ファイナンシャルプランナーとして講義をしていると、60代の受講者の方もよくみかけるようになりました。人生100年時代ですから、60代からの投資も必要でしょう。でも、60代から投資を始める人には、気になる傾向があります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
60代から投資をはじめても遅くない
私は60代から投資を始めても遅くはないと考えています。
なぜなら、その先30~40年も老後生活が続くのです。
私たちの寿命が延びたのですから、資産の寿命も延ばさないと、年々資産が減り続けるということです。
60代投資初心者がやってはいけないこと
なので60代の受講者さんも多いのですが、少し気になることも。
60歳で一旦退職して、退職金などが入ってきて手元に大きな金額がある方の場合、すべてを投資につぎ込もうとすること。
「早く資産を増やさないと!」
そんな焦りがあるのでしょう。
でもそれは、危険なのでやめてくださいね。
株式や投資信託などで運用していると
「やった!値上がりした!」とか
「値下がりした。このままで大丈夫かな……」
などと、価格の変動に一喜一憂するものです。
一番まずいのは、値下がりして怖くなり狼狽売りしてしまうことです。
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値下がりはチャンスでもある
価格が下がる時もあるから安く買えるわけです。
値下がりは怖いことでは、ありません。
安く買えるチャンスなんです。
ピンチはチャンスなんですね。
60代でも、10年、20年先に使うお金でしたら、長期で投資可能です。
70代まで、毎日でなくても週3日働いて、年金とアルバイトで生活を支え、80代からは資産を切り崩しても十分なのです。
長期で投資すると決めれば、一時的に景気後退によって株価が下落した時にも、やり過ごすことができます。
いままで投資をしたことがない人は、価格が変動する投資信託や株に慣れていません。
しばらくは、少額でやってみて大丈夫と思えるようになってから金額を増やしていってくださいね。
60代だから間に合わないと思わない。
長生きを楽しむためには焦ってはいけません。
ちゃんと間に合いますよ!
『教育貧困にならないために』(2022年9月23日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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