ドル円の上値メドは112円前後、大きなドル安円高トレンドは115円を終値で超えない限り終焉しない――正五角形の黄金比率で相場を読み解く「ペンタゴンチャート」の第一人者・川口一晃氏による最新の各通貨ペア分析をお届けします。(☆ペンタゴンチャート分析<為替編>)
ペンタゴンチャートの見方
(1) ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
(2) 各点が変化日になる
(3) 各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
(4) 中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
(5) 時間の逆行は起きてはいけないこととされている
ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、豪ドル/円 各通貨ペア分析
米ドル/円(USD/JPY) 底堅い動きは続くのか
先週のレポートでは、ABラインに注目した。ABラインが下値支持線となれば、堅調な展開が続くからだ。実際には、ABラインを超えてもほぼ横這いの動きが続いている。次の注目日は6月1日前後である。
A点水準:約106円
B点水準:約110円50銭
C点水準:約13円50銭
D点水準:約111円
今週のポイントは底堅い動きはこのまま続くのかということである。
<あくまでも個人的見解>
B点に注目したい。先週末にかけてB点に引き寄せられた。よって、B点が変化日となり、通過後に新しい動きになっていくのか。新しい動きが顕著になるのであれば、上昇なのか、それとも下落なのか、ということである。
値動きのポイント
反発上昇のエネルギーの強い相場は維持されている。上値のメドは重要な節目の一つである112円前後を考えたい。再び下落エネルギーの強い相場に戻る条件は、赤丸水準の108円25銭を終値で割り込むことである。なお、大きなドル安円高トレンドは115円を終値で超えない限り終焉しないと考えている。
現在のシナリオ
底堅い動きが続く可能性はある。上値抵抗線BEラインを超えてきた。A点が位置する時間帯以降も堅調な展開が続いていることに加え、B点以降も先週末に陽線が出現しているからである。
第2シナリオ
上値が重たくなっていく可能性も出てきた。BEラインに沿って推移していくことも考えられる。C点が位置する時間帯を通過することで流れが変わることもあり得る。そして、上値も下値も右肩下がりに推移が続いているからである。
なお、MACDは緩やかながらも上昇トレンドが続いている。スローストキャスティックスの数値は買われ過ぎ状態である80%台に乗せた後、横這いとなっている。
ユーロ/米ドル(EUR/USD) 軟調な展開が鮮明に
先週のレポートでは、AEラインに注目した。AEラインを維持することで底堅い動きが続くことが期待されたからだ。しかし、実際にはAEラインから下放れ、赤丸水準であった1.115ドルを割り込み、下落エネルギーの強い相場に転換した。次の注目日は5月30日前後である。
A点水準:約1.125ドル
B点水準:約1.165ドル
C点水準:約1.085ドル
D点水準:約1.06ドル
今週のポイントは軟調な展開が続くのか否かということである。
<あくまでも個人的見解>
D点に注目したい。週明けにD点が位置する時間帯を通過する。したがって、流れが変わることで下げ止まることが出来るのか否かがポイントになるからだ。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場に転換した。下値のメドは1.09ドル前後を考えたい。なお、再度上昇エネルギーの強い相場へ転換するには赤丸水準の1.135ドルを終値で超えることが条件となる。
現在のシナリオ
軟調な展開が進む可能性がある。節目の水準であるAEラインから下放れてきている。AEラインを超えたとしても上値抵抗線であるBEラインが控えているからである。
第2シナリオ
下げ止まりから落ち着いた動きになる可能性も残っている。すぐ真下に下値支持線CEラインが控えていることから、D点が変化日となり流れが変わる可能性がある。また、下値支持線DEラインも存在しているからである。
なお、MACDは下落トレンドが続いている。スローストキャスティックスの数値はひと桁の売られ過ぎ状態で横這いに入った。
Next: ユーロ/円 正念場が続く|豪ドル/円 下値でのもち合い続く
ユーロ/円(EUR/JPY) 正念場が続く
先週のレポートでは、BDラインに注目した。BDラインを維持することが出来れば、下げ止まりから落ち着いた動きが続くことが期待されたからだ。実際には、BDラインの下方ではあるが、BDラインに沿った小動きとなっている。次の注目日は6月7日前後である。
B点水準:約123円
C点水準:約128円
今週のポイントは現水準を維持できるのか否かということである。
