海外メディアでは4月10日に予定されている日米首脳会談に合わせ、両国が1960年の安保改定以来で最大の防衛関係の見直しを計画しているとの報道が出ています。国民に事前になにも知らせないまま、この岸田首相はまた対米従属の約束をバイデンに差し出すつもりのようです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2024年3月31日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
岸田首相「国賓訪米」で何を差し出すのか?
2024年度の予算案が国会を通過したことで、岸田首相はなんら裏金脱税議員に対する処分も明かにしないまま無理やり問題解決をはかろうとしていることが丸わかりで、ご本人のここからの最大のテーマは9日から国賓待遇で行う「訪米」にシフトしはじめているようです。
しかしこの訪米、国賓としてバイデンから歓待を受けて、議会で記念演説をさせてもらって「ああよかった」というほど単純なものではない様子。
国民に事前になにも知らせないまま、この泡沫首相はまた対米従属の約束をバイデンに差し出すつもりのようです。
今度は戦後最大の「日米新防衛協定」締結か
英国フィナンシャルタイムズは3月末の記事として、この4月10日に予定されている日米首脳会談に合わせ、両国が1960年の安保改定以来で最大の防衛関係の見直しを計画していると報じています。
つまり、これこそが岸田首相のバイデン大統領への凄まじく大きな「手土産」で、勝手に防衛予算倍増を閣議決定した昨年に加えて、さらに日米の防衛協定を強化し、米国からの軍事品の購入を加速させようとしていることがうかがわれる状況となってきています。
今のところ海外メディアはこうした状況を伝え始めていますが、公式発表はまったく行われず、恐らく岸田首相はまた議会にも国民にも事前に何も知らせずに、こうした重大発表を独断で実施してしまうつもりなのでしょう。
しかし現在の政治状況を考えてみますと、これは日米双方ともに大きな違和感を覚えるものがあります。
バイデン氏は大統領選落選レームダック、岸田氏は最低支持率で辞任秒読み
足元の米国大統領選挙戦では、民主党が司法を利用してトランプの出馬を目いっぱい邪魔してきたものの、結局、出馬を阻止することはできず、バイデンは現職であるにもかかわらず支持率であきらかにトランプに劣勢の状況に陥っています。
本来は裏の司令塔であるオバマが別の候補を突然立てるのではないかとも思われていましたが、どうもこの老人を鼓舞して選挙戦を戦うしかない状況に追い込まれているようです。
「もしトラ(もしもトランプが再び大統領になったら)」は、一段と「ほぼトラ」に近づいており、今年11月の選挙でバイデンが完敗すれば即座にレームダック化し、来年2月にはトランプ政権が再スタートになりかねない状況です。
一方、本邦では岸田首相は何をやっても国民の信頼が得られず、とくに裏金・脱税議員に対して厳しい態度を取らない、背後にいる最大のガンである森元首相からの厳しい事情聴取を行わずに無罪放免としており、本人がしきりに信頼回復に努めるといっても、まったくそうした状況には至っていないことが非常に危惧されます。
そんな中でまたバイデンにそそのかされて、いいように米国の都合に合わせた対米従属戦略を加速させ、防衛費だけが国の予算の中で突出してしまうことを本当に国民は許せるのか、いや許していいのかが最大の問題になりそうです。
Next: 続く対米従属。日本も戦争の片棒を担ぐことに…
日本も戦争の片棒を担ぐことに
先述のフィナンシャルタイムズの報道では、在日米軍の機能を拡充することで「中国の脅威」に対応し、台湾有事の際などに円滑な連携を可能にするのが目的とのこと。
岸田訪米時には米軍と自衛隊の連携を強化するため、在日米軍司令部の再編を発表することも予定されているようで、日本はどんどん米国の傘下で戦争に直面する危険性が高まることになります。
岸田首相はとうとう日本が米国をサポートする時代が到来したなどと妙なことを口走っていますが、新たに発生する費用はすべからく日本持ちであることを示唆しており、防衛費の枠組みの外側で米国の在日軍隊を維持するための多額の資金提供を余儀なくされることは間違いない状況のようです。
また岸田政権が閣議決定でさっさと決めてしまった日本がイギリス・イタリアと共同で開発する次期戦闘機の第三国への輸出についても当然、背後に米国の差し金が動いているのは明白。
憲法違反だろうが前例を見ない防衛費の増額だろうが、もはや岸田首相はやりたい放題の状態を迎えていることが見えてきます。
植田日銀の大規模緩和維持政策は岸田政権への防衛財政ファイナンスのため?
