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誰も止めはしない。株で人生逆転を狙うなら「死の商人」の上を行け=鈴木傾城

「死の商人」として恐れられる米デュポン社は、決して万人に好かれる企業ではない。だが投資家にとっては、これほど長期投資に値する会社もない。なぜか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2016年9月25日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

その奇怪な多国籍企業はアンダーグラウンドでビジネスを拡大する

「デュポン」とは何者なのか?

デュポンは1802年に株式上場した化学企業だ。

アメリカの南北戦争時、北軍と南軍の両方に弾丸を売って大儲けして以後、アメリカを代表する化学会社として君臨し、現在も年間25兆円以上もの売上を誇る凄まじい企業である。

今後、この企業はライバル会社だったダウ・ケミカルと合併し、さらに規模と売上と利益を拡大していくことになる。

この企業が株式上場した1802年というのは、今から214年前のことである。この長い年月、デュポンという企業はアメリカと世界の激動をずっと乗り切ってきたということになる。

210年近く事業が継続し、今後もさらに数十年に渡って世界の中核を担う技術を保持して利益を出し続けることが約束されている企業というのはめったにない。

デュポン一族も財団を作って税金逃れしながら、未だこの企業の株式の配当だけでヨットで海遊びして暮らしている。

株式市場が大暴落したら、黙って拾い上げて保持しておくに適した多国籍企業のひとつである。この企業は上場しているのだから、私たちも普通株式としていつでも手に入れることができるのだ。

E.I. DU PONT DE NEMOURS<DD> 月足(SBI証券提供)

「嫌われ者」デュポン

ただ、この企業は決して万人に好かれる企業ではないのも確かだ。好かれるどころか、激しく嫌悪する人も多い。

消防服フライパンのテフロン加工でも、この企業は重要な役割を果たしているのだが、こういった小さな社会貢献は逆にあまり世間に知られていない。

Next: 「今後はもっと嫌われる」デュポンはなぜ長期投資に値するのか?



「今後はもっと嫌われる」デュポン

それよりも、この企業は創業時から弾丸を敵味方構わず売って誰かが死ねば儲かる「死の商人」だったという歴史が今も語り継がれて、恐れられている企業でもある。

それだけではない。この企業はベトナム戦争時の「枯れ葉剤」にも関わったことでも知られている。

1960年代当時、アメリカは南ベトナム解放戦線と熾烈な戦いを繰り広げていたが、ベトナムの広大なジャングルに手を焼いたアメリカ軍は、このジャングルを一掃するために空から大量の枯れ葉剤(ダイオキシン)をばらまいた。

これが想像を絶する悲惨な結果を招いた。ベトナムで多発する奇形の子供たちは、この枯れ葉剤によって生み出されたものだったのである。

実はこの枯れ葉剤を大量に製造して米軍に売りつけていたのは、デュポンよりもダウ・ケミカルモンサントの方である。そのため、ダウ・ケミカルもモンサントも、企業イメージはこれまたディポンと劣らず変わらず最悪のものがある。

このデュポンとダウ・ケミカルが合併してダウ・デュポンとなるのだが、場合によっては、これまで以上に嫌悪される企業になる可能性もある。

その理由は、今後のビジネスの中核が「遺伝子組み換え種子」になる可能性が高いからだ。

「遺伝子組み換え種子」は、自然を破壊する凶悪な化学技術であると認識されている。

デュポンの弾丸や枯れ葉剤の技術が人類に大きな悲劇を生み出したのと同じく、今後は「遺伝子組み換え種子」が人類の災厄になる可能性もある。それであれば、なぜこの企業の株式を保有する必要があるのか?

Next: 戦争屋が注目する「最重要技術」を擁する企業、それがデュポンだ



戦争屋がデュポンの「遺伝子組み換え」技術に注目している

皮肉なことだが、戦争技術が民間に転用されたら人類の進歩が進むのと同じく、デュポンの化学技術もまた正しく民間に転用されたら、人類の救済となるからだ。

実は「遺伝子組み換え種子」も軍事転用される可能性がある。

1960年代、アメリカ軍は大量の枯れ葉剤を撒いてジャングルを枯れ木の山にしたように、今度は敵地に大量の「遺伝子組み換え種子」を撒くかもしれない。

「遺伝子組み換え種子」によって実ができなかったり種子ができなかったりするような結果を生み出せると、自給率を激減させて敵国を崩壊させることが可能になる。

あるいは「遺伝子組み換え種子」に依存させて、アメリカと敵対すると、種子を売らずに相手国の農業を壊滅させるという手法も取れる。

人は飢えれば死ぬしかないのだから、遺伝子組み換え種子が軍事に組み込まれると、充分に武器として機能する。

この「遺伝子組み換え」という武器は、今や国家を揺るがす重要技術であり、だからこそ戦争屋であるブッシュ一族やドナルド・ラムズフェルドがここに注目していたのだ。

ちなみにこのドナルド・ラムズフェルドは化学や医学に強い関心を持っており、HIV予防薬やC型肝炎治療薬を出している巨大企業ギリアド・サイエンシズ社の会長でもあった。

HIVもまた人工兵器ではないかとかなり以前から言われていたが、HIVを拡散させるのであれば逆にその予防薬もいるはずだ。

HIV予防薬は以前から「ある」と噂されていたが、どこにあったのか。何と戦争屋ドナルド・ラムズフェルドの手元にあったのである。

こうした戦争屋が「遺伝子組み換え」の技術を重要視しており、2017年から合併して巨大化するダウ・デュポンは今後はその中核企業として君臨することになる。

Next: 誰が何と言おうと、人類は「遺伝子組み換え」技術を受け入れる



人類は「遺伝子組み換え」技術を受け入れる

重要なのは、ここからだ。

この「遺伝子組み換え」を、アメリカは「兵器」として使う可能性が非常に濃厚になっている。そのため、これに関わる化学企業は嫌悪される企業と化す。

しかし、「遺伝子組み換え」は同時に民間技術として降りてきて、今後の農業を革新的に変える重大かつ根幹的な技術となって文明の中に組み込まれていく。

この技術は人類の歴史を一変させる。人類は今後100億人に達していくが、ここで深刻化していくのは食料問題である。100億人を飢えさせないためには――
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鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』(2016年9月25日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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