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ビットコインを取り囲む間抜けな言葉「暗号通貨バブル崩壊論」を笑い飛ばせ

ゴールドマン・サックスのアナリストによる「今のような米国の強気市場は永遠に続くものではなく、株式市場のリターンが今後10年間で鈍化する可能性は99%である」との警告は、すでに世界中を駆け巡っています。

もっとストレートに言えば、「株式市場では、もう稼げなくなる」と言っているのです。どうも、私たちは歴史の中で最大の金融バブルの最終段階に差しかかっていると見てよさそうです。

では、私たちはいったいどこに向かい、減価されてしまう円の購買力を温存すればいいのでしょうか。それは、金(ゴールド)と仮想通貨(暗号通貨)への逃避です。ただし、仮想通貨(暗号通貨)を扱うには、それなりの知識が必要です。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年8月19日第218号パート2の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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保守的な資産家の無理解を嘲笑し、新局面に突入するビットコイン

暗号通貨の熱狂はバブルなのか?

“憎らしいほどよく当たる”と言われている未来予報士、ジェラルド・セレンテは、資金逃避先としての暗号通貨市場の先行きを、どう見ているのでしょう。

暗号通貨市場のボラティリティの激しさは、実際に暗号通貨の取引所に口座を作って、暗号通貨市場に入らなければ見ることはできません。まさに約定(やくじょう)の連続で、目がチカチカするほど激烈を極めています。

この記事を書いている最中にも、8月1日にハードフォークによって生成された「ビットコイン・キャッシュ」という通貨は、63%という高騰を見せています。

ビットコイン・キャッシュは、今朝がたは120%まで上昇。10万円分買っていた投資家は、わずか数時間で資産を2倍以上に増やし、1000万円もビットコイン・キャッシュに両替していた個人投資家は、これで住宅ローンを残りの全部を一括で支払ってしまおう、と考えたかもしれません。

暗号通貨にはストップ高、ストップ安がないので、値上がりするときは、どこまでも上がるのです。逆に言えば、その反対もあるわけです。しかも、これは、たった数時間の出来事です。

運がいい投資家は、大幅な含み益を抱えて、さっそく利益確定かと思いきや、おそらく、そうした投資家は皆無でしょう。

なぜなら、日本国内では2017年7月1日以降、暗号通貨の購入に消費税がかからない代わりに、売買益は譲渡所得もしくは雑所得と見なされ、総合課税の対象として合算されるからです。

つまり、株式投資の売買益の20%(分離課税)と違って、暗号通貨の投資から得た利益には、がっぽり課税されてしまうのです。

「今後も暗号通貨は大幅に増加する」

暗号通貨市場に本格的に資金が流れ込んでくるのはこれからが本番だ、と考えている投資家が多く、「暗号通貨市場からの資金の流出は起こらない」という前提で将来の値上がりを確実視しているため、暗号通貨投資家たちは売らないのです。

そこで、冒頭の問いに戻りましょう。数年前から「経済崩壊は時間の問題」と警告し続けてきたジェラルド・セレンテですから、すでにバブル状態をはるかに凌駕するほどの過熱ぶりを見せている暗号通貨市場についても同じように、「近々、破裂するだろう」と警告すると、あなたは思うでしょうか?

しかし、ブロックチェーンと暗号通貨の仕組みを知らない経済評論家が「そろそろ仮想通貨バブルがはじける」と煽る中、セレンテは「キャッシュレス社会への競争が加速するにつれて、暗号通貨は大幅に増加する」と予測しています。

そしてそれは、ほぼ100%当たるでしょう。

Next: どうしても暗号通貨の価値が理解できない米国の大富豪たち



「クラッシュが迫っている」狼少年の主張

つい先月の暗号通貨市場の時価総額はドル建てで920億ドル、円建てでは10兆円程度でした。

それが、今月はすでに13兆円にまで拡大し、来月の頭には、おそらく15~16兆円にまで増えるでしょう。

毎週1兆円のペースで市場が大きくなっているのです。

ビットコイン、イーサリアム、SETLcoin、そして他のアルトコインと呼ばれる暗号通貨は、新しいプレイヤーが暗号通貨市場に参入してくるたびに荒々しい値動き(ボラティリティ)を経験してきました。
※暗号通貨市場では、基軸通貨のような存在になっているビットコイン以外の暗号通貨のことを総称して「alternative coin = アルトコイン」と呼ぶ

そうした状況を見て、知識のない証券アナリストたちは、「クラッシュが迫っている」と警告してきたのです。

私も、当初はそのように見ていましたが、それは、もう少し先のようです。そう、感覚的にではありますが、2年、3年先でしょう。

仮に、証券アナリストが「クラッシュ」と言っている状況が起こったとしても、それは、後になって「必要な調整に過ぎなかった」ことが分かって、すぐに市場は活気を取り戻して再び拡大していくはずです。

「今でも、ビットコインの価値が理解できない」

株式投資で成功した大富豪のハワード・マークス(Howard Marks)は、暗号通貨投資を、1637年に崩壊したオランダのチューリップ・バブルと比較しています。

チューリップ・バブルは、いわゆる先物取引のはしりで、最古のバブル崩壊と言われている金融災害です。それは、投資家にとって、己の傲慢を戒める教訓として、今でも引き合いに出されることが多いイベントなのです。

