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日本で報道されなかった2021年「中国テック業界」10大ニュース〜テック企業規制、洗脳神曲、セクハラ事件、中国版インスタのエロ過ぎ問題まで=牧野武文

日本に入ってくる中国の情報はほんの一部に過ぎません。現地ではどんなニュースが重要視されているのか?2021年に話題となった10大ニュースを紹介しながら、日本にも影響を与える中国経済の大きな変化について解説します。(『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』牧野武文)

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※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2021年12月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:牧野武文(まきの たけふみ)
ITジャーナリスト、フリーライター。著書に『Googleの正体』『論語なう』『任天堂ノスタルジー横井軍平とその時代』など。中国のIT事情を解説するブログ「中華IT最新事情」の発行人を務める。

中国テック業界の10大ニュース

2021年の中国テック業界の10大ニュースをご紹介します。

このメルマガの趣旨は、中国のテックビジネスをご紹介して、みなさんの仕事や学業に役立てていただくことです。ですので、日本にとって参考にならないトピックはご紹介していないものもたくさんあります。また、スキャンダル的なトピックもご紹介してきませんでした。あまり参考にならないと感じるからです。

今回は、年末ということもあり、そのような枠を取り払って、中国メディアが取り上げている「テック業界の10大ニュース」をご紹介しようと思います。もちろん、何が選ばれるかは、メディアによって異なるため、複数の特集記事を見て、共通する話題から選びました。

中国人がどのようなことを重要だと思っているのかということを知る参考になるかとも思います。

全体的には、やはり高度成長から安定成長へシフトチェンジすることに関連するものが多い印象です。労働人口=消費人口が減少に転じ、中国は安定成長モードに急速に切り替える作業が始まっています。まさに、日本の経済が苦しんできた人口減少=人口ボーナスの消失にこれから中国は対峙していかなければならなくなります。

そこで、中国がどのような工夫をしていくのか。ここは私たちにとっても、大いに参考になり、貴重なヒントが得られるのではないかと思います。

中国のメディアでは、日本のメディアのように年末に「今年の10大ニュース」「今年を振り返る」のような特集が組まれることはあまりありませんでした。中国の新年は春先の春節から始まるということもありますが、春節の時期にも「昨年の10大ニュース」のような特集は多くはなく、扱いとしても大きくはありません。

ところが、昨年ぐらいからこのような特集が目につくようになりました。理由はよくわかりませんが、以前の中国人は「過去を気にしても仕方がない。未来のことだけを考える」という意識であったものが、コロナ禍と同時に中国の消費者人口が減少に転じ、高度成長から安定成長の時代に入ったことこともあり、「過去を振り返ろう」という気持ちが強くなってきたのかもしれません。

そこで、今回は、このような中国テック業界の10大ニュースをご紹介します。

このメルマガは、中国のテック業界で起きたさまざまな現象のうち、日本のビジネスにも役に立つのではないか、参考になるのではないかと思えるものを解説するというコンセプトです。そのため、私が10大ニュースを選んだとしたら、過去に配信したメルマガの総集編のようなことになってしまいます。

そこで、目につく限りの10大ニュース特集を見て、複数の特集に登場するニュースの中から選んでみました。そのため、みなさんの仕事に直接役に立つわけではないニュースも含まれていますが、年末のことでもあり、お気軽にお読みください。

また、いくつかはネット炎上的なスキャンダルなニュースも取り上げられています。中国人がどのようにテック業界を見ているのか、どのようなことに注目をしているのかという参考になるかとも思います。なお、順位は、複数のメディアを参考にして、私がつけました。あまり深い意味はありません。

Next: 第10位:グリーエレクトリックの22歳女性秘書がネットで人気者に



第10位:グリーエレクトリックの22歳女性秘書がネットで人気者に

格力電器(グリーエレクトリック)は、住宅用空調メーカーとしては世界市場でもトップクラスの企業です。現在の董明珠(ドン・ミンジュ)会長は、業界から多くの尊敬を集めている女性経営者です。現在、67歳ですが、30歳の時に夫と死別をし、シングルマザーとして息子を育ててきました。いろいろな仕事をしましたが、36歳の時に成績次第で高給が得られるというグリーの営業ウーマンになりました。

そこで実力を発揮し、遅咲きながら出世の階段を登り、経営層に入ると、当時の住宅、電機業界の悪しき体質に憤然と挑戦していきました。当時は、賄賂と接待が横行する業界だったのです。これをすべて悪と見做し、品質こそがグリーの強みという大正論を貫き通して、グリーを世界でのトップメーカーに育て上げました。「市場烈烈」という自伝も書き、テレビドラマ化もされた人気経営者です。経営手腕だけでなく、一人の女性の生き方として多くの尊敬を集めています。

この董明珠会長が、11月に開催された中国製造業サミットの講演で、ステージに女性秘書を伴って登壇しました。22歳という浙江大学スペイン語学科を卒業したばかりの孟羽童(モン・ユートン)で、若くて可愛らしい女性です。大学時代にミス浙江大学に選ばれたこともある才媛です(中国のミス大学=校花は、ルックスだけでなく、学業成績が優秀であることが絶対条件になっています)。

これだけであれば、よくあることですが、董明珠会長は聴衆に向かって「第2の董明珠にするつもりだ」と公言したのです。つまり、次期経営者として育成していると言ったのです。

