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インデックス投資は「手応えゼロ」で挫折する。20年走り続けるための「配当」という精神安定剤=鈴木傾城

配当株かインデックスか──投資家の間で繰り返されてきた論争に、「どちらか片方を捨てる理由などない」と一石を投じる考え方があります。理論上の最適解であるインデックス投資には、20年間何も手に入らないという「手応えのなさ」ゆえに挫折する落とし穴が潜んでいるからです。(『鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編』鈴木傾城)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

インデックス投資だけでいいのか?長期投資を途中で失敗させないための私の方法

投資家には「生態系」があって、成長株が好きな投資家もいれば、インデックスが好きな投資家もいれば、配当株が好きな投資家もいる。あるいはトレードが好きな投資家もいれば、長期保有の投資家もいる。

それぞれが「自分のやり方がすぐれている」と主張しているのだが、個人的にはどれでも自分に合った好きなものを選べばいいと思っている。

私が好きなのは、「配当株」と「インデックス」である。意図したわけでもないのに、気がつけば私のポートフォリオはこの2つに集約されていると言っても過言ではない。では、この2つが1つに集約されることがあるのだろうか?

私はどちらも好きなので、集約することはない。両方、長期で保有する。世の中はこの2つは明確に別種のものだとして、どちらが優れているかの論争もあったりするのだが、それは私の関知するところではない。

インデックス派と配当派の論争

ちなみに、インデックス投資を支持し、配当株を嫌う投資家の主張は「税金」にある。配当を受け取れば、その瞬間に税金が引かれる。

日本の課税口座では、配当に対して約20%の税が課される。米国株の配当であれば、まず現地で10%が源泉徴収され、その残りに日本の税がかかる。つまり配当を受け取るたびに、本来なら複利で増えていくはずだった資金が確実に削られていく。

「それならば配当を出さずファンド内部で再投資されるS&P500連動の投資信託を持ち続け、資金が必要になったときに必要な分だけ売却すればいいではないか……」
これがインデックス投資を支持する投資家の主張である。

一方、高配当株投資を支持する側の反論も、それなりに筋が通っている。取り崩しは、言葉で言うほど簡単ではない。積み上げてきた資産を自分の手で削るという行為には、強い心理的抵抗がともなう。

しかも下落相場のさなかに取り崩せば、安くなった価格で株数を減らすことになる。配当であれば株数を1株も減らさずにキャッシュが入ってくる。どちらがいいのか、という話である。

私は、理論上の最適解であるインデックス投資と、感情を安定させる配当という現金収入の2つを対立させるのではなく、役割を分けて同時に持てばいいという考えだ。どちらか片方を捨てなければならない理由など、どこにも存在しない。

Next: 配当株には感情的リターンがある?



配当株には感情的リターンがある?

人間には「感情」がある。投資家も然りだ。インデックス投資の弱点は、成績ではなく、「手応え」がまったくないことかもしれない。

たとえば、【VTI】や【VOO】、あるいは全世界株のインデックスファンドを積み立てていても、日々起きることは口座の評価額が上下する「だけ」である。1年経っても2年経っても、投資家の手元には1円も入ってこない。

増えているのはあくまで画面上の数字であり、その数字は売却するまで使えない。

遠い未来には大きな報酬が待っているのだからこれはこれで最適解なのだが、その遠い将来というのは10年も20年も30年も先である。それまでは手に入るものは何もない。画面上の評価額の増減だけだ。

遠い遠い未来まで手取りの報酬がゼロという状態に耐えられる人間は多くないのではないか。ダイエットや語学学習が続かないのとまったく同じ理由で、こうした投資もある日ぱったりと止まるのは、まさに「何も手に入らないから」でもある。

しかも悪いことに、評価額というものは、上がっているときには実感を生まないくせに、下がったときだけ強烈な痛みを生む。

つまりインデックス投資家は、喜びが小さく痛みが大きいという不利な条件のもとで、20年間走り続けることを求められている。理論が正しくても、途中で精神的に耐えられなくなったら終わりである。投資は挫折する。

おまけに、出口戦略も簡単ではない。取り崩し戦略として知られる「4%ルール」は、退職時点の資産の4%を初年度に引き出し、以後は物価上昇に合わせて調整しながら取り崩していく方法である。

たしかに計算上は成立する。だが実際に始めてみれば、それは毎年自分の資産を売って減らしていく作業にほかならない。30年かけて増やす訓練を積んできた人間が、ある日を境に減らす行為へ頭を切り替えられるかというと、これがきわめて難しい。

インデックス投資を投げ出す人が続出するのは無理もないと私は思っている。だから、私は「配当株」を保有している。

Next: 「成長エンジン」と「配当エンジン」



「成長エンジン」と「配当エンジン」

配当は「目に見えるマネー」である。それは、年4回、あるいは年2回、口座に現金が振り込まれる。金額そのものは小さくても、それは評価額ではなく「実際に使える現金」だ。税金は取られるかもしれないが、それでも「現金」である。

これを受け取るのに株数は1株も減っていない。取り崩しせず、投資の成果が生活へ還元される。私は高配当株から入ってくる配当を、はっきりと自分の満足感の源として位置づけている。

インデックス投資をする人間からは「税金を取られて損しているのだから非合理だ」と批判されるかもしれない。たしかに理論上は非効率だ。しかし、私はコアで買った株式は「ほぼ売らない」のだ。それなら、ちょっとした「よろこび」が欲しい。

それが「配当」だ。

だが、確かに「非効率」というのも一理ある。だとしたら、配当株とインデックス投資のハイブリッドであれば文句はないだろう。それは意図したわけではないのだが、私のポートフォリオは自然とそうなっている。

悪い話ではない。インデックスは「成長エンジン」としても機能するので、資産の総額を膨らませていくのはインデックス投資に任せておけばいい。高配当株は「配当エンジン」として温存しておき、現金を集めておく。

集まった現金は、もし消費に使いたいのであれば証券口座から下ろせばいいし、より大きな配当を得たいのであれば、同じ銘柄に再投資すればいいし、あるいはその時々で投資したい個別銘柄があれば、そこに投資してもいい。

「現金」を手に入れることによって、いろんな選択肢が使えるようになる。

さらに言えば、配当株は下落相場においてポートフォリオの「守り」にもなってくれるのも心強い。高配当株は下落相場で株価が下がらない、というわけではない。局面によっては指数以上に叩き売られることもある。

だが、相場が下落しても投資家は配当株を売り飛ばそうとはしない。それが高配当であればあるほどそうだ。なぜなら、相場が一時的に下がったとしても、配当株は「しっかりと現金をくれる」からである。株価が下がっても、ほとんどの場合「配当は下がらない」のだ――

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image by: frantic00 / Shutterstock.com

鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編 鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編 』(2026年7月5日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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