ファイナンシャル・プランナーとして講座を開くと「投資信託の売り時はいつですか?」とよく聞かれます。最近の下落相場に不安を抱いているようですが、投資信託は長期で行うべきもので、売り時というのは自身の目的で決めるものです。
(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
投資信託の売り時はいつですか?
「投資信託の売り時はいつですか?」
と、よく聞かれます。
そう聞かれた時に、私は
「なんのために投資信託を買いましたか?」
と、聞くのですが、明確な回答をいただくことがあまりありません。
目的もなく投資をしている方が多いのです。
しかも最近は「初心者=つみたてNISA」みたいな風潮があり、どんな制度なのか調べていないし、お勧めの銘柄をただ購入している方が多いのも事実です。
そういう方に
「なんのために投資信託を買いましたか?」
と、聞いても的を得た回答はありません。
大抵は
「お金を増やしたいから」
「老後のために」
という回答が多いです。
明確な目標を設定している方は少ないのです。
そもそも購入した理由が分からなければ売却する時期は、私には分かりません。
なぜなら、売却するのは「お金を使う目的がきた時」だからです。
投資信託は選び方が最も大事
「お金を増やしたいから」というのならば具体的な目標を立てましょう。
具体的に「2倍に増やしたい」のならば2倍になった時が売る時です。
「老後のために」というのならば、老後の楽しみのため旅行費用100万円など、具体的に決めていれば、100万円になったら売却したらいいわけです。
投資信託は、株式投資と違って基本的には、優良企業の株だけが残っていく仕組みです。
なので保有しているだけで増えていきます。
もちろん景気のステージによっては下がることもありますが、細かい上下を繰り返しながら増えていきます。
売り時を考えなくてはいけないような投資信託ならば、選び方の方に問題があるのです。
きちんと選んでいれば、売却するのは「お金を使う目的がきた時」です。
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投資信託は積立で長期間運用するのが必須
そして大前提として、投資信託を積立で購入するのならば、長期間の運用は必須です。
5年、10年、20年後の「お金を使う目的がきた時」に売却するというだけです。
私も来年購入する3回目のマイホームの頭金のために売却を始めています。
売却する時も一度に売却しないで、何度かに分けてくださいね。
『教育貧困にならないために』(2022年9月21日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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