政府が6月に決定する「新しい資本主義」の全容がついに明らかとなりました。iDeCo(イデコ)加入年齢の引き上げや社会保険の充実など、50代以上の人には必見の政策となりそうです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
iDeCo加入年齢70歳未満に引き上げ
政府が6月に決定する「新しい資本主義」の実行計画案の全容が昨日、5月30日にわかりました。
その中で個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)の加入対象年齢を65歳から70歳未満に引き上げることが盛り込まれています。
iDeCoの対象年齢引き上げは、希望者が70歳まで働ける機会の確保が企業の努力義務になったことが背景にあります。
企業型確定拠出年金は、一足先に今月から70歳未満までと拡大しています(企業によって違いはあります)。
70歳未満まで引き上げられれば60代の方でも十分加入の検討価値はあります。
専業主婦は国民年金加入が必要
ただし注意したいことも、あります。
iDeCoは、年金の上乗せ制度ですから年金を70歳まで支払い続けていることが条件となります。
専業主婦や扶養内で働くパートの方は70歳未満までの加入はできません。
なぜなら社会保険の扶養は60歳までです。
これは国民年金は基本的に60歳までが加入期間となっているためです。
iDeCoの延長を続けるには、60歳以降、任意で国民年金に加入する必要があります。
Next: パートで働いていても社会保険に加入できる年金増収のチャンス
60歳以降も働くことで年金を増やせる
ただし今年の10月に新たに社会保険の適用対象になる方が増えるのです。
社会保険の扶養内で働いていたパートの方も、今年の10月から従業員数が101人以上のお勤め先ならば加入対象となります。
パートで働いていたとしても年金を増やせるチャンスなのです。
また収入の少ない自営業の方も60歳以降、パートで働くことで年金が増やせるのです。
101人以上の従業員がいて、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満で、4月額賃金が8.8万円以上の方は、社会保険に加入できるようになります。
例えば、年間120万円の収入があって10年間加入する場合年額108万円の年金保険料がかかりますが、増加する年金額は、年間で6万円です。
年金は、亡くなるまで支給されますから、年金の受取期間が18年以上あれば元が取れることになります。
さらにiDeCoも併用したら、所得税を節税しながら年金を増やせます。
長く働くことで年金が増やせるようになるのは嬉しいことですね。
『教育貧困にならないために』(2022年5月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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