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設置費用623万円「ミャクミャク」像に傷発見で俄然騒ぎ出す維新。“万博反対派=犯罪者”との印象操作を目論む姑息な行為だと批判が噴出

大阪市役所の前に設置されていた万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の像に、複数の傷が付けられているのが発見されたことが物議を醸しているようだ。

報道によれば、傷はモニュメントの顔の側面に数か所あり、傷の大きさは最大で14~15cm。12日午後11時ごろ、警備員が巡回した際に異常はなかったが、13日の午前6時ごろに傷がつけられているのを警備員が発見したとのこと。

これに対して、大阪府の吉村洋文知事は自身のX(旧ツイッター)で「どんな理由があったとしても、これは暴力行為であり、犯罪行為です。許されるものではありません。残念です。」と反応。大阪府と市は、モニュメントが故意に傷つけられたとして、警察に器物損壊容疑で被害届を提出し、受理されたという。

維新議員らが“犯人は万博反対派”と決めつけ?

昨年11月末に、万博開催500日前を記念したイベントでお披露目されたというミャクミャクのモニュメント。

涅槃仏のように寝ころんだ体勢のこの像は、高さ約2m×幅約3mの大きさで総重量は1170kgというビッグサイズで、イベント後は大阪市役所の正面玄関前の野外エリアに設置。このように屋外に設置されることを見越して、素材は風や紫外線などに対して耐久性のある強化プラスチックを使用していたということだ。

しかしながら、設置からわずか3か月半でこのような事態が発生し、ある意味で“万博の顔”といった存在に傷を付けられたとして、大阪府や市は怒り心頭……ということで、早々と器物損壊容疑で被害届を提出といった流れとなったようだが、それと並行してこの件の犯人を“万博反対派”だと早々と決めつける発言が、日本維新の会の所属する複数の議員から発信されたことも、大いに物議を醸しているところである。

パビリオン建設の大幅な遅れに参加国の激減や規模の縮小、さらに膨張し続ける開催費用も、かねてから問題視されていた大阪万博だが、今年早々には能登半島地震が発生したことで、被災地復興と万博との両立は現実的に可能なのかという声もあがることに。

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さらに最近では、万博会場のシンボルとされる「大屋根(リング)」の存在が邪魔して、リングの内側にあるパビリオン等の建設が遅れてしまう可能性があるという、まさかの懸念まで取沙汰されるなど、開幕までそろそろ1年に迫ろうかというこのタイミングでも、万博の開催に反対する意見が絶えないといった状況だ。

維新サイドとしても、そんな“反対派”の声に大いに憂慮しているであろうタイミングで起きた今回の事件なわけだが、仮にその犯人が万博に対して批判的姿勢の者だったとすれば、そういった立場の人間らが“無法の輩”だとする、いわゆる“万博反対派=犯罪者”といったレッテルを貼ることができ、今後の万博への批判的意見を封じる、ある種のカードにもなり得るといったところ。

……そう考えての、先の維新議員らによる“犯人決めつけ”のようだったのだが、さすがにまだ被害届を出したばかりの段階での決めつけには「先走りがすぎる」との声が多数あがることに。さらには「反対派と犯罪を結びつける印象操作の姑息」「市民の分断を煽るやり方」などと、維新の姿勢に対しての批判の声がかえって渦巻く展開となっているようだ。

巨大モニュメントの設置費用も知れ渡ることに

いっぽうで、今回傷を付けられてしかったミャクミャクの巨大モニュメントの製作や設置なのだが、いわゆる万博の機運醸成事業の一環として、大阪市内の沿道におけるバナーフラッグの掲出などとともに、大日本印刷が総事業費約9,471万円で請け負ったものだという。

ちなみにミャクミャクの巨大モニュメントに関しては、製作費にくわえ運搬費や設置費も含めて623万3,700万円の予算がかかっているようだ。

この情報公開自体は、すでに昨年12月の段階で行われていたようで、その当時はさほど関心は持たれなかったものの、今回の事件を受けて一部のメディアが“設置費用623万円”と報じたことで広く知れ渡ることに。SNS上からは「そっちに驚くわ」「血税のムダ使い」「623万円もするのに公園の遊具よりも塗装が弱過ぎる」といった批判の声があがっているようだ。

先述の通り、万博の機運醸成のために作られたというミャクミャクの巨大モニュメントだが、623万円という費用に見合う効果があったかどうかは、評価は分かれるところ。とはいえ少なくとも今回の件で、その存在が期せずして広く知れ渡ることとなったことは、間違いがなさそうだ。

Next: 「こんな場所に無防備で置いてるのもあかんやろ」



ツイッターの反応

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Image by:Mirko Kuzmanovic / Shutterstock.com

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