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日経平均は反落、アジア市況など嫌気し「掉尾の一振」期待萎む

日経平均は反落。28日の米株式市場でNYダウは5日続伸。S&P500指数は一時過去最高値を更新したが失速し小反落。新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」に対する警戒感の緩和が引き続き景気回復に対する楽観的な見方を支援した。ハイテク株は利益確定売りに押され、ナスダック総合指数は反落。米株高の小休止を受けて日経平均は73.43円安からスタート。寄り付き直後に一時29106.28円まで切り返したがすぐに失速。前場中頃からはオミクロン株感染拡大を受けて軟化したアジア市況を嫌気し29000円を割り込むと下げ幅を拡大。後場は下げ渋ったものの、「掉尾の一振」への期待は薄く、戻りは限定的となった。

 大引けの日経平均は前日比162.28円安の28906.88円となった。東証1部の売買高は8億5258万株、売買代金は2兆0392億円だった。セクターではゴム製品、食料品、ガラス・土石製品などが下落率上位に並んだ一方、海運業、空運業、水産・農林業などが上昇率上位に並んだ。東証1部の値下がり銘柄は全体の24%、対して値上がり銘柄は72%となった。

 個別では、連日で上場来高値を更新していた東エレクやレーザーテックが利益確定売りに押され反落。キーエンス、日立製、キヤノン、村田製、アドバンテストなどのハイテク株も下落が目立った。ファーストリテ、任天堂、OLCなどの値がさ株やグロース(成長)株の一角も軟調。トヨタ自も売られた。配当や優待の権利落ちでJTやすかいらーくHDも大きく下落。3日ぶりにザラ場で寄り付いたレノバは30%超の下落率で急落。上半期決算発表で目先の出尽くし感が先行したERIHDも急落。第1四半期好決算も出尽くし感が優勢となったマルマエは4%超下げた。

 一方、久々に商船三井や川崎汽船の海運株のほか、ソフトバンクGが大きく上昇。JR東日本、JAL、エイチ・アイ・エスなどのアフターコロナ銘柄も堅調。9-11月期が大幅増益となったJフロントは大幅高。調査報告書受領を受けた警戒感の後退や過年度決算の修正による実体面での影響は限定的との見方から、アウトソーシングが急反発。また、9-11月期の大幅増益決算が好感されたTAKARA&C、株主還元を強化した京都銀行がそれぞれ急伸し、通期計画下方修正も足元の業績回復が評価されたスギHDも上昇した。オアシス・マネジメントの大量保有報告が手掛かりとなったインフォコムは東証1部値上がり率上位に顔を出した。

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