マネーボイス メニュー

「いくらあれば老後を安心して暮らせる?」に究極の解答。節約より出費の見直しで老後資金は不要になる=川畑明美

「老後を安心して暮らすために、いくら貯金すればいいのか?」という悩みは、誰しもが抱えているかもしれません。でも、この質問に対する答えは、とてもシンプルです。現在の毎月の出費を、老後と同じ額に抑えればいいのです。そうすれば、老後資金を貯めようとしなくても、貯金は自然と増えていきます。そのためには生活費の節約よりも、出費の内容を見直すことが必要です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

【関連】仕事は60歳でスパッと辞めよ。人生100年は嘘、死ぬ間際に後悔しない「FIRA60(ファイラ60)」の人生プラン=榊原正幸

プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

いくらあれば老後を安心して暮らせる?

「いくらあれば老後は安心して暮らせるでしょうか? 」

仕事柄、私はよくこのような質問をいただきます。

老後資金がいくら必要なのかは、人それぞれですからなかなか正解はありません。

老後にいくら必要なのかを考えるよりももっと大事なことがあります。

「毎月いくらで生活できているのかを知る」 ことです。

毎月、ご夫婦で20万円くらいの金額で生活できていれば老後資金はいらないかもしれません。

毎月20万円で生活できれば老後資金は必要ない

総務省統計局発表の「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は、25万6,660円です。

手取りでは22万5,501円でした。

つまり毎月20万円で生活できていれば、老後資金は必要ではなくなるのです。

月々の支出が少ない人ほど、老後に必要な貯蓄額も少なくなるのですが、皮肉なことに、月々の支出が少ない人は貯蓄額も多くなる傾向が顕著なのです。

つまり、貯蓄する必要性が薄い人ほど、貯蓄ができているということです。

Next: 老後の貯蓄の心配より、今の生活費の見直しを



人付き合いを見直す

老後の貯蓄を心配するよりも、今からどれだけ生活費をコンパクトにできるのかが大事なのです。

そういうと「節約を徹底するってことですか?」

という声が聞こえてきますが、食費や水道光熱費を節約することではありません。

まずは「人付き合い」を見直してください。

例えば会社で嫌なことがあってグチを言い合うための飲み会に参加するのを止めてみては、いかがでしょうか?

飲み会やママ友とのランチ会を断っても

「付き合いが悪いと言われるか心配でしたが、思ったほどではありませんでした」

という感想をいただいています。

子供の習い事を見直す

子どもの習い事も、同じ傾向があります。

私は小さい頃、好きでもないビアノ教室に通っていましたがこれは完全に「親の趣味」でした。

母親の憧れていた習い事をしていたに過ぎません。

私自身は、とても苦痛でした。

必死に食費を節約するよりも「人付き合いが悪くなるかも」とか「子どもは習い事をしたいに違いない」などの「思い込み」を捨てる方が重要です。

【関連】無駄の塊「生命保険」なぜ欧米より3倍も高い?保険会社のボッタクリと偽りの“相互扶助”に気づけ=神岡真司

【関連】天才投資家ジム・ロジャーズは「現金はゴミ」の時代に何を買う?3つの投資先を明言=花輪陽子

【関連】キャッシュレスで詰む高齢者たち。上級国民以外はクレジットカードを作れない…どう対処する?=岩田昭男

image by:Ljupco Smokovski / Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2022年7月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

教育貧困にならないために

[無料 ほぼ日刊]
人生で二番目に大きな買い物は、子どもの教育費。教育費を意識して貯蓄していますか?「実はコレだけ必要です」から、「学資保険でまかなえるのか?」「目減りしない資産管理」「我慢しない節約」「ゼロから稼ぐ方法」までを調べて実践したことを紹介しています。教育ローンに頼らず、老後資金も確保できる教育費の貯め方を伝授します。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。