ネットはざわつきました。経営者が若い人をそばに置き、将来の経営者として育てることは珍しくありません。しかし、孟羽童はこの夏に大学を卒業したばかりです。社会人としてはまだどれだけの実力が発揮できるのかわかりません。しかも、ネットには董明珠会長と孟羽童が手をつないで仲良く歩く映像まで出回りました。多くの人が「秘書や次期経営者ではなく、息子の嫁にしようとしているのではないか」と疑いました。

しかし、このような憶測を吹き飛ばしたのが、孟羽童自身です。サミットのステージで、聴衆は製造業界のリーダーばかりであるという環境の中で、緊張しながら自己紹介をし、得意であるというTikTokダンスを披露したのです。その度胸のよさにに多くの人が圧倒されました。会場にいたアリババの創業者、ジャック・マーは大喜びで、指笛を鳴らし、ノリノリでスマの動画撮影をしました。わずか30秒ほどのダンスで、中国のテック企業の大物経営者たちに深い印象を与えたたのです。

https://www.douyin.com/video/7041782033227549956
▲中国製造業サミットで紹介される孟羽童。その度胸のよさに働く女性としてのファンが急増した。

孟羽童は中国版TikTok「抖音」(ドウイン)にアカウントを開設し、ダンスを披露するだけでなく、仕事に対する思い、業界、社会についても語っています。その内容は大学を卒業したばかりの新社会人には思えなく、まさに第2の董明珠なのです。抖音でのファンは100万人を超え、働く女性として尊敬を集めています。数年後、グリーにほんとうに若い女性のリーダーが誕生するかもしれません。

中国では、多くのテック企業の経営者が、若い次期リーダーの育成を始めています。多くの創業者が「50歳を超えたテック企業のリーダーなどあり得ない」と考えていて、50歳までに次期リーダーを育成し、引退をすることを目標にしています。

孟羽童の登場は、このような若いリーダー育成を象徴するようなできごとでした。今後、このような若いリーダー候補がどんどん登場してくることになるかもしれません。

Next: 第9位:中国版ニコニコ動画で大ヒット蜜雪氷城の洗脳神曲によるプロモーション



第9位:中国版ニコニコ動画で大ヒット蜜雪氷城の洗脳神曲によるプロモーション

今年の初夏、ネットが一時ドリンクチェーン「蜜雪氷城」(ミーシュエビンチャン)のテーマソングで占領されました。米国民謡「オー・スザンナ」の替え歌で、メロディも歌詞も単純、振り付けもシンプルなものです。それが大量に流れたため、「洗脳される!」と洗脳神曲と呼ばれるようになりました。

これは、ねらって仕掛けられたプロモーションでした。コンサル企業「華与華」が立案したもので、ビリビリ、SNS、抖音の特性を見事に活かし、これ以降、 蜜雪氷城の手法がプロモーションのひとつのお手本のようになっていきます。


▲YouTubeに転載された密雪氷城の主題歌の公式ビデオ。キャラクターである雪王が踊る。

華与華はこのプロモーションビデオをまずビリビリに投下しました。ビリビリは日本のニコニコ動画に刺激を受けて生まれた動画共有サイトで、パロディ動画をつくる空気に満ちています。もちろん、勝手にパロディ動画を作るのは権利関係上問題があるため、運営では「活動作品」と呼ばれる仕組みを整えていました。パロディ動画をつくりたい企業、個人が申請をすると簡単に二次創作ができる仕組みです。権利者が悪意のある二次創作と感じた場合は、すぐに取り消しをして、動画を削除することができます。

密雪氷城がビリビリでビデオを公開すると、思惑通り大量の二次創作が生まれました。その中には、なんと重慶大学公式や中央電子台の人気キャスター王氷氷のパロディ二次創作もあり、大きな話題になりました。

https://www.bilibili.com/video/BV1SK4y137cZ?from=search&seid=13218058583222008328
▲重慶大学公式が発信した二次創作。受験戦に重慶大学を選んでもらうためのもの。ほんとうに重慶大学なのか?と大きな話題になった。

https://www.bilibili.com/video/BV1Ey4y1M7rL/?spm_id_from=333.788.recommend_more_video.10
▲ビリビリで圧倒的な人気を誇る中央電子台の「俺の嫁」キャスター、王氷氷が降臨したことにより、ビリビリは大騒ぎになった。大量の二次創作が生まれた。

この話題がSNSで拡散し、ビリビリには大量の二次創作が生まれます。

そして、蜜雪氷城は抖音での配信も始めます。蜜雪氷城公式アカウントでも配信はしましたが、抖音では各店舗のスタッフにショートムービーを配信してもらいました。なぜなら、抖音はショートムービーを投稿すると、まず最初に、地理的に近い場所にいるユーザーに優先的に配信をするからです。ムービーには位置情報も付いているので、店舗の近くにいる人がショートムービーを見ることになり、店舗への集客が可能になるのです。

https://v.douyin.com/8YEbMbr/
▲店舗の女性スタッフが配信したダンス映像が可愛らしいと評判になり拡散。このダンスを真似た自撮りムービーも投稿されるようになる。

このビリビリで大量の二次創作を発生させ、抖音で店舗近くの人を集客するという手法は、これ以降、チェーン小売のプロモーションのお手本となっていきます。

この蜜雪氷城のプロモーションについては、「vol.087:洗脳神曲「密雪氷城」の背後に隠されたプロモーションロジック」で詳しく解説しています。

Next: アリババのセクハラスキャンダルも!第8位〜6位まで一挙に紹介



第8位:会員制ホールセールクラブの開店ラッシュ

ホールセールクラブは、日本ではコストコが有名で、会員制のスーパーであり、多くの商品がケース買いなどのまとめ買いをするスーパーです。ホールセールクラブの中国進出は早く、1996年にはウォルマート系のサムズクラブが深セン市に出店をしていましたが、あまり話題にはならず、伸び悩んでいました。

