マネーボイス メニュー

1ドル113円は余裕であり得る! この「ドル高」を舐めたら危険だ=長谷川雅一

現在のドル高について、「突発的なものであり、続かない」と見る向きが多いようです。しかし私は、このドル高は9月末まで続く可能性があると考えています。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017年9月15日号より)

プロフィール:長谷川雅一(はせがわ まさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。

1ドル115円も射程圏内。このドル高は9月末まで続く可能性が高い

米ドル/円が上昇している

米ドル/円が上昇して(ドル高になって)います。本メルマガを書いている時点で、米ドル/円は、111.30円付近まで買われています。

先週末(9月8日)の段階では、「円高が当分続く。107円割れもありえる」といった見方が主流でした。

「円高まっただ中」のタイミングで、僕が本誌に書いた、「円高の中にドル高の兆しあり」というコメントは、ほぼ「笑い飛ばされた」だろうと思いますが、やはりドル高となりました。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

さて、このドル高は続くのでしょうか?

邦人トレーダーは「ドル売り(円買い)」の判断

現在のドル高については、「突発的なものであり、続かない」と見る向きが多いようです。日経新聞(電子版)にも、12日以降の米ドル/円上昇に際して、邦人のトレーダー達が、こぞって米ドル/円を売っているという記事が掲載されていました。

などの悪材料が「まだ進行中だから」というのが、米ドル/円を売る理由のようです。

「このドル高は突発的なもので長続きしない」という予想のもとに、ドル売り(円買い)を仕掛けているトレーダーが多い、というわけです。

その気持はわかります。

Next: 安易な売りは危険。逆行する(さらにドル高になる)可能性が高い



安易な「売り」は危険

しかし、このタイミングからの「ドル売り(円買い)」は、苦しいトレードになるのではないかと、僕は思っています。逆行する(さらにドル高になる)可能性が高いからです。

米ドル/円は、いったんトレンド転換すると、しばらくはその流れで進むことが多くなります。そして、流れが変わると、それまで悪材料とされていた要素は忘れ去られてしまいます。

事実、今日(9月15日)も北朝鮮のミサイル発射がありながら、米ドル/円は上昇しています。

テクニカル的に見ると、今度のドル高は、113.00円までは「余裕で」上昇する可能性があります。114.00円や、115.00円もありえる勢いです。7月中旬から9月初旬まで、「売りに売られた」反動で上昇しているからです。

このあと、112.00円付近で失速する可能性もありますが、いったん失速したかに見えて、再上昇する動きにもなりやすいので、安易に売らないよう注意が必要です。

9月末まで上昇の勢いが続きやすい

もう少し具体的に書きましょう。今度のドル高は9月末まで(9月29日頃まで)続く可能性があります。

ですから「売り」を仕掛けるのであれば、9月25日(月)あたりから動き出せばいい、ということになります。「それより前に仕掛けるとフライングになりやすい」というのが、僕の見方です。

今のような局面を、僕は(長谷川式では)「不安定上昇局面」と呼びます。文字通り、不安定な上昇になりやすいので、上昇しているにもかかわらず「買い」も難しいのが、この局面の特徴です。勢いよく上昇しているので「順バリ」的に買ってみたが、急落してしまった、というトレードになりやすいのです。

買う場合は「逆バリ」的に、下げたところを狙う必要があります。

Next: 「2万円の上は重い」為替に反応しなくなってきた日経平均



日経平均はどうなる?

この米ドル/円上昇の勢いに乗って、日経平均株価も上昇して欲しいところですが、残念ながら「日経平均、2万円の上は重い」というのが僕の見方です。

理由はいろいろありますが、そもそも、このところの日経平均は、米ドル/円が下落しても(円高になっても)、上昇しても(円安になっても)、あまり反応しません為替に対する「感応度」が低くなっているのです。

現在の日本株は、政府が「お腹いっぱい」買っているため、基本的に「割高」です。また、その買い支えで「下がらない」ので、株価が「割高」な水準のまま推移しやすく、なかなか買うタイミングが見いだせません

株は「動いてこそ儲かる」ものなのに、政府の買い支えで株価が動かなくなっているために投資妙味がないのです。

こうした状況の中、日経平均は、2万円を超えると売りの勢いが強くなる傾向があります。また、2万円のすぐ上の、20,200円には強めのレジスタンスラインがあって、これを超えることが難しいチャートです。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

今日(15日)の日経平均株価は、19,909円で引けましたが、僕は、あと、100円~300円程度しか、上値余地がないのでは?と見ています。

もちろん、20,200円のレジスタンスラインを突破して、さらに上昇する可能性もありますが、僕は、日経平均に関しては、「あまり強気にならない方がいいのでは?」と考えています。

【関連】日本郵政の危ないマネーゲーム。個人をはめ込む政府株売却の本音と建前=近藤駿介

【関連】北朝鮮のミサイル発射ショーに「退屈しはじめた」ドル円相場のポイント=今市太郎

【関連】中国がビットコインに「No」らしい。じゃあロシア、そしてメキシコはどうだ?

長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017年9月15日号より一部抜粋
※記事タイトル・太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

長谷川雅一のハッピーライフマガジン

[無料 ほぼ平日刊]
リアルタイム投資情報サービス「LiveSignal24(ライブシグナルにじゅうよん)」の発行者、長谷川雅一がお届けするメルマガです。投資(株/FX)、マネー、政治、経済、趣味、衣、食、住、遊、ライフスタイルなど、あなたがハッピーライフを築くヒントをお届けします。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。