今や伝説の投資家となったこのハワード・マークスは、「今でも、ビットコインの価値が理解できない」と言います。

これは、暗号通貨市場のボラティリティが持続不可能であると考えている多くのアナリストが共有している感情です。

世界最先端を行く金融帝国の米国で大成功したハワード・マークスでさえ、こうなのです。

ましてや、一般の人たちには、ブロックチェーンがもたらす大変革を予想することは、さらに難しいでしょう。

そして、ブロックチェーン技術を基盤とした暗号通貨が、なぜ価値を持ち、その価値が日一日と増えていくのか、その理由を理解できないでしょう。

反対に、人民元の減価(インフレ)に苦しめられている中国の国民は、暗号通貨の未来に人生をかけているかのようです。

彼らのモチベーションは、どの国の人々とも比肩できないぐらい高く、開発力も発想力は豊かです。

Next: 規制を乗り越えて「国境と国籍を溶かす」ビットコイン



「国境と国籍を溶かす」ビットコイン

ビットコインは、中央集権的なフィアット通貨(法定不換紙幣)の代替通貨として、非中央集権型の民主的な反権力の通貨として誕生しました。

とは言うものの、無数のハイエンドコンピュータに分散台帳(データ・ブロック)のすり合わせを行わせることによって、新しいビットコインを発掘するマイニングという作業を行っているマイナー勢は、中央集権の国の中国人で占められています。

ビットコインの安全性と価値の裏付け、その基盤となっているブロックチェーンの拡張性は、実は中国人が支えているのです。

その点では、日本は、かなり出遅れています。

暗号通貨の普及・拡大は、確実に国境や国籍という概念そのものを希薄化してしまうでしょう。

もはやグローバル通貨となったビットコインが、他のアルトコインとともに世界中に広がることで、人々にとって開発者の国籍や、暗号通貨の発掘を行うマイナーがどんな民族であるのかなど、まったく興味の対象にさえならなくなるのです。

当然、暗号通貨の世界的な過熱ぶりを看過できなくなった規制当局は、マネーロンダリングなどの犯罪に暗号通貨が使用されるのを防止するため、規制に乗り出すでしょう。それは始まっています。

7月末、米・証券取引委員会は、デジタルコインの売却方法の見直しを開始し、政府規制が厳しくなる可能性を示唆しました。

前述したように、利益確定時に譲渡所得が発生し、売買益に多額の税金が課されるのも、その1つでしょう。

日本の金融庁は、暗号通貨の取引所を認可制にしました。

そうすると今後は、顧客が取引のために指定銀行口座に振り込んだ暗号通貨の原資を、運転資金として一時、借用するなどという取引所の不正が発覚するかもしれません。

おそらく、それが発覚したからといって、すでに集められた多額の資金でトレードの代行を行っている取引所を認可しない、ということにはならないでしょう。代わりに、かなり厳しい監査が入ることは避けられませんが。

しかし、金融庁の穏やかな是正勧告さえもクリアできなければ、有名な暗号通貨取引所でさえも認可されない、という事態が起こることは容易に想像できます。

Next: なぜ暗号通貨バブルは崩壊しないのか?悲観派の盲点



なぜ暗号通貨バブルは崩壊しないのか?

こうしたことが、過熱する一方の暗号通貨市場に冷や水を浴びせかけ、投資家たちが求めるボラティリティに関する不確実性をさらに高めるトリガーとなったのです。

しかし、予想されていたような暗号通貨市場のバブル崩壊は起きませんでした

「バブル崩壊は不可避」との分析を下したグループに欠けているのは、セレンテが言うように「グローバルノミック(globalnomic)」という視点です。

暗号通貨によって為替に影響されることなく、経済価値を地球のどの場所にも瞬時にして移動させることが可能となり、ブロックチェーン技術が、すでにどの国の金融インフラにとっても必要不可欠な技術であることが確かめられています。

結果、暗号通貨が国境を溶かし、ブロックチェーンの分散型台帳技術によって、雇用面で世界規模の流動性が生まれ、日本人が中国やロシア、ケイマン諸島などで働くということが、それほど珍しいことではなくなるはずです。

また、その逆も加速されるはずです。

それは、チューリップ・バブルの崩壊より大きな崩壊です。それは、米国という国家の枠組みをはるかに超える大規模な変革です。

ですから、「崩壊」と呼ぶのはふさわしくないかもしれません。むしろ、「脱皮」して国家そのものが「変態」する、と言い換えたほうが当を得ているかもしれないのです。

米国は、まもなく「変態」して、まったく別の国になるのです。もちろん、日本も同じです。これからも消費行動をしながら生活していくのであれば、残念ながら、そこから逃げることは不可能です――
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※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年8月19日第218号パート2の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した「FRBの利上げが仮想通貨への資金流入を加速させる」の全文や続きの記事、配信済みバックナンバーもすぐ読めます。

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2017年8月19日第218号パート2より一部抜粋、再構成)

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