それが、にわかにサムズクラブを筆頭に、独「メトロPlus」、米「コストコ」、仏「カルフール」などが出展計画を進めることになりました。また、国内スタートアップの「fudi」、アリババの「盒馬X会員店」(フーマX)、永輝(ヨンホイ)傘下の「永輝倉貯店」も加わり、特に北京ではホールセールクラブの出店ラッシュになっています。

ひとつはスーパーの業績が低迷をし、従来の業態では将来が見えなくなっていることです。新小売スーパーや社区団購に顧客を奪われているところにコロナ禍が起こり、多くの人が密集している場所を避けるようになりました。

ホールセールクラブは、車でいき、まとめ買いをするというスタイルなので、買い物をする回数を減らすことができます。これにより、サムズクラブに人が集まるのを見て、既存スーパーやテック企業が、ホールセールクラブの出店を進めています。

ただし、軌道に乗るかどうかは、これからの売れ行き次第です。食品小売の業界は、消費者が望む業態をめぐって流動する状況が続いています。

第7位:アリババのセクハラスキャンダル

今年8月7日、アリババの女性社員がネットに匿名でセクハラにあっていることを告発しました。単なるセクハラではなく、今の時代にこんなことが行われるのかと思うほどの内容であったことから大きな話題になりました。

この女性は、山東省済南市に出張をし、商談の流れで顧客とKTV(カラオケ)に行き、そこで顧客から体を触られるなどの性的被害を受けました。これも問題ですが、本当の問題はその後です。宿泊先のホテルに戻ると、今度は上司の男性が4回にわたって部屋にやってきて、性的な関係を強要しようとしました。女性は、帰社してからアリババの人事部に訴えましたが、反応がないために、ネットで告発をするに至ったと言います。

結局、公安の捜査も始まり、アリババでも調査委員会を立て、最終的に問題の上司は永久に再雇用をしない解雇となり、すべての調査結果を公安の捜査に提供することになりました。営業部と人事部の責任者も引責辞任をする事態となりました。

問題は、アリババの営業職はこれに近い屈辱的な接待が常態化をしていたということです。アリババと言えば、中国を代表するテック企業で、「世界のすべての課題をビジネスで解決すること」をミッションにしています。そこで、昔の中国のような接待が行われていたということに多くの人がショックを受けました。

アリババは女性社員の比率が5割に近く、女性が最も働きやすい企業のひとつだと言われていました。また、古い時代の接待営業などはしない企業だというイメージもありました。それが崩れてしまったのです。アリババのイメージが大きく傷つけられた事件です。

第6位:ウイグル強制労働問題

新疆ウイグル自治区のウイグル人が綿花収穫の労働を強制されているという問題は、中国国内でも大きな話題になり続けています。ただし、中国政府は、強制労働というのは米国が捏造したフェイクニュースであるという主張をしています。中国のネットでは、BCI(Better Cotton Initiative)が自分たちが扱う綿花の利用を拡大するために、ライバルであるウイグルコットンを使わないように攻撃しているという説が信じられています。

この強制労働があるのかないのか、誰にもわからない状態です。米国政府も断定はしてなく、「強制労働の疑い」という表現を使い、強制労働の決定的な根拠というのは存在しません。一方で、中国政府もフェイクだと非難するのみで、公平な組織による視察や現地調査も受け入れず、真実を明らかにする道筋がまったく見えない状況です。

その中で、アパレルブランドH&Mが、ウイグルコットンを扱わないことを表明すると、EC「淘宝網」(タオバオ)、京東(ジンドン)、ピンドードーなどがH&M製品の取り扱いを止めるなど、民間レベルでも対立が続いています。

私にはこの強制労働があるのかないのかを知る術はありません。しかし、かなり以前から「ウイグル人にとって、綿花収穫は高給がもらえるいい仕事」という話は聞いていました。ウイグル人だけでなく、漢民族の人も綿花収穫の出稼ぎに行く人がいるということも聞いたことがあります。ただし、仕事そのものは重労働であり、とてもつらい仕事だそうです。感覚として、日本の都市伝説のひとつである「マグロ漁船」に近いのだと感じました。

ウイグルでは、東トルキスタン独立運動が行われていて、一部のウイグル人過激派により2013年には天安門に自動車で突入する自爆テロにより5人死亡、2014年には雲南省昆明駅で、8人のウイグル人が刀を振り回し、34人が死亡、143人が負傷するというテロが起きています。この無差別テロは中国国内だけでなく、国際社会からも大きな非難を浴びました。

そのため、過激派グループは舞台を新疆ウイグル自治区内に移し、炭鉱襲撃や市場での自爆テロを次々と起こしたため、新疆ウイグル自治区は、重要な産業であった観光収入がほとんどなくなりました。危険であるために、誰も観光に行かなくなってしまったのです。そのため、善良なウイグル人は綿花による収入に頼らざるを得なくなっています。

それが、この強制労働問題で、ウイグルコットン産業も停滞をすることになると、ウイグルの経済はどうなっていくのかという心配の声が挙がっています。すでに新疆ウイグル自治区の外に仕事を求めるウイグル人も増えています。問題のすべてが最終的に被害を受けるのが善良なウイグル人であるというところがこの問題の複雑なところです。

