マネーボイス メニュー

バングラ邦人殺害テロ 日本を敵と見なすイスラム国「宣戦布告」の中身=不破利晴

バングラデシュ邦人殺害テロが日本列島を震撼させている。イラク戦争の自衛隊派遣以来、日本はISを始めとするテロリストから「攻撃すべき欧米の一員」と見なされるようになった。(『インターネット政党が日本を変える!』不破利晴)

※本記事は、『インターネット政党が日本を変える!』2016年7月4日号の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です

もはや神話でしかなくなった「日本人は撃たれない」の常識

これは日本人にとっての悪夢の始まりだ

第1のダッカ事件は日本人による、いわば「テロ」と評するに相応しい事件であった。今から遡ること39年。1977年に起こったこの事件では、日本赤軍が日航機をハイジャック、バングラデシュの首都ダッカに強制着陸させた。拳銃、手榴弾で武装した日本赤軍の犯行グループ5名は、乗客142名、乗員14名の身代金として600万ドル(当時の日本円で約16億円)、合わせて服役中の新左翼系武装組織メンバー9名の即時釈放を要求した。

これに対し、当時の福田赳夫内閣は犯行グループの要求に屈し、身代金の支払い、及び超法規的措置として獄中のメンバーの引き渡しを行った。この時の名言(迷言)が「一人の生命は地球より重い」──であった。

そして今回の第2のダッカ事件である。バングラデシュの首都ダッカの高級住宅街、グルシャン地区にあるレストラン「ホーリー・アルティザン・ベーカリー」でそれは起きた。

【関連】裏切りの安保理決議~成金国家・中国のミサイルが東京に着弾する日=不破利晴

まず、3~4人の男が「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫び、空に発砲するのを見た。いずれもTシャツやジーンズ姿の20代前半ぐらいの若者で、片手にマシンガンやライフル、片手に長さ1メートルぐらいの刃物を持っていた。

1人が門から店の敷地に入ると、すぐ近くにいた日本人男性が「私は日本人だ!」と英語で3回叫び、「どうか、撃たないでくれ」と懇願していた。男たちは屋外席にいた客らに発砲すると、店内に入った。

やがて到着した治安当局との銃撃戦が始まり、テロリストが投げた爆弾で多くの警官が負傷し、叫び声が響いた。犠牲者の遺体が床に並べられ、「まるで地獄のようだった」と語った。

出典:「日本人だ、撃たないで」 屋外席の客に発砲 ダッカ – 朝日新聞

このレストランを襲った武装集団(イスラム国(IS)の関与が濃厚とされるが)は20名を殺害、そのうち7名が日本人という驚愕の事実が日本列島を震撼させている。犠牲者はJICA(国際協力機構)の委託を受けた日本のコンサルティング企業の社員である。

JICA関係者が殺害されたことを受け、記者会見に臨んだJICAの理事長である北岡伸一元国連次席大使・前国際大学学長が、安倍政権下で集団的自衛権を容認した御用学者というのは実に皮肉なことである。

どんなに威勢よく集団的自衛権なるものを連呼したとて、テロとの戦いにおいてはまるで無力なことを北岡氏自身が体験することになったからだ。

そして象徴的なことは冒頭の記事にもあるように、「日本人だ、撃たないで」にも現れている。この「日本人は撃たれない」といった概念は20年前だったら有効だったかもしれないが、残念ながら今では“神話”でしかない。この辺の認識がいまだ日本人は決定的に欠けているのかもしれない。

Next: イスラム国が主張する「安倍晋三による軽率な十字軍支持」とは?



「日本政府に告ぐ。お前たちはまだ理解していないようだな」

イラク戦争で初めて自衛隊を派兵して以来、日本はイスラム国を始めとするテロリストから「攻撃すべき欧米の一員」と見なされるようになった。そして、これを初めて明言したのが後藤健二・湯川遥菜両氏を殺害したイスラム国のテロリスト、ジハーディ・ジョンであった。

日本政府に告ぐ。お前たちのような悪魔の連合に加担する馬鹿な同盟国は、まだ理解していないようだな。安倍よ、勝機のない戦争に参加することにしたお前の無謀な決断により、このナイフは健二を虐殺することになるだけではない、これからも続くのだ。さあ、日本にとって悪夢の幕開けだ。

同様の宣戦布告は、イスラム国の機関紙『DABIQ』(ダービック)でも早々に表明されていた。まさに、日本にとっての悪夢が始まったようである。

The relatives of Kenji Goto Jogo and the murtadd pilot have no one to blame but the political leaders of their lands who strive to appease and serve the American crusaders.

Prior to Abe Shinzo’s thoughtless pledge of support for this crusade, Japan was not on the list of priorities to be targeted by the Islamic State, but through Abe Shinzo’s foolishness, all Japanese citizens and interests – wherever they may be found – are now a target for the soldiers and patrons of the Khilafah everywhere.

Japan is now in a complicated predicament. How can it escape this threat? Can Abe Shinzo take the step to save his people whom he recklessly exposed to the wrath of the Khilafah? Can he bravely announce the halting of his support for the war against the Khilafah after making his infamously unwise announcement against the Islamic State? That is very doubtful…

So let his citizens know that the sword of the Khilafah has been unshe athed against the pagans of Japan by Allah’s might and power…

後藤健二と異端のパイロットの親族たちは何ら責められるべきものではないが、アメリカの十字軍にこびへつらい、言いなりになっている彼らの国の政治指導者たちはそうではない。

安倍晋三による軽率な十字軍支持の表明まで、イスラム国がテロの標的とする優先順位リストに日本は存在しなかった。しかし、安倍晋三の愚かさのせいで全ての日本国民とその関係者は、どこにあろうと彼らは見つけられるだろうが、ヒラーファの兵士たちとその支援者たちにとって、今や標的となったのである。

日本は現在、困難な状況に置かれている。果たしてこの脅威から逃れることができるだろうか? 無謀にもヒラーファの逆鱗に触れた安倍晋三は、日本の人々を救うために対策を講じることができるのだろうか? 彼はイスラム国に対し、不名誉で思慮に欠ける声明を発信してしまった後で、ヒラーファに対する戦争支持を止めるという勇気ある声明を出すことができるか?……それは実に疑わしいことだ。

よって、日本の異教徒に対し、アラーの権力と力によってヒラーファの剣が抜かれたことを知らしめてやろう。

※ヒラーファ:イスラム教で言うところの預言者の代理人。カリフとしての資格を持つ者


※本記事は、『インターネット政党が日本を変える!』2016年7月4日号の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です

【関連】アベの知らない物語~オバマ広島演説に垣間見たアメリカの「世界観」=不破利晴

【関連】頭が悪いのに勉強しない。“アベ化”する世界と日本人の行く先=不破利晴

【関連】NHKが報じなかった熊本地震~「活断層の先」にある原子力発電所の危うさ=不破利晴

インターネット政党が日本を変える!』(2016年7月4日号)より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

インターネット政党が日本を変える!

[月額540円(税込) 毎週火・木曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」驚かせてすみません。私は不破利晴と申します。私は、元駐レバノン特命全権大使・天木直人氏と共に、「インターネット政党」の成功に向けて活動しています。インターネット政党『新党憲法9条』のWebサイトをつくり、日々の運用管理をしています。想像して欲しいことがあります。→「毎日働き詰めで辛くありませんか?」→「生きることに目的を見失って辛くありませんか?」→「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」インターネット政党の主役は「あなた」です。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。