<あくまでも個人的見解>
BDラインに注目したい。引き続き、BDラインに注目したい。なぜならば、BDライン水準は下値の節目でもある。この水準、すなわちBDラインから下放れてしまうと、下値不安が広がることになるからだ。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場が続いている。下値のメドはもち合いが続いていることから、下放れら場合を想定し120円50銭前後を考えたい。反発上昇の強い相場になるには赤丸水準の124円50銭を終値で超えることである。更に本格的上昇相場に移行するには128円を終値で超えることが必要となる。
現在のシナリオ
軟調な展開が鮮明になっていく可能性もある。まず、BDラインの下方を推移している。また、C点が位置する時間帯を通過しても陰線が出現している。上値も右肩下がりに推移しているからである。
第2シナリオ
下げ止まりから落ち着いた動きになる可能性も残っている。同事線に似た小さなローソク足が頻発している。すなわち、流れが変わることが考えられる。下値支持線ADラインも控えているからである。
なお、MACDは横這い状態が続いている。スローストキャスティックスの数値は40%台での横這いから下落し始めた。
豪ドル/円(AUD/JPY) 下値でのもち合い続く
先週のレポートでは、ABラインに注目した。ABラインが上値抵抗線となり、軟調な展開がより鮮明になっていくのか否かがポイントになったからだ。実際には、ABラインを超えたのが、その動きは小動き、もち合いが続いている。次の注目日は5月31日前後である。
A点水準:約84円50銭
B点水準:約76円50銭
今週のポイントはこのままもち合いが続くのか否かということである。
<あくまでも個人的見解>
C点に注目したい。週明けにC点が位置する時間帯を通過する。もち合いが続いているだけに、変化日を通過する時間帯には注意をしたい。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場が続いている。下値のメドは76円50銭前後を考えたい。レンジ内の反発上昇エネルギーの強い相場への転換のポイントは赤丸水準の82円50銭を終値で超えることである。
現在のシナリオ
上値の重たい展開が続く可能性がある。B点が位置する時間帯を通過した後も上昇することなく推移している。上値抵抗線ADラインが控えている。そして、もち合いもゆっくりと右肩下がりに推移しているのも気になる。
第2シナリオ
下げ止まりから落ち着いた動きになっていく可能性も残っている。B点が位置する時間帯を通過した後は同事線が出現している。しかも週明け早々には変化日を迎える。よって、流れが変わる可能性もあるからだ。
なお、MACDは横ばい状態が続いている。スローストキャスティックスの数値は緩やかながらも上昇が続き、30%台に乗せてきた。
Next: ポンド/円 節目が立ちはだかる|トルコリラ/円
ポンド/円(GBP/JPY) 節目が立ちはだかる
先週のレポートでは、ADラインに注目した。下値支持線になったADラインを維持することで、底堅い動きが続き、節目を超えていくことの期待を持てたからだ。実際には、節目を超えることは出来なかったが、ADラインを維持して先週末の取引を終えている。次の注目日は6月10日前後である。
A点水準:約159円
B点水準:約164円
今週のポイントは節目を超えることは出来るのか否かということである。
<あくまでも個人的見解>
BDラインに注目したい。節目を超えるのであれば、上値抵抗線であるBDラインを超えていく必要があるからだ。逆に、超えることが出来ない限り下値でももち合いの中での推移となる。
値動きのポイント
反発上昇エネルギーの強い相場は維持されている。下落エネルギーの強い相場に転換するには、赤丸水準の157円を終値で割り込むことである。なお、本格的な上昇エネルギー相場へと転換するには節目の164円50銭を終値で超えることが必要となる。
現在のシナリオ
底堅い動きから節目を超えていく可能性は残っている。まず、下値支持線であるADラインを維持している。A点以降、そしてB点以降も右肩上がりに推移している。そして、トリプルボトムを形成している可能性もあるからだ。
第2シナリオ
上値が重たくなっていく可能性が出てきた。上値抵抗線BDラインが効いている。しかも、先週末にC点が位置する時間帯を通過したのだが、通過後に値を下げてきている。そして、上値抵抗線CDラインも控えているからである。
なお、MACDは上昇トレンドが続いているのだが、MACD自体はほぼ横這いとなっている。スローストキャスティックスの数値は買われ過ぎの80%台に乗せた後に横這いになりつつある。
今週のペンタゴン(トルコリラ円)
『☆ペンタゴンチャート分析<為替編>』(2016年5月29日号)より
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