Next: 中国版インスタのエロ過ぎ問題!? 第5位〜6位は中国社会に風穴を開けた



第5位:小紅書のやりすぎ問題

小紅書(シャオホンシュー、RED)はインスタグラムによく似ていますが、その裏でECと結びついていて、バズる写真やムービーを投稿すると、それに紐づけた商品も売れ、投稿者は大きな利益を得られるという仕組みになっています。そのため、小紅書の網紅(ワンホン、ネットの人気者、インフルエンサー)たちは以前からいろいろとやりすぎるという批判を受け、炎上することがたびたびありました。日本の迷惑YouTuberに似たような問題です。それが今年はいつもの年にも増して多く、目立つことになりました。

今年の初めには、ある網紅がブラジャー姿でスノーボードをするというショートムービーを公開して話題になり、多くの投稿主が真似をしました。ブラジャーといっても下着のブラジャーではなく、ジムなどで使われるセパレートのトレーニングウェアのようなものです。「寒くはないのかな?」と心配にはなるものの、目に新しい、 なかなか新鮮な映像です。しかし、中国では下品だ、性的すぎると炎上をしました。

9月には「佛媛」スタイルが流行しました。これは寺院などの古く趣のある場所で女性が自撮りをするというものです。レトロな感じでスタイリッシュであることから他の投稿主も真似をするようになりました。すると、なぜか、深いスリットの入ったドレスや、レースのシースルースカートなど、セクシーな衣装を着る方向に走り始めたのです。

日本の感覚では、ポルノにはなりませんし、週刊誌のグラビアよりもおとなしい表現ですが、これが炎上しました。真面目に修行をする僧侶たちがいる寺院で、そんな格好をするとは何ごとかという批判です。

小紅書は20代、30代の女性利用者が多く、日本でいう「インスタ映え」に注目が集まります。美しい景色のスポットが、いったん小紅書で人気になると、その場所には大量の小紅書ユーザーが訪れ写真を撮っていき、後に大量のゴミが残されるということが社会問題にもなりました。

人気があるSNSだけに起こる問題ですが、今年はさすがに炎上が連続し、批判が高まりました。

第4位:滴滴のニューヨーク上場直後のアプリ配信停止事件

中国最大級のユニコーン企業と言われていたライドシェアの「滴滴」(ディディ)が、6月30日に米ニューヨーク証券取引市場に上場を果たしました。アリババ以来の大型上場となりました。

しかし、その5日後、滴滴のアプリが違法に個人情報を収集しているとして審査が入り、結局、アプリの配信が停止となりました。現在でも、配信停止は解けてなく、滴滴は上場廃止を考えなければならないところまで追い込まれています。

アプリの配信が停止になると、ダウンロードやアップグレードができないため、新規ユーザーを獲得すること、新サービスを始めることができません。すでにアプリをインストールしている人のみサービスを利用できます。

しかし、痛いのはミニプログラムです。ミニプログラムはアプリよりも利便性が高いので、アプリではなく、WeChatなどのミニプログラムから滴滴を利用する人が増えています。ミニプログラムは、開くときにアプリそのものを読み込むSaaSのような仕組みなので、アプリが配信停止になるとミニプログラムが使えなくなってしまうのです。事実上の営業停止にも近い処分です。

滴滴が天国から地獄へ落とされる酷い目にあった理由として、多くの中国メディアが指摘しているのがVIEスキームへの規制です。VIEとはVariable Interest Entities(変動持分事業体)のことです。

中国では、政策上、多くの産業で外資の参入を制限しています。自動車産業は制限類に指定され、外資は50%未満の株式しか保有することができません。そのため、トヨタは中国に進出をしていますが、広州汽車と合弁で「広汽豊田」という会社を設立しています。外資であるトヨタが中国に100%子会社をつくることはできないのです。国内産業を保護するというのがその理由です。

ネット企業は、情報の安全保障の問題(ネット企業の保有する情報が外国人に流れる)もあるので、外資の参入が完全に禁止される禁止類に指定されています。つまり、外資企業、海外のベンチャーキャピタルは中国のネット企業の株を持つことはできません。しかし、ソフトバンクは滴滴やアリババの株を保有しています。これはどういうことでしょうか。これを可能にしているのがVIEスキームです。

まず、ケイマンやバージン諸島などのタックスヘイブンにシェルカンパニーを設立します。これは実体のないペーパーカンパニーです。外資にはこのシェルカンパニーの株式を保有してもらうことで資金を調達します。

このシェルカンパニーは中国から見ると外資企業になるので、国内の事業会社の株式を保有することはできません。そこで、統治、利益などの契約を結び、事業会社が子会社と同様になるようにします。これで国内事業会社が、外資から資金調達をして、中国国内でビジネスを展開できるようになります。

ペーパーカンパニーやタックスヘイブンという言葉が出てくると、なにかとても怪しげなことをしているかのように見えますが、基本的には日本でもおなじみのホールディングカンパニー制度と同じです。ホールディングカンパニーは事業会社の株式を保有することで事業会社を統治しますが、VIEスキームでは契約により事業会社を統治します。

そのため、米国の法律上、VIEスキームは何の問題もなく、シェルカンパニーを米国証券市場に上場させることができます。

アリババを始め、中国の多くのテック企業がこのVIEスキームを採用し、米国証券市場に上場をしています。

ところが、中国国内でも違法ではないものの、合法と言える根拠もありません。法的整備がなされていないグレーゾーンになっています。もうみなさんよくご存知だと思いますが、このような時、中国政府は、そのグレーな状況が中国社会にとってメリットを与えている間は黙認をし、デメリットが大きくなると一気に規制を始めるという対応をします。

