不動産投資は「資産家が最後にたどり着く道」とも言われ、古来より行われてきた投資手法の1つです。空前の低金利が続いている昨今、その有用性が改めて注目されている一方で、安易に手を出したがために痛い思いをしている人が後を絶たないのも事実です。( 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編 ) ※この記事は音声でもお聞きいただけます。
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2022年8月25日号の一部抜粋です。続編にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年独立。フランチャイズオーナーや投資家として活動。サラリーマン時代に副業で出版した『プロフェッショナルサラリーマン』でビジネス書作家デビュー。「仕事術」「お金」「コンディション」「副業」などテーマは多岐にわたり、異分野で10万部超えを3度達成。著者累計は49万部。これからは、サラリーマンでも副業やお金の知識向上が不可欠と実感し、啓蒙に尽力している。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を6年連続受賞。
資産家が最後にたどり着く道「不動産投資」
今回は「不動産失敗事例」特集をお送りします。不動産投資は、「資産家が最後にたどり着く道」とも言われ、古来より行われてきた投資手法の1つです。
空前の低金利が続いている昨今、その有用性が改めて注目されている一方で、安易に手を出したがために痛い思いをしている人が後を絶たないのも事実です。
今回も、特別ゲストをお呼びしております。MJトラスト株式会社の代表取締役にして国内不動産の専門家である丸山修平さんです。
本日は、失敗事例研究を通じて、不動産投資に必要なモノとは何なのかを、丸山さんとご一緒に考えていきたいと思います(本特集は、会話形式でお送りします)。
プロフィール:丸山修平(まるやま しゅうへい)
新卒で物流企業に就職するも、会社が半年後に倒産。その後、父親の紹介で2500室の不動産物件を所有する不動産会社社長と面会し、不動産の将来性に目覚める。日本橋にある老舗不動産会社に勤務した後、26歳でMJトラスト株式会社を設立。事業用オフィスやホテルの売買仲介、マンションのリノベーション事業、物件管理業務などを事業とする。現在は、会社経営以外にビルオーナーや個人投資家などを対象に、不動産の総合コンサルティングも行う。投資初心者向けには、プロの投資家や資産家が実践している不動産投資法を指南する講座が好評を博している。
※本記事は、丸山さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています。
事例1:“夜逃げマンション”の異名を取る物件になった理由
俣野:不動産投資には、キャピタルゲインを得ること以外にも、資産保全の意味合いや、場所を選んで賃貸付けをすることでインカムゲインを得られる等、多くのメリットがあります。しかし、これらを享受するには、それなりの手間暇をかけることが前提になってきます。単なる投資ではなく、事業家としてのセンスも求められるのが不動産投資です。
丸山:早速ですが、「管理を怠るとどうなるのか?」という事例をご覧いただきたいと思います。ある地方で起きた夜逃げマンションの実例です。
丸山:5年ほど前、私は1棟物件をメインに扱っておりました。“夜逃げマンション”と異名を取っていたその物件は、30部屋ほどあるRCマンションで、場所も最寄り駅からほど遠くない場所にありました。ところが、7部屋ほど夜逃げが相次いでおり、空室率も上がる一方とのことで、知人を通じて「売却を含めて検討しているオーナーがいる」との相談を受けたのです。
Next: なぜ夜逃げ物件になった?1DKに8人が同居する“タコ部屋物件”も…
素人管理では物件が荒廃していく
俣野:物件自体に問題はなかったのですね。
丸山:はい。ことの発端は、親から物件を相続した2代目オーナー様が、管理会社に支払う管理費を惜しんで自主管理に切り替えたことでした。不動産のことを知らない素人管理では、当然、手に余ります。
行き届かない管理は物件の魅力低下につながり、空室となって跳ね返ってきます。人が入らなければ家賃も入ってこないことから、入居審査が甘くなり、他では審査に通らないような人が集まってくるようになったのです。
俣野:それで、夜逃げが相次いだわけですね。
丸山:他にも不法投棄だったり、駐車場に盗難車が何台も停められていたりと、かなり荒れていました。オーナー様とは、何度も協議を重ねましたが、結局、成立には至りませんでした。
俣野:「家賃が入ってくればいい」と、入居者のエントリーチェックを怠ってしまうと、結局は収益性として成り立たなくなる、ということですね。
丸山:不動産物件は、管理が命とも言われています。ここをきちんとしているかどうかで、物件の劣化スピードも変わってきます。
不動産投資を検討される方は、ぜひ肝に銘じていただければと思います。
事例2:1DKに8人が同居!? 実際にあった“タコ部屋物件”
俣野:続いては関東地方の事例ですね。「1DK30平方mに外国人8人が同居」とありますが。
丸山:以前、「一棟8室木造アパートを売却したい」との依頼を受けた時のことです。「管理を任せていた不動産会社が倒産してしまい、入居者情報が全くわからない」というので、現地調査をしてみると、狭い一室の中で、東南アジア系の若い男性8人が寝泊まりしていた現場に遭遇しました。
俣野:普通は、オーナーが契約書を持っているはずですよね?