日銀・黒田総裁時代の異次元緩和は、3月の政策決定会合での「マイナス金利の解除・YCCの撤廃・日経ETF買いの終焉」でいったんは幕を閉じたかのように見えます。
しかし、実際のところ日銀は国債の買い入れをすべて終焉したわけではなく、植田体制になっても結局、大規模緩和維持政策が続いています。
これも見方によっては、岸田政権への財政ファイナンスの継続にも見えます。防衛増税で賄えない部分は結局、日銀が財政ファイナンスで補うことになるのではないかという疑惑も高まる一方の状況です。
確かに中国との向き合い上、日本をどう戦争から回避させるかは相当に大きな問題です。ウクライナの次に極東で危ないのは“台湾”であり、「中国が明日にも攻めてくるかもしれない」という米国一流の本邦への恫喝を、どこまで真に受けるのか。単に米国に従うだけではなく、事前外交を含めて中国とどう向き合うかを、戦争前にもっと真剣に考えるべき状況にあることを痛感させられます。
米国は日本に対してしきりに中国リスクを煽ってきますが、バイデン政権でもイエレンなどはなんとか中国との関係をつなぎとめるために積極的に動いていますし、トランプが次期大統領になれば中国との関係もかなり変化し、経済での対立はあっても政治・軍事的な対立は大きく回避される可能性も残っています。
ほとんどの国民からそっぽを向かれてまったく支持されていない岸田泡沫政権が、ここで勝手に振る舞って余分な条約を締結し、払わなくてもいい防衛装備品の購入に前のめりになるのはいかがなものでしょうか。
個人的には違和感しか残らない状況に陥っています。
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2024年3月31日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 来年のこの時期もういないかもしれない米国大統領と日本の泡沫首相が 結ぶ戦後最大の防衛条約(3/31)
- さあ新年度、貴方の会社にもQuiet Quitting・静かな退職の新人が配属されるかも(3/30)
- 日銀のマイナス金利解除で本邦にも久々に有金利時代が本当に復活するのか(3/24)
- ギャンブル依存症ってそんなに多いものなのか?水原一平通訳の突然解雇からみえてくるもの(3/23)
- キリンだけじゃない~老害発言の成田悠輔を農水省・財務省が広報活動に利用の体たらく(3/17)
- 頂き女子りりちゃん懲役13年求刑でも政治資金頂き女子昭恵ちゃん無罪放免の理不尽(3/16)
- 東日本大震災から13年、いま首都圏大震災が起きたら最も危険なのは岸田政権の存在という体たらく(3/11)
- 米・ビクトリアヌーランド国務次官補の辞任ではじまるウ国の大変化(3/10)
- アップルのEV開発中止・資源を生成AIに集中する戦略は本当に正しい判断か(3/9)
- 足元の自民党議員の政倫審とロッキード事件、ダグラスグラマン事件の国会証人喚問と比較してみると有権者もメディアも舐め切っていることが見えてくる(3/3)
- この国の人口減少は実はもう食い止められない ~移民で国は残っても日本人は絶滅危惧種の運命か(3/2)
- 国税当局の諸氏の皆様、今こそ自民党国会議員、県知事等への合法的税務調査を断行すべきです(2/25)
- 本邦のウ国対応はこのままでは全く機能しない可能性あり(2/24)
- 統一教会を裏切るとどうなるのかが露呈した盛山文科大臣への報復攻撃 ~岸田派まさかの根絶やしも十分にありうる教団の底力(2/18)
- 本邦まさかのテクニカルリセッション入り~これ間違いなく岸田政権の失政の結果(2/17)
- 2億回の再生回数を記録したタッカーのプーチンインタビューが意味するものとは(2/12)
- 今頃週刊文春のインタビュー記事を出してきた元電通の高橋~墓場まで秘密を持っていくはずではなかったのか?その宗旨替えの背景を探る(2/11)