古くは山塞携帯電話(無免許製造携帯電話)、不動産、シャドーバンキングによる理財商品、スマホ決済、ネット消費者金融なども黙認の期間に大きく成長し、規制により正常化するという道をたどってきました。

日本人の感覚から見ると、黙認の時期は「めちゃくちゃ、でたらめ」に見え、規制の時期は「強権的、独裁的」に見えますが、政府の規制のタイミングは見事だとしか言いようがなく、いずれも(中国にとっては)ソフトランディングさせ、正常化をさせています。

中国でさまざまな経済問題が発生すると、そのたびに日本では「中国バブルが崩壊する。中国の終わりの始まり」と大げさに報道されますが、終わってみると、わりと小さな波乱で乗り切れているのは、よほど政府の規制に関する意思決定が正確で迅速なのではないかと思います。その意思決定プロセスは報道されませんし、窺い知ることすらできませんが、担当をしているチームは毎日が真剣勝負なのだと思います。

VIEスキームは、中国でも違法とは言えないものの、政府の「外資の参入規制を定めて、国内企業を保護し、国内企業が力をつけるとともにネガティブリストを小さくしていく」という産業促進策から見れば、抜け穴をつかれたようなもので、いずれ規制はしなければならない問題でした。

そのため、ここ数年で、アリババや百度、京東などのテック企業が、米国証券市場にも上場しながら香港証券市場にも二重上場をするという動きをしています。いつ規制が入って、米国証券市場から上場廃止をすることになっても、資金調達ができるように先手を打っているのです。

なぜ、政府はこの段階にきてVIEスキームの規制を始めたのでしょうか。いちばん大きな理由は中国の労働人口=消費者人口が減少に転じたことです。つまり、中国経済は高度成長から安定成長に切り替えなけれなりません。そのために、中国政府が定めた成長戦略から外れる動きを規制して、正常化を始めているのです。

この問題については、このメルマガの「vol.098:なぜ中国政府はテック企業の締め付けを強化するのか。公正な競争とVIEスキーム」で詳しくご紹介しています。また、滴滴の創業からの物語は「vol.028:MaaSにいちばん近い企業。滴滴出行の現在」でご紹介しています。

Next: 第3位:著名人の脱税事件/第2位:当たり前になった電気自動車



第3位:網紅が続々と脱税で高額追徴金

網紅の脱税の指摘が続いています。11月には林珊珊と雪梨、12月には日本でも最近知名度が上がってきたタオバオ達人の第一人者「ウェイヤー」、口紅王子「リ・ジャーチ」の巨額脱税が指摘されました。

ウェイヤーに対する追徴金は巨額で13.41億元(約240億円)にもなりました。ウェイヤーの場合は、それだけでなく、タオバオ、ウェイボー、抖音などのアカウントも凍結されてしまいました。つまり、ネットでの活動がまったくできなくなります。

脱税といっても、個人の収入を会社に入れ、そこから給料をもらう形にし、会社の経費を使うという、個人事業主としてはありがちな節税をしていただけであり、個人的には厳しすぎるような気もしないではありません。

「ウェイヤーなど、すでに富豪と言えるほど稼いだいのだから、引退をして遊んで暮らせばいい」と言う人もいますが、ウェイヤーは自分のマネージメントとEC関連のビジネスを行うために従業員2,000人を抱えた企業のCEOでもあります。この会社は大幅にリストラをするか、それでも持たず解散をするということになると、いくらウェイヤーでも多くの資産をなくすことになるかもしれません。

このような見せしめのようなことが行われるのも、中国の成長スピードがシフトチェンジをしたことを示しています。これから安定成長時代に入り、庶民は思うように給料があがっていかないという不満を持つことになります。一部では長時間労働をしているのに給料があがらないという不満も出始めています。その不満をガス抜きするために、常識外れの高収入を得ている人たちの脱税を厳しく取り締まっているのです。個人の才覚や努力で高収入を得るのはいいことだけど、ルール違反は許されないという政府の姿勢を見せるためです。

今後も、芸能人、網紅、投資家、企業家などの脱税の指摘は続いていくと思われます。

第2位:五菱とテスラが主導するEVシフトが始まる

今年は、五菱の50万円EV「宏光MINI EV」(ホングワン)、テスラの「モデル3」「モデルY」がよく売れ、本格的なEVシフトが始まった年となりました。まだ、統計は出ていませんが、2020年の2倍の売れ行きに到達しそうな勢いです。

宏光MINI EVがいかに考えられて発売された商品かは「vol.095:大ヒットする「宏光MINI EV」の衝撃。なぜ、50万円で車が販売できるのか。その安さの秘密」でご紹介しています。

簡単に振り返ると、

1)通勤用と割り切った商品コンセプト
2)燃料FR車という古い技術を徹底流用
3)EV生産を促進させるNEVクレジット政策を徹底活用
4)コロナ禍により長距離移動を避ける状況で市場に投入

などが成功の要因です。

しかも、発売してみると、通勤車だけでなく、若い女性がカスタマイズをして遊ぶための車として買うという意外な現象が起きました。これも五菱は素早く反応して、パントーンと提携してパステルカラーの「マカロン」シリーズを発売し、春と秋には新色を発表し、化粧品、アパレルなどのメーカーと共同して「五菱少女パーティー」というイベントを開催しています。素早く、市場の反応に対応したあたりも見事な手際だと思います。

