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召集して5秒で解散。秋の衆院総選挙で森友・加計問題はチャラになる?

双日総合研究所の吉崎達彦氏は、夏の内閣改造前に「解散総選挙は秋」「10月22日に投開票」と予想していました。どうやらこれが現実になりそうな雲行きです。(『らぽーる・マガジン』)

※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2017年9月18日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

現実味を帯びてきた「秋の解散」。2つの根拠と解散の理由とは?

満期直前の「追い込まれ解散」を避けたい与党

株式会社双日総合研究所取締役副所長・チーフエコノミストの吉崎達彦氏は、夏の内閣改造前に、ラジオ番組で「解散総選挙は秋にある」と予想し、「10月22日に投開票」と言っていました。

来年は衆議院議員の任期がやってきます。満期を迎えると、総選挙は必ず行われます。この満期直前に解散することを「追い込まれ解散」と言い、その名の通り、与党惨敗となることが多いようです。

それゆえ、追い込まれ解散を避けるために、年内解散があるのでは? と言われていました。

「10日22日投開票説」の根拠

吉崎氏が10月22日投開票説を唱える一番の根拠は、3つの補欠選挙があることです。

補欠選挙は総力戦になります。比例復活もなく、各党こぞって選挙区に乗り込んできます。ここで与党が負けると、その後の政権運営に大きなダメージとなります。補欠選挙での敗北が政権失速のきっかけとなることが、過去にも多く見られます。

10月22日投開票の衆院補欠選挙は、青森4区新潟5区愛媛3区です。自民党議員死去による弔い選挙で、過去の例では、弔い選挙は議席を持っていた党が有利と言われていますが、選挙は何があるかわかりません

この補欠選挙の日に総選挙をぶつけるというのは、与党は考えそうなことです。

もうひとつの根拠は、安倍総理の外交日程です。11月は外交日程が詰まっていますが、10月は比較的日程が緩やかです。

なにより、11月4日~6日をめどに、トランプ大統領来日の調整がなされています。もっとも、トランプ大統領の目的は中国で、日本は単なる寄り道なのかもしれませんけどね。

11月はアジアでの重要会議があり、そこにはトランプ大統領も出席予定です。初旬から中旬にかけて、ベトナムでのAPEC、フィリピンでの東アジアサミットがあります。ドイツでは気候変動に関するCOPが開かれます。

日程的にも、10月解散総選挙が一番すっきりする」と吉崎氏は指摘していました。そしてどうやら、その通りになりそうな雲行きです。

Next: 森友・加計問題はうやむやに?臨時国会「冒頭解散」を各紙が報道



現実味を帯びてきた「秋の解散」

今月28日に召集する臨時国会で「冒頭解散」をすると各誌が報じてきました。NHKも報じたことから、秋の解散が現実味を帯びてきました

公明党山口代表筋から情報は漏れたのでしょうかね。民進党代表選挙を9月1日に行ったことも、秋の解散と関わりがあるようです。

民進党と言えば、前原新代表と北朝鮮の女性とのスキャンダルを、週刊文春が掲載しましたね。いまは「文春砲」と呼ばれているようですが、ちょっと違和感を感じます。報道が政治を動かすことはありますが、それがきちんとしたジャーナリズムでなされているのであればよいのですがね。

内閣改造による支持率回も解散決断の要因でしょうし、民進党の幹事長人事前原スキャンダルなども、解散の決め手となっているのでしょうかね。

離党ドミノ」とよばれる民進党離党者続出も、自民党にとっては解散のチャンスと言えるでしょう。日本ファーストの会の体制が整う前に解散というシナリオもあるでしょうね。自民党にとっては野党連合が嫌ですからね。

自民党に大きな風が吹くか

戦後24回の解散がありました。72年で24回ですから、3年に1度は解散したことになります。その中で、今回の議席は465議席で、戦後最少となるようです。

問題は解散の大義名分です。

700億円とも言われる選挙費用をかけて、自民党保身のための解散をされたら、たまりません。しっかりとした解散の理由は欲しいものです。

田原総一郎氏が助言したといわれる消費税率引き下げはあるのでしょうか。それを国民に問うというのであれば、インパクトは強いでしょう。

臨時国会の冒頭総理演説でいきなり消費税率引き下げを訴え、それを国民に問うと言えば、自民党に大きな風が吹くでしょう。

森友・加計問題の追求逃れの解散と野党は突っ込むでしょうが、それもかき消されるくらいのインパクトはありそうです。

Next: 「消費税率引き下げ」は危険な賭け。セットで必ず増税も



消費税率の引き下げは危険な賭け

北朝鮮との緊張関係の最中に、国会空白を招いてよいのかという議論もあります。

ただ消費税率の引き下げは、かなり危険な賭けでもあり、財政問題もそうですし、世界の格付け機関による国債格下げにつながる恐れもあります。消費税率の引き下げとセットで、必ず増税はあります。

ひょっとしたら、ここで「こども保険」と銘打った社会保険料の引き上げもあるのではないでしょうか。間接税は減っても直接税は増え、国民負担は減らないということは考えられます。税も保険料も国民負担です。非課税枠の縮小は国民負担増です。

【関連】安倍総理の本音と大義。なぜ今が衆院解散のベストタイミングなのか?=近藤駿介

何のために解散をするのか。憲法で認められている臨時国会の開催要求を蹴ってきて、召集してすぐに解散というのはいかがなものでしょう。

いよいよ秋の政局がスタートです。

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1. 今週の重要指標&予定
2. わかりやすい経済のはなし
 ○ 今マーケットでなにが起こっているのか
 ・北朝鮮ミサイル発射は“リスク”ではなく“チャンス”だった
 ・北朝鮮制裁強化決議
3. いま話題のニュースの裏側
 ・いよいよ解散総選挙
4. 絶対に“億り人”になる!!
 ・ドリーム・サポーターとドリーム・キラー
5. 今週の相場シナリオ(私見)
 ・日経平均株価20000円意識
 ・ドル/円ロング目線で上値意識
6. よもやま話~近況


※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2017年9月18日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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らぽーる・マガジン』(2017年9月18日号)より一部抜粋
※タイトル、本文見出し、太字はMONEY VOICE編集部による

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