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ブロードマインド、クレディセゾンとの資本業務提携を発表 既存事業・新規事業の双方での成長加速に期待

資本業務提携の概要

伊藤清氏(以下、伊藤):本日はお忙しい中、お集まりくださいましてありがとうございます。最初に資本業務提携の概要をご説明します。推進テーマが大きく4つあります。1つ目は、弊社既存の業務であるファイナンシャルアドバイスサービスの提供拡大です。2つ目はプレミアムカード会員向けサービスの拡充、3つ目はファイナンシャル・ウェルビーイング領域での新規事業開発、4つ目は株式会社セゾン保険サービスとの新たなモデルでの協業です。

資本業務提携の目的

資本業務提携の目的です。金融領域で、弊社とクレディセゾンさまは同じ世界観を共有しています。スライド左側が弊社で、パーパスを「金融サービスのあるべき姿を社会実装する」とし、日本人の金融リテラシーの向上を図っています。

特に最近では、人生設計をしてお金に向き合うこと、金融知識を得ること、金融商品を正しく活用することを考えています。弊社の特徴であるワンストップサービスを通じた様々な情報の提供です。

スライド右側のクレディセゾンさまの中期経営ビジョンは「総合生活サービスグループへの転換」です。これにより、ファイナンスサービスを軸に上質で豊かな生活を実現するということです。

弊社とクレディセゾンさまは何年にも渡り弊社既存の金融サービスを展開していて、以前からいろいろな部分で相乗効果があるというお話をしていました。この度、強固なパートナーシップの下で既存サービスのさらなる展開および新たなモデルへのチャレンジを目指すため、資本業務提携に合意しました。

両社の役割と狙い

両社の役割と狙いです。弊社事業の成長の加速、およびセゾンカード会員を中心としたロイヤリティ向上の両立が狙いです。

弊社サービスは金融トータルサービス、住宅ローン、保険、証券、不動産です。また弊社はコロナ渦においても顧客数が減ることなく、弊社独自のオンラインシステムやお客さまのライフプラン設計ができる「マネパス」を利用した展開を行っています。

この展開の一環として、ワンストップサービスにおける新サービスの提供を、クレディセゾンさまのカード会員およびグループ会社社員も含めて進めていきたいと思っています。

また先日、新サービスとして金融教育の「ブロっこり」を発表しました。こちらとも共存しながら新しい教育サービスを展開していきたいと思います。

このように、弊社は既存事業・新規事業の成長加速、クレディセゾンさまは金融サービス領域での高付加価値化によるカード会員を中心としたロイヤリティの向上を図ります。

セゾンカード会員向けファイナンシャルアドバイスサービスの提供拡大

業務提携内容の詳細です。まず、セゾンカード会員向けファイナンシャルアドバイスサービスの提供拡大があります。これはすでに弊社とセゾンさまとの間で行っていることですが、それをさらに加速し拡大していきます。

従来のコンサルティングサービスに加え、もう1つ考えているものがあります。昨今いろいろな来店型ショップが世間に広まっていますが、やはりこのコロナ禍の影響を考えなければなりません。地方から全国まで含めた対応ができ、相談するハードルを低くし、相談しやすい環境を作るため、オンラインFPショップを打ち出し、カード会員向けWebプロモーションの実施やマネーセミナーの強化に取り組みたいと考えています。

これにより、弊社の相談受付体制の強化に合わせて見込み客の安定性をより高める狙いです。加えて、弊社のコールブースを順次増設し、受付体制を強化していきたいと考えています。

プレミアムカード会員向けサービスの拡充

プレミアムカード会員向けサービスの拡充です。セゾンプラチナ・アメリカンエキスプレスカードを中心に「ファイナンシャル・セカンドオピニオンサービス」の提供を拡大します。今年発表したセカンドオピニオンサービスをさらに拡充していくということです。

従来はお客さまの相談に対してどのような対策をすればよいかを、いろいろな金融商品を選択して案内し、金融機関から手数料を取るという方法が弊社のビジネスの中心でした。しかし、私はやはり日本人の金融リテラシーを上げることも含めて、相談することのハードルが非常に高いと思っています。

このサービスは、商品を提供することを前提としていません。例えば保険商品や投資用不動産や金融商品を勧められ「誰に相談すればよいのだろう? これは本当に正しいのだろうか?」と考えた時に、基本的に、相談に対して正しい判断をしていただくために我々が寄り添って情報提供し、それが正しいのか正しくないのか、行うべきなのか行うべきではないのかということも含めてアドバイスをするサービスです。

従来の手数料型のビジネスも走らせながら、もう1つの弊社の独自サービスとして、このサービスもお客さまからフィーをいただきながら行っていきます。このように、プレミアムカードの価値向上に貢献しながら、中長期的なカード付帯サービス化も検討しています。

ファイナンシャル・ウェルビーイング領域での新規事業開発

ファイナンシャル・ウェルビーイング領域での新規事業開発についてご説明します。「金融教育」をテーマにした企業向け新サービスを開発します。

最近ではウェルビーイングという言葉をよく耳にすると思います。これは企業の健康経営につながっていきますが、健康には身体的健康、社会的健康、精神的健康があります。

精神的な健康の部分で、お金に対する不安のような不安を取り除くことによって、社員の働くうえでの生産性なども上がるといわれています。米国ではこのファイナンシャル・ウェルビーイングが非常に広まっている状況で、弊社はこの領域で「ファイナンシャル・ウェルビーイング市場」という新たなマーケットを作っていきたいと思っています。

これによって、弊社のもともとの目的である日本人の金融リテラシーを上げることにもつながってくると思います。そのような部分も含めて、日本で前向きにお金のことに向き合うような人を増やしていきたいです。

