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【展望】週明けは軟調スタート。歴史的な超低ボラ相場の反転と暴落はいつか?(7/23)=國澤晃

VIX指数、VI共に下がったら次は上がるしかないので、次に何か起きた時は暴落なのですが、では一体どこまで下がったら底か?なかなか読み取れません。(『KA.Blog』)

今週の株価展望~個人は1488億円の売り越しで相変わらずの弱気

週明けの日本株は軟調スタートに

日経平均は金曜反落。前日のNYは高安マチマチ。小売り株が売られる反面、MicrosoftやAmazonなどが買われたことでNASDAQのみ上昇となりました。

それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。ドル円が円高に振れたことで、売られる展開になりました。ただ20100円を割り込んだところでは下値にも買いが入り、深押しはしない形。後場は日銀のETF買いがあり、下げ渋りました。ただ安川電機<6506>の好決算で引っ張られた電機や機械セクター以外はパッとしませんでした。売買高は15億株台、売買代金は2兆円弱と低調。

投資判断は「売り」。金曜のNYはGEの決算がイマイチだったことや、原油価格の下落を受けてエネルギー株が弱く総じて軟調。ただ値動きは小幅でVIX指数は9.36となり、過去最低を付けた93年12月22日の9.31に迫る値となっています。スペンサー報道官の辞任もありましたが、特段相場に影響を与えてはいません。

一方、円高が進捗したことで日経平均先物は19960円となっており、週明けの日本株は軟調スタートが想定されます。

ついでに言えば日経VIの方は金曜に算出以来過去最低を更新しました。6/23の週から日経平均週足の値幅は369円→320円→328円→177円ときて、今週は214円。日銀金融政策決定会合やECB理事会という重要イベントがあったので先週よりは拡大した…と言えるレベルの数字ではないですね。

VIX指数、VI共に下がったら次は上がるしかないので、次に何か起きた時は暴落なのですが、では一体どこまで下がったら底なのか。なかなか読み取れません。

そんなゴルディロックス(適温)的な居心地の良さもあって、今週結局なんだかんだでAmazonが最高値更新となり、NASDAQもそれに合わせて最高値更新。そして何故かよくわからないのですが、ドル建て日経平均もNASDAQに歩調を合わせて7月10日以降は連騰となっています。

日銀会合「現状維持」は予定通りだが

注目の日銀金融政策決定会合は予定通り現状維持で、黒田総裁の会見でもETFの買い入れ額に関しては「副作用を生んでいるとは思わない」と減額の可能性を否定。この辺り、トコトンBloombergの飛ばし記事が否定されていますが、黒田総裁もムキになっているのでしょうか?内心はわかりませんが、副作用があるのは明白ですね。

またREITの買い付けに関しても特段発言が無かったことから、REIT指数が一旦反発する動き。このまま歴史的な大底確認とは思いませんけれど、とりあえず戻り売りのチャンスを提供するような場面は用意してくれた感じになっています。

Next: 一足先に出口に向かう欧州/個人は売り越し/新興市場の注目点



一足先に出口に向かう欧州

一方、注目のドラギ総裁も「テーパリング(出口戦略)は議論されていない」「極めて大規模な緩和が必要」などと発言する一方「最近のデータは強い経済を確認」「委員会は秋に決定を下す」などと9月会合辺りで出口に向けた動きが出ることを示唆。ユーロ買いが強まる展開に。とりあえず発言だけを信じるならば、ヨーロッパの方が一足先に出口に向かう格好のようです。

そんなわけでドル売りの動きが出て、足元でドル円に関しては改めて112円接近の動き。ただドル円は6/14安値108.80円→7/11高値114.50円の半値押し水準111.60円水準が意識され一旦は下げ渋ったものの、金曜には改めて割り込んで111円割れ寸前までありました。一気に下値の節が消えた格好

個人は1488億円の売り越し

なお投資主体別売買動向では先週外国人投資家が現物を1732億円買い越し先物も957億円の買い越しとなっており、7月に入って安倍政権の支持率急落で外国人の基調に変化があるかどうかが最大の注目ポイントでしたが、今のところあまり影響は無い様子。一方、個人は1488億円の売り越しと、相変わらずの弱気見通しでした。

新興市場の注目点

新興市場は「やや売り」。金曜は各指数共に堅調。東証1部が安定する中で、新興市場にも安心感から資金が入ってきています。金曜は特にミクシィ<2121>がモンストの中国展開を受けて朝方一時急騰し、マザーズ指数が強含みました。一方2部指数は過去最高値更新となり、日経JASDAQ平均は年初来高値を更新。

そろそろ決算シーズンに入ることで東証1部が買い辛くなってくる中、新興市場に資金が入りやすいタイミングになってくると思います。

【関連】日米株式市場の最大材料は企業決算、堅調な内容から株価は明るい方向へ=馬渕治好

KA.Blog』(2017年7月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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