テスラは、上海などの経済的余裕のある人の間で売れています。一般庶民の間では五菱、富裕層、準富裕層の間ではテスラが牽引をして、本格的なEVシフトが始まろうとしています。

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第1位:テック企業が続々と独禁法違反で罰金へ

今年のテック業界のいちばんのニュースと言えば、やはりこれです。4月には、アリババが独禁法違反で2019年の営業収入の4%にあたる182.28億元(約3,000億円)が課せられました。これほど高額にはなっていませんが、テンセント、美団、ピンドードーなどテック企業のほとんどが独禁法違反を指摘され罰金を課せられています。

アリババが指摘されたのは「二選一」(二者択一、排他的契約の強要)行為です。自社のEC「タオバオ」の販売業者に対して、他のECに出品しないように求めたものです。他のECにも出品する業者は、検索順位を不利にするなど、さまざまな冷遇をしました。

もちろん、支配的地位を利用して圧力をかけた行為であり、公正な競争を阻害するものですが、このようなことはあからさまには行われないものの、どこの業界でも多かれ少なかれあることです。「だからいい」と擁護をしているのではなく、今までは黙認されてきたのに、ここにきて突然厳しく罰せられるようになったという点に注目をすべきです。これもやはり、中国の成長がシフトチェンジをしたことと大きな関係があります。

一言で言えば、アリババやテンセント、美団、ピンドードーなどが大きくなりすぎて、新しいビジネスが登場しても、その市場をつくってきたスタートアップ企業は競争に負け、「次のアリババ」になるチャンスを得ることができなくなっています。

例えば、社区団購は、事前注文により配送量が事前に確定するため、流通の需給を調整する仲卸が不要になり、物流が簡素化できることにより、生鮮食料品などを安価に提供できるというビジネスです。元々は農村などの地方で、小売店舗が少ないことを補うために生まれた生活協同組合のようなビジネスです。これが、コロナ禍により注目され、テック企業が続々と参入をしていきました。すると、それまで市場をゆっくりと育ててきた社区団購各社は、資本を持っているテック企業に敗退をして破綻をするところも現れるようになりました。結局、現在はアリババ系と美団系が市場を支配しそうな情勢です。

つまり、どんなビジネスであれ、手塩にかけて市場をつくっていっても、後から参入してきた大手テック企業に負けてしまうのです。

中国では、「劇場効果」と呼ばれるビジネス寓話がよく語られます。劇場で、1列目の観客が「もっとよくステージを見たい」と立ち上がります。すると2列目の観客は見えづらくなるので立ち上がります。3列目、4列目も同様で、最後には全員の観客が立ち上がることになります。結局、1列目の観客を除いて、見やすさは以前と変わりません。違いは、以前より疲れるということです。

よく言われる「大手テック企業叩きが始まった」ということではありません。大手だからこそ、定められたルールを厳格に守れということです。大手も中堅もスタートアップも同じルールで戦う公正な競争をする環境をつくろうとしています。

VIEスキームも同様です。国内法を厳格に守ろうと考える企業は、国内から苦労をして資金を調達しなければなりませんが、VIEスキームを採用する企業はやすやすと海外から大量の資金を調達して、それを背景に市場を独占していきます。それは公正な競争とは言えないと、中国政府は考えているのだと思います。

このような規制、正常化が進むと、大手テック企業の以前のような華々しい動きというのは少なくなるでしょう。しかし、一方で、中堅企業やスタートアップ企業の成長空間が生まれます。日本のメディアは大手テック企業の動きが活発でなくなることを捉えて「中国テックバブルの終焉」というような切り口で報道をすることも増えると思いますが、その時に、大手ではない中堅企業、新興企業がどのような動きをしているかを同時にチェックしておくことが大切です。そこから「次のアリババ」「次のバイトダンス」が生まれてくるかもしれません。

来年は、このメルマガでも、大手だけでなく、そのような中堅、新興の動きもできるだけお伝えしていこうと思っています。

コロナ一色だった1年が終わろうとしています。2022年こそは、完全終息をして、晴れやかな年になることを願ってやみません。1年間、つたないメルマガをお読みいただきありがとうございます。来年もまた中国テック業界の動向をお伝えしていきたいと思っております。

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2021年12月配信分
  • vol.104:2021年中国テック業界10大ニュース。1位はやはりテック企業への規制強化(12/27)
  • vol.103:商品はショートムービーで紹介するのが主流。タオバオを起点にショートムービーで展開する興味ECの仕組み(12/20)
  • vol.102:TikTokに使われるAIテクノロジー。最先端テックを惜しげもなく注ぎ込むバイトダンスの戦略(12/13)
  • vol.101:交通渋滞を交通信号を制御することで解消。都市の頭脳となる城市大脳が進めるスマートシティー構想(12/6)

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2021年11月配信分
  • vol.100:コロナ後に急増したネット詐欺。ねらわれる若い世代。被害者の6割以上が20代(11/29)
  • vol.099:アフターコロナ後の消費者心理はどう変化したか。「健康」「環境」「デジタル」「新消費スタイル」の4つ(11/22)
  • vol.098:なぜ中国政府はテック企業の締め付けを強化するのか。公正な競争とVIEスキーム(11/15)
  • vol.097:始まった中国の本格EVシフト。キーワードは「小型」「地方」「女性」(11/8)
  • vol.096:国潮と新国貨と国風元素。中国の若い世代はなぜ国産品を好むようになったのか?(11/1)