株式会社セゾン保険サービスとの新たなモデルでの協業

株式会社セゾン保険サービスとの新たなモデルでの協業です。現在、株式会社セゾン保険サービスは、主に損害保険を中心に展開しています。一方弊社は保険、証券、銀行代理業、不動産のすべてでアドバイスできる、FPともいえる会社です。

そのような中で、既存のセゾン保険サービスのお客さまのLTV向上も含めてあらゆる分野で協業することによって、よりセゾン保険サービスの価値を上げていくことが狙いです。

また、グループ共済会もあり、その活性化支援も含めて考えていきたいと思います。このように、機関代理店との協業という弊社にとって新たなビジネスモデルの構築にチャレンジしていきたいと考えています。

クレディセゾン髙橋副社長より

髙橋直樹氏(以下、髙橋):クレディセゾンの髙橋です。弊社の中期計画があり、その中で特に我々が重点としているお客さまは富裕層の方、シニアの方、アクティブな女性、そしてZ世代です。

我々はそのような方々にそれぞれのライフステージに見合った金融サービスを、新しい金融サービスも含めて提供していくことを考えています。その中で、我々が独自に提供できる商品やサービスは限られており、ブロードマインドさまが持っている知見を活かしてよりよい商品を提供していきたいという考えです。

私がブロードマインドさまとお付き合いし始めてもう10年以上になり、私自身のいろいろな課題について的確なソリューションを提供していただきました。それによって、今私の生活が成り立っているわけです。また、私の家族もそれぞれの課題を持っていて、それについても適切なソリューションを提供していただきました。

このような実体験に基づいて、ブロードマインドさまと資本業務提携をすることが弊社の中期計画を実現する早道だろうと考え、今回の資本業務提携に至った次第です。

質疑応答:資本を伴う提携に踏み込んだ理由について

司会者:「両社は2021年から提携関係にありますが、あらためて資本を伴う提携に踏み込んだ理由をお聞かせください」というご質問です。

伊藤:クレディセゾンさまとはもう10年近くと、提携関係は非常に長いです。そんな中で、髙橋さまのいろいろな相談を受けた時に、弊社としては1つの商品を提供するというよりも、ご家族も含めて髙橋さまや髙橋さまの環境に対して、どのようなものを提供すればよいのか、どんなアドバイスをすればよいのかということをいろいろと考え、ベストな組み合わせを思案しました。

その結果、髙橋さまに非常に喜んでいただき、弊社がどのような仕事を行っているのかを理解していただいたのかと思います。当時は弊社が上場する前ですが、その頃から髙橋さまから資本業務提携のようなお話をいただいていました。

その中で我々も、せっかく提携するのであれば、確実に相乗効果を生めるのか、また互いの現場が実際に協力し合える環境なのかということもきちんと考えなければいけないと思っていました。

弊社は昨年上場しましたが、ここに来て再度髙橋さまとプライベートも含めたいろいろなお話をしました。今後の中長期計画もお互いにあり、その計画を加速するためというのも理由としてありますが、お互いが現場も含めてきちんとグリップできるかどうかも、この1年間でおそらくお互いに確認できたと思います。それが一番大きい理由だと私は考えています。

資本業務提携をしてもなかなか結果が出ないということもよくあると思いますが、今回は現場も含めたすべてにおいて間違いなく協力体制が取れると判断したため、業務提携に踏み切ることにしました。

質疑応答:資本提携によるクレディセゾンの立ち位置について

司会者:「ブロードマインドに質問です。今回の資本提携でクレディセゾンは筆頭株主となるのでしょうか? 」というご質問です。

伊藤:クレディセゾンさまは筆頭株主ではありません。順位としては2位になります。

質疑応答:クレディセゾンから見て両社の親和性が高いと思う分野について

司会者:「ブロードマインドは保険や不動産など複数の分野に渡る助言ができる企業ですが、クレディセゾンから見て、特に親和性が高いと思う分野はどこでしょうか?」というご質問です。

髙橋:我々の会員のみなさまはそれぞれのライフステージでいろいろな課題を抱えています。しかし、私も含めて税務や資産運用、不動産関係などに対する専門的な知識がないのが現状です。そのような中で、やはりそれらの分野でリテラシーの高いブロードマインドさまに助言や提案をしていただくことが弊社の会員にとって大変大切な要素であると考えています。

したがって、特に「この分野について親和性が高い」というように限定することはなく、弊社の会員の知識が不足しているようなことや解決策が見つけられないようなことすべてに渡って、活用できる分野についてはブロードマインドさまの知見を活用したいと考えています。

質疑応答:クレディセゾンが目指す緩やかな経済圏の構築について

司会者:「クレディセゾンは緩やかな経済圏の構築を目指していると思いますが、今回の提携はその1つと考えてよいでしょうか?」というご質問です。

髙橋:そう考えていただいて結構です。

質疑応答:クレディセゾン会員向けサービスの利用状況と目標について

司会者:「すでにクレディセゾンのプラチナ会員向けにブロードマインドのサービスを提供されていますが、現在どのくらいの方がそれぞれのサービスを利用しているのでしょうか? また、提携強化によってどのくらい数字を伸ばしていきたいのでしょうか?」というご質問です。

伊藤:プラチナカード会員向けのサービスはスタートしてまだ1年経っておらず、現在何パーセントの会員が相談しているかについてはまだデータでは取れていません。

ただ、現在弊社に月間約1,500件から2,000件の相談があり、その中の約10パーセントから20パーセントが相談に来ている状況です。我々にはいろいろな提携先があるため、今後この割合を増やすというよりは数を増やすという考え方のほうが正しいかと思います。

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