- 壊せる所は悉く破壊してしまった岸田政権~さしもの米国も自民党の粛清と政権交代に直接手を突っ込んでくるか(2/10)
- プーチンのインタビューに成功しタッカーカールソン~米国はネオコン中心に大騒ぎの状態に(2/7)
- いよいよ始まる確定申告~各地の税務署は裏金国会議員の完全脱税状態に対する国民の怒り爆発を果たしてなだめることができるのか(2/4)
- ウ国の現実を掌握できないガキ使岸田政権~闇雲な保障で前代未聞の事態に発展か(2/3)
- 陰謀論渦巻すぎの2024年米大統領選挙~我々は何が事実なのか見極める必要あり(1/28)
- 自らの政権さえ延命できればあとは野となれ山となれ~岸田首相のこの戦略を理解するとすべての政権運営が見えてくる(1/27)
- とうとうバイデン24年大統領選ステップダウン確定でレイムダック化 ~取巻きに徹したご機嫌とりの岸田も一緒に御用納めか(1/21)
- 政界裏金疑惑で完全に国民の期待を裏切った検察で残ったのは凄まじい税負担の不公平さ(1/20)
- 岸田政権で爆誕した激甚災害下級国民見殺し社会~これは能力不足かわざとなのか(1/14)
- 米英のイエメン空爆を支持した岸田政権が直面する盲目的対米従属の大きな犠牲(1/13)
- 松本人志の性加害問題を劇的な幕切れに追い詰めるのは番組提供スポンサーか(1/7)
- 政治資金は総裏金化、国家予算も予備費で議会スルーで本邦は本格裏金公然化社会に突入(1/6)
- いよいよ始まる新型NISA 仕組は改善されても最大の問題は開始時期(12/31)
- 岸田は戦後78年で最も米国の属国化を実現してしまった最悪の首相(12/30)
- 安倍派とはつまり裏ガネノミクスで繋がった低レベル集団 ~カネの切れ目が縁の切れ目で雲散霧消は時間の問題(12/24)
- 死んでも首相を辞めなさそうな岸田氏は令和の木口小平をめざしているのか(12/23)
- パー券5枚買ったら桜を見る会1名御招待だと? 首相主催の国のイベントを販促利用した安倍派の悪辣さ(12/17)
- 戦費が枯渇で戦争続行不能のウ国~終戦か敗戦かを模索する時期が到来(12/16)
- 過激に進む検察の安倍派殲滅戦 どこまで立件しぶち壊すのか興味津々(12/10)
- アベノフタがとれてから1年半なぜ今岸田と壺カルト友好団体との面会が露見したのかの不思議(12/9)
- 合法的に無課税・匿名で資金を集める政治資金パーティという醜悪なビジネスモデル(12/3)
- この国の相続のベストプラクティスは政治団体を設立しそれを相続することなのか(12/2)
- 本邦の自動車メーカーはとうとう日本市場向けのクルマを作らなくなった? トヨタ新型クラウンに見る驚きの国内市場ガン無視スペック(11/26)
- とうとう民放在京キー局最下位の視聴率となったCX~振りむいてもTXはもういない驚愕の自滅的低迷状況(11/25)
- 人の口に戸は立てられぬを自ら示現して見せた元東京五輪招致推進本部長・馳氏のネガティブな功績(11/19)
- 米国の言うことをなんでも聞く岸田首相のガキ使外交こそこの国の安全保障上の最大のリスク(11/18)
- 村議会から国会までこの国で議員を名乗る輩には厳罰付の行動・倫理規定の施行が必要(11/12)
- ブランドマネジメント視点から見た岸田首相の大失敗~企業や商品ならとっくの昔に終焉(11/11)
- 28年前の東京都民による世界都市博開催中止という賢い選択を今更振り返る(11/5)
- 今更顕在化するアベノミクスの大失敗~これを誰が真摯に認め修正していけるのかが大問題(11/4)
- モビリティショーから見えてこない日本の自動車産業の明るい未来(10/29)
- ショート動画に視聴者シフトで泡沫YouTuber一斉駆逐の危機到来(10/28)
- 低支持率に喘ぎ終焉間近にみえる岸田政権〜しかし歴代自民党政権、下にはさらに下があった(10/22)