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2021年10月配信分
  • vol.095:大ヒットする「宏光MINI EV」の衝撃。なぜ、50万円で車が販売できるのか。その安さの秘密(10/25)
  • vol.094:機械学習によるリコメンドがトレンド。EC「京東」、音楽サービス、TikTokのリコメンドシステム(下)(10/18)
  • vol.093:機械学習によるリコメンドがトレンド。EC「京東」、音楽サービス、TikTokのリコメンドシステム(上)(10/11)
  • vol.092:「テンセントの壁」が崩れ、ネットのオープン化で何が変わる?(10/4)

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2021年9月配信分
  • vol.091:スマート化により成長市場となっている中国家電。トレンドは「高級化」「健康機能」「ペット家電」(9/27)
  • vol.090:今どきの子どもたちのネット事情。ゲーム規制、教育改革をしたたかかに生きる子どもたち(9/20)
  • vol.089:イノベーションを起こす女性起業家たち。過去にとらわれない自由な発想力(9/13)
  • vol.088:オタク×テック×ビジネス。二次創作×企業。産業として成立し始めたオタク経済(9/6)

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2021年8月配信分
  • vol.087:洗脳神曲「密雪氷城」の背後に隠されたプロモーションロジック(8/30)
  • vol.086:広がるサードパーティー製インプットメソッド(漢字入力)。人気の理由は音声入力とAI機能(8/23)
  • vol.085:成長するオタク市場の「三坑アパレル」。JK制服、漢服、ロリータが人気の中心(8/16)
  • vol.084:テンセント帝国の終わりの始まり。ゲーム業界に起きている大きな地殻変動(8/9)
  • vol.083:簡単ではない自動運転ロボタクシーの事業化。試験運行を始めている6社の事業化戦略とは(8/2)

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2021年7月配信分
  • vol.082:広告メディアとしてのTikTok。デジタル広告の主流になり始めているショートムービー広告(7/26)
  • vol.081:生鮮EC「ディンドン買菜」「毎日優鮮」が米国上場へ。生鮮ECの黒字化はほんとうに可能なのか(7/19)
  • vol.080:中国主要スーパーが軒並み減収減益の危険水域。もはや店頭販売だけでは生き残れない(7/12)
  • vo.079:再び動き始めた顔認証技術。中国の主要プレイヤー6社の戦略(7/5)

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2021年6月配信分
  • vol078:ECがビジネスモデルの変革期に突入。ライブコマースによる「興味EC」「アルゴリズムEC」とは(6/28)
  • vol.077:あらゆる商品を1時間以内にお届け。即時配送が拡大する理由とその難しさ(6/21)
  • vol.076:無人カート配送が普及前夜。なぜ、テック企業は無人カートを自社開発するのか?(6/14)
  • vol.075:アリババをユーザー数で抜いて第1位のECとなったピンドードー。そのビジネスモデルのどこがすごいのか?(6/7)

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2021年5月配信分
  • vol.074:アリババはテンセントの軍門に降ったのか。アリババのサービスがWeChatミニプログラムに続々対応(5/31)
  • vol.073:個人商店を系列化する社区団購。主要テック企業が資本を投下し、競争が過熱をする理由(5/24)
  • vol.072:中国の消費者保護はどうなっているのか。三包とテスラ問題、iPhone問題の関係(5/17)
  • vol.071:コロナ終息後にも定着した5つのトレンド。ライブコマース、社区団購、リモートワークなど(5/10)
  • vol.070:アリババに巨額罰金。独占を防ぐことで、市場は停滞をするのか、それともさらに成長するのか(5/3)

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2021年4月配信分
  • vol.069:インドネシアで苦戦をするアリババ。発想力で抵抗する地元系スタートアップ(4/26)
  • vol.068:私域流量を集め、直販ライブコマースで成功する。TikTok、快手の新しいECスタイル(4/19)
  • vol.067:ビジネスとして成立をし始めたeスポーツ。老舗企業も注目する新たなコンテンツ産業(4/12)
  • vol.066:ネットの中心はテキストからショートムービーへ。始まりつつある大変化(4/5)

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2021年3月配信分
  • vol.065:中国で始まった海外渡航。日本へのインバウンド旅行客はいつ戻ってくるのか(3/29)
  • vol.064:中国社会の弱点「信用形成」を補うブロックチェーン技術。その応用事例(3/22)
  • vol.063:テック企業にとっての春節。テックサービスを地方と高齢者に伝播をさせる重要な時期(3/15)
  • vol.062:突如として売れ始めた電気自動車(EV)。中国のEVシフトが本格化(3/8)
  • vol.061:再び注目を集める無人小売テクノロジー。非接触と人材採用がキーワードに(3/1)

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2021年2月配信分
  • vol.060:ショッピングモールの不振から見える小売業の変革。人と商品の関係性が変わる(2/22)
  • vol.059:新型コロナ終息後の消費行動はどう変わったのか。5つのキーワード(2/15)
  • vol.058:再び成長を始めたTik Tok。テンセントのWeChatと正面から激突(2/8)
  • vol.057:テック企業に蔓延する996。社会問題化する長時間労働問題(2/1)

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2021年1月配信分
  • vol.056:広告のコンテンツ化が進むビリビリとTik Tok(1/25)
  • vol.055:中国のAI開発体制と2020年のAI応用例(1/18)
  • vol.054:中国最後の巨大市場「銀髪族」。テック企業が注目をする4.7億人市場(1/11)
  • vol.053:保険金の支払いは投票で決める。加入者1億人を突破した「わりかん保険」(1/4)

