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市場の楽観を打ち砕く北朝鮮「6度目の核実験」は8/21にまず警戒を=今市太郎

株も為替も北朝鮮リスクが一服したとの妙な楽観論から買い戻しが進んでいますが、市場が大きく買いに変化したわけではありません。9月に向けてリスク満載です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年8月17日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

オーバーナイトポジは危険、8月21日午前9時と9月9日に警戒を

9月初旬にかけてはリスク満載

金融市場は株も為替も、北朝鮮の攻撃の可能性が一服したとの妙な楽観論から、買い戻しが進んでいます。もともと相場の下落にうまく利用された感が強い北のICBM攻撃ネタですが、為替では8月前半のドル円の大幅下落が2円近く巻き戻されたことになり、ショートで一儲けを企んでいた投機筋の連中もそれなりの買戻しを余儀なくされて、結構見かけ以上にケガ人が出ている印象があります。

しかしこの巻き戻しで市場が大きく買いに変化したかといえば、決してそうではなく、ここからも9月初旬に向けてリスク満載の日々が続きそうな嫌な雰囲気が漂いはじめています。

8月21日午前9時は佳きお日柄?

今年、建国から69周年を迎える北朝鮮は、このまま米国の様子を見ているまま何もしないという可能性は極めて低くなっていると言えます。傍から見ているとこれでICBMを米国領内に撃ち込んだら一巻のおしまいに見えるのが通常ですが、彼らは必ずしもそうは思っていない可能性も高く、ICBMとともに核実験の実施も危惧される状況です。

一説には、金正恩は儒教の教えで統治者の数字と呼ばれる9がつく日に偉くこだわっていて、これまでも核実験を9の日程で決めているといわれています。この縁起のいい9が合計3つになるのが主体暦106年つまり2017年8月21日午前9時で、この日時の数字を足すとちょうど27になる(1+0+6+8+2+1+9=27)ことから、この日に核実験なりICBM発射なりを行なうリスクが指摘されています。

21日と言えば日本は本格的なお盆休み明けであり、30分の時差を考えれば東証がスタートして30分という時間に合わせてことを起こすことになるわけですから、非常に深刻です。

Next: 9月9日も要注意、核ミサイルが飛んでくる可能性も十分にある



9月9日も要注意

さらに危ない日として注目されるのが9月9日です。昨年のこの日にも北朝鮮は建国記念として5度目の核実験を行なっていますし、これまでも長距離ミサイルの発射実験の2ヶ月から3ヶ月後に核実験を必ず実施していることから、この日も相当リスクが高まることになります。弾道ミサイルに装着できるようにした核弾頭の性能を最終的に確認する実験となれば、核ミサイルが飛んでくる可能性も十分にあるという嫌な予測が成り立ちます。

8月21日に何も起こらなければ、この9月9日に何らかの実験が実施される可能性はますます高まることになります。

9月9日は土曜日ですから、週明けの相場は大荒れ必至で、このあたりは少なくとも土日をはさんでポジションを保有しているのは自殺的な行為になりかねませんから、相当な注意が必要となりそうです。

自身は戦争嫌いでも周辺が軍人だらけのトランプ政権

トランプは決して戦争が好きではないと言われますが、世論や自らの支持率をアップさせるためには材料として利用する可能性は十分に残されています。

エクソンモービルのCEOも務め、政権内ではかなり実務的で現実派とされているティラーソン国務長官は北朝鮮への戦闘をかなり止めにかかっているようですが、マティス国防長官はバリバリの軍人出身、マクマスター国家安全保障担当補佐官も陸軍中将出身、ケリー新大統領補佐官は海兵隊大将の経験をもつということで、気がつけば人材不足を軍人出身者でかなり補っている恐るべき内閣であることを忘れてはなりません。

また中国と戦争したらどうなるかなどという物騒な本を出版しているピーター・ナヴァロも側近にいるわけですから、トランプが勢い込んでこのタイミングに予防戦争をしかけるリスクもそう可能性の低いものではなくなっていることがわかります。

Next: 悪材料が満載、株も為替も相当慎重な姿勢で挑むべき局面



株も為替も慎重姿勢で挑むべき局面

このコラムは軍事行動予測が主ではありませので、タラレバの内容はこれ以上書きませんが、とにかく実際に戦争にならなくても北朝鮮まわりでは相場に悪影響を及ぼす材料がここからも満載です。またそのひとつとして相場を持ち上げる材料はないことだけは十分に理解してここからの売買を続けるべきです。

メディアの安心を煽るような楽観報道に左右されるのも禁物で、かなり緊張感をもった取引が求められそうです。くれぐれも、北の刈上げのお坊ちゃまやトランプなどに大損させられないようにご注意いただきたいと思います。
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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年8月17日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。最新号(8/21号)もすぐ読めます。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2017年8月17日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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