丸山:はい。不動産会社もコピーを控えとして持っているはずですが、かなりずさんで、倒産後は連絡も取れない状態になっていました。
物件を売却するにしても、入居者情報が必要になってきますので、やむなく弊社が一軒一軒部屋を訪ねて、入居者から契約書のコピーをいただいたり、中には契約書を取り交わしていない住人もいましたので、契約を取り交わしたりするところから始めました。
俣野:契約を取り交わしていない?だったら、中抜きされていた可能性もありますね。
丸山:この物件ではありませんが、以前、別のオーナー様から「部屋が埋まらない」と相談を受けて現地に行ってみると、すでに入居者がいて、家賃を管理会社が着服していた、といった事例もありました。
俣野:その8人同居はどうなったのでしょうか。
Next: 他人任せはトラブルの素。最近増えている不動産投資トラブルは?
他人任せはトラブルの素
丸山:入国管理局にお願いしました。契約者自体は、正規の手続きで日本に来た人でしたが、契約違反ということで退去いただき、物件も無事、売却に至りました。
俣野:この事例から得られる教訓をお願いします。
丸山:オーナー様は、旦那様がお亡くなりになった後、下りた保険金をもとに、現金一括でこの物件を購入していました。売主は、倒産した不動産会社です。
「わからない」「自分は素人だから」などと言って、他人に任せっぱなしにしてしまうのはトラブルの元です。「最終的に、自分の資産を守るのは自分なのだ」という自覚を持つことが大切なのではないかと思います。
「リースバック」のトラブルにご用心
俣野:自宅を使って資金を調達する方法としては、リバースモーゲージが知られていますが、近年、増えているのがリースバックですね。
丸山:両者の一番の違いは、所有権が移転するという点です。
リバースモーゲージは、自宅を担保に資金を借り、毎月、利息だけを返済します。元金は、契約者様が亡くなった際に、自宅を売却するなどして一括返済する、という仕組みです。
一方、リースバックは、自宅を不動産会社などに売却して資金を得る方法です。介護や子供の教育費などで多額の資金が必要な際に利用する方が多く、30代~40代の方も多く利用されます。
自宅を売却後は、賃借人として物件に住み続け、家賃を不動産会社に払う、という仕組みです。今までと環境を大きく変えることなく資金調達できる、というのがリースバックの大きなメリットです。
俣野:最近、リースバックのトラブルが増えていると聞きますが。
丸山:よくあるのが、普通の賃貸借契約ではなく―― 有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』のテーマは、「マネーリテラシー」と「ビジネス」の向上です。世間では、「マネー」と「ビジネス」は別ジャンルで語られることが多いですが、マネーとはビジネスを通じてもたらされるのが一般的です。マネーリテラシーが向上すれば、あなたのビジネスにも好影響を与えますし、逆もまた然りです。 1人で副業を始めようと、仲間と一緒にプロジェクトを立ち上げようと、望む自由を手にするためには、自ら動的に行動し、今、目の前にある現実を少しずつ、自分の理想へと近づける作業が必要になります。当メルマガでは、そのための方法や考え方をお伝えしていきます。 さらに、メルマガの理解を深めるための特典をご用意しました。 有料メルマガ読者は、俣野成敏の公式HPに記載のある自社開催セミナーを何回でも無料でご受講いただけます。各セミナーは、私がこれまでビジネスオーナーや投資家として培ってきたエッセンスが詰まった内容です。 ●俣野成敏公式HP「セミナー情報」 ご用意しているセミナーを何度でもご受講いただくことで、ぜひそれらのノウハウをあなたのものにしていただければと思います。
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俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編
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』(2022年8月25日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部
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