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2020年12月配信分
  • vol.052:定着をする新中国茶カフェ。鍵は「品質」「ネット」「アート」(12/28)
  • vol.051:限界に達している独身の日セール。それでも記録更新をするアリババ(12/21)
  • vol.050:系列化が進む中国主要テック企業(12/14)
  • vol.049:自動車に関心を示し始めたZ世代(12/7)

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2020年11月配信分
  • vol.048:中国電子産業の原点「山寨機」とは何だったのか?(11/30)
  • vol.047:ライブコマース利用者の4類型と5つの対応策(11/23)
  • vol.046:デジタル人民元の仕組みとその狙い(11/16)
  • vol.045:SARS禍で生まれたEC。SARSで成長したアリババと京東(11/9)
  • vol.044:貧困を撲滅するタオバオ村の成功例と失敗例(11/2)

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2020年10月配信分
  • vol.043:スマートフォンサブブランド戦略はどのように機能をしているのか?(10/26)
  • vol.042:EC「京東」のライフサイクル手法。ビッグデータ解析によるマーケティング(10/19)
  • vol.041:休日消費に起きている変化。キーワードは即時配送、到家サービス、家族(10/12)
  • vol.040:進化が止まらないライブコマース。自動車、マンション、ザリガニまでも(10/5)

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2020年9月配信分
  • vol.039:すべての小売業は新小売になる。既存小売はどこまで新小売化を進めているか?(9/28)
  • vol.038:プラットフォーム化するショートムービー。そのビジネス構造(9/21)
  • vol.037:WeChatへの大転換を可能にしたテンセントと創業者のポニー・マー(9/14)
  • vol.036:デジタル界の無印良品になりたい。中国製造業を変えた小米(シャオミ)創業者「雷軍」(9/7)

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2020年8月配信分
  • vol.035:新中華圏が構築されつつある東南アジアITビジネス(8/31)
  • vol.034:中国の人工知能産業は、米国にどこまで迫っているのか(8/24)
  • vol.033:BATがBATである理由。トラフィック制御からの視点(8/17)
  • vol.032:ソーシャルEC。次世代ECなのか、それとも中国独特のECなのか(8/10)
  • vol.031:大量導入前夜になった中国の自動運転車(8/3)

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2020年7月配信分
  • vol.030:コロナ終息後、中国経済に起きている5つの変化(7/27)
  • vol.029:店舗、ECに続く第3の販売チャンネル「ライブEC」(7/20)
  • vol.028:MaaSにいちばん近い企業。滴滴出行の現在(7/13)
  • vol.027:中国に残された個人消費フロンティア「下沈市場」とは何か?(7/6)

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2020年6月配信分
  • vol.026:中国インバウンド客はいつ頃戻ってくるか?(6/29)
  • vol.025:ポイント還元をむしゃぶりつくす羊毛党とその産業構造(6/22)
  • vol.24:ゲーム業界から注目される女性プレイヤー。「彼女ゲーム市場」とは何か(6/15)
  • vol.023:即時配送が変える小売業態。新小売と社区団購(6/8)
  • vol.022 OPPO、vivoを生んだ歩歩高とその創業者段永平(6/1)

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2020年5月配信分
  • vol.021 感染拡大で実戦投入された人工知能テクノロジーの数々(5/25)
  • vol.020 経済復活の鍵は「ライブEC」。感染拡大から広がる新たな販売手法(5/18)
  • vol.019 生き残りを賭ける飲食業。鍵は「外売」(デリバリー)(5/11)
  • vol.018 ニューノーマル。終息後の新日常は、以前とどう変わるのか?(5/4)

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2020年4月配信分
  • vol.017 アリババとテンセント。ECビジネスをめぐる衝突(4/27)
  • vol.016 敗走するアマゾン、カルフール。理由はグローバルとローカルの衝突(4/20)
  • vol.015 中高年にスマホ決済を浸透させた台湾庶民派スーパー「PX Mart」の取り組み(4/13)
  • vol.014 1日で4.1兆円売り上げる「独身の日」は、どのように生まれたのか?(4/6)

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2020年3月配信分
  • vol.013 1日で420億円の商品を売る。網紅の桁外れの販売力の仕組み(3/30)
  • vol.012 広告メディアとしてのTik Tok。その驚異のコンバージョンの秘密(3/23)
  • vol.011 人口ボーナス消失とZ世代。経済縮小が始まる(3/16)
  • vol.010 中国テック企業は、新型コロナとどう戦っているか(3/9)
  • vol.009 潜在顧客を掘り起こし、リピーターを育成するモバイルオーダー(3/2)

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2020年2月配信分
  • vol.008 新小売戦略の要となったフードデリバリー「外売」(2/24)
  • vol.007 ミニプログラム活用で新規顧客を獲得する店舗小売(2/17)
  • vol.006 中国のEVシフトは成功なのか。それとも失敗なのか?(2/10)
  • vol.005 第2位のECに浮上した拼多多とは何ものか?(2/3)

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2020年1月配信分
  • vol.004 ファーウェイと創業者、任正非(1/27)
  • vol.003 シェアリング自転車は投資バブルだったのか(1/20)
  • vol.002 アリペイとWeChatペイはなぜ普及をしたのか(1/13)
  • vol.001 生鮮ECの背後にある前置倉と店倉合一の発想(1/6)

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image by:metamorworks / Shutterstock.com

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2021年12月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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