ派姿勢を強めている。

オミクロン変異株もリスクとしながらも、経済において対処可能だとした。

■FRB予測:22、23年3回づつの利上げ予想
GDP:2021年:+5.5%、2022年+4.0%、2023年+2.2%
インフレ:2021年5.3%、2022年2.6%、2023年2.3%
FF:2022年0.9%、2023年1.6%、2024年2.1%、長期2.5%

■パウエルFRB議長のタカ派姿勢
「最大雇用達成に向けて経済は速やかに進展」
「メンバーは2022年に最大雇用の目標達成を予想」
「3月中旬までにテーパー終了する軌道」
「テーパー終了から利上げまでの期間はあまり長くないと予想」
「FRBは最大雇用達成前に利上げも可能」
「経済は力強いペースでの成長軌道」
「今四半期の個人消費は非常に強い」
「オミクロン変異株による影響に経済は対処できると見ている」

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