- とうとう本邦でも始まるライドシェア〜周回遅れの本邦で本当に上手くローンチできるのか?(10/21)
- 日本国民を翻弄する消費税というとめどもない徴税の仕組み〜これを考え直す時期がすでに到来している(10/15)
- 日本人が最も苦手な中東、パレスチナ、イスラエル情勢に対する理解〜我々はこの戦争をどう理解し態度表明するか相当深刻な状況に直面(10/14)
- 稀代の強姦魔・ジャニー喜多川が豚箱入りを免れた強姦罪という社会不適合法律の存在(10/8)
- 劇的円安放置国家ニッポンで中級以下の国民は総じて貧乏に(10/7)
- 一大万引き大国と化した米国〜今年の被害総額は昨年の14兆円を大幅に上回る勢いに(10/1)
- NHKが決定した番組制作でのジャニタレ排除〜果たして年末ジャニ抜き紅白で番組は成立するのか(9/30)
- ジャニタレCM降板騒動で改めて顕在化したタレント広告大国ニッポンの異質〜これって結局ガラパゴス(9/24)
- 夏の終わりにインフルエンザ異例の大流行〜新型コロナから一周廻って結局手洗いとマスク着用が重要という対策の体たらく(9/23)
- 党内の競争環境徹底排除で劣化政権延命戦略を繰り出した岸田首相の驚きのやり口(9/17)
- 若い頃から立身出世を夢見た佐川宣寿氏が掴んだ首相忖度による醜いキャリアパス(9/16)
- いよいよ顕在化しはじめた私大定員割れ時代〜この先若者はどう学校を選ぶべきなのか(9/10)
- ジャニーズビジネスの終焉は結局大手広告主の広告契約打ち切りが端緒(9/9)
- 日本人がもっと知らなくてはならない外資への事業売却のリアルな惨状(9/3)
- 性嗜好異常のジャニー喜多川は美少年性的暴行主目的で芸能事務所を開業していた?(9/2)
- 世界が期待したのは技術立国日本が開発する画期的な放射能除去装置 〜海洋投棄を前提にした申し訳程度の処理水の生成ではない(8/27)
- 今や破たん申請寸前のウィーワークとは一体なんだったのか?(8/26)
- 猿山でも決められるボスが決定しない安倍派 〜100人の組織に6名の集団指導体制の体たらく(8/20)
- 史上最大のデフレ国へ転落する中国〜この国はここからどうなってしまうのか(8/19)
- ついに始まる人口減少・後継者激減による墓じまい〜我々は永眠先も失うのか(8/13)
- 安倍国葬から一年 〜招待者の74%が不開示という不可解な黒葬だったことが判明(8/12)
- ツイッターで判ったSNS突然変貌時代の幕開け 〜我々はデジタルインフラの変化と消滅の時をどう生残るか(8/6)
- ジャニー喜多川の性加害国連人権理事会の専門家も深く憂慮と発言 〜被害者・元ジャニタレの告白で合宿所がとんでもない場だった事も判明(8/5)
『
今市的視点 IMAICHI POV
今市的視点 IMAICHI POV
』(2024年3月31日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
今市的視点 IMAICHI POV
[月額880円(税込) 毎週土・日曜日 発行予定(祝祭日・年末年始を除く)]
これまで今市太郎の戦略的FXというタイトルのメルマガで様々なテーマを扱ったメルマガを展開してご好評をいただいてきましたが、今回FXとは別に金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースやトピックスをテーマにしてメルマガを発行してほしいというご要望にお応えして独自の視点で問題や先行きを切り込んでいくべく新たなメルマガを発刊いたしました。その名も今市的視点。内容的には当然金融市場をはじめ世界・国内経済、政治、政権、様々な業界、個別企業など幅広い領域から注目すべきトピックスについて解説を加えてまいります。相場が動かない土日を中心にして配信し、すぐに扱いたいテーマは号外の形で配信を予定しております。