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日本株のピークは投票日前後?「衆院選挙は買い」のスーパーアノマリー=藤井まり子

「解散選挙は買い」のアノマリーの通り、日本株は上昇しています。そして「噂で買って事実で売れ」のジンクスの通り、投票日の前後が最も高くなるでしょう。(『資産形成・マクロ金融deあそぼ♪ − 貞子ちゃんの連れ連れ日記』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『資産形成・マクロ金融deあそぼ♪ − 貞子ちゃんの連れ連れ日記』2017年9月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

株価のピークは投票日前後か。北朝鮮リスクはいつまで続く?

スーパーアノマリー

アメリカのトランプ大統領が、北朝鮮の金正恩委員長を「ロケットマン」「バッドマン」と揶揄して「北朝鮮を壊滅させる」とののしれば、北朝鮮の金正恩委員長が、初の肉声でトランプ大統領を「ごろつき」「おいぼれ」と揶揄して対抗。米朝の「口撃」がますますエスカレートしています。

9月22日には、金正恩委員長自らが肉声で国民と全世界にダイレクトに語りかける映像が流されるという前代未聞の事態になりました。

9月25日には、北朝鮮が「アメリカは北朝鮮に宣戦布告した」などと発表アメリカ株式市場は下げました。

こういった「北朝鮮リスク」の高まりを受けて、これ幸いと解散総選挙に打って出た安倍自民党政権。「解散選挙は買い」のスーパーアノマリーの通り、9月の3連休前後から日本株式市場は上昇しています。海外の投機筋が、慌てて日本株を買い戻している模様です。

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日本株の上昇はいつまで続くか?

9月半ばから唐突に吹き始めた「解散総選挙の風」。自民党は過半数は維持するものの、議席数を減らさざるを得ないようです。「選挙は水物」というものの、どうも自民圧勝とはいかないかもしれません。

噂で買って事実で売れ」のジンクス通り、日経平均は投票当日の10月22日(日曜日)前後が最も高くなることでしょう。

日経平均は軽く「フェアバリューの2万1,000円」をタッチするかもしれないし、2万円を挟んだもみ合いになるかもしれません。ちょっとわかりません。

しかしながら、日経平均は投票日の10月22日以降は下落に転じるでしょう。後述するように、10月18日からは中国で共産党大会が始まるからです。

10月22日以降は、日本株式市場は「海外投機マネーのものすごい勢いでの再度の撤退」に押されて調整局面入りする可能性が高いのではないでしょうか。

Next: 北朝鮮リスクという「目いっぱい盛り上げなければいけない劇場」



北朝鮮リスクという「目いっぱい盛り上げなければいけない劇場」

結論から言うと、北朝鮮リスクは、今年12月あたりが「最大の緊張のクライマックス」となり、それ以降は徐々に峠を越えるのではないでしょうか。それまでは「北朝鮮リスク」は高まる一方かもしれません。

スティーブ・バロンが「北朝鮮リスクなんてあり得ない。米朝の軍事衝突なんて起こりえない」と本当のことを言ってしまって、トランプ大統領の逆鱗に触れて政権を去ったことは記憶に新しいですね。

トランプ政権が、これから「軍事オプションを最大限に利用して、北朝鮮をとことん脅しまくって、奥歯をがたがた言わせ、北朝鮮から最大限の譲歩を引き出そう」として腕まくりしている矢先に、「北朝鮮への軍事オプションなんか無いよ」と本当のことをしゃべるバロンは、政治家としては失格で、国賊だったのです。

安倍首相とその側近たちは、「今のうちに解散すれば、北朝鮮リスクで不安をあおれるから、選挙に勝算あり」と読んだようです。今回の解散総選挙は、人呼んで「今のうち解散」というらしい。

安倍自民党政権としては、民主党が代表選後、山尾しおりさんのスキャンダルで躓いて(つまづいて)くれたし、小池新党「希望の党」の設立の動きは少々遅かった。北朝鮮が北海道に向けてミサイルをバカスカ打って、米朝の口撃がエスカレートしてくれているし、選挙には「良いことづくめ」です。

安倍自民党政権は、「今がチャンス! 今のうちなら解散選挙に打って出ても勝てる!(このチャンスを逃したならば、もう勝てないかもしれない…)」と読んだものと思われます。

最後まで「軍事オプション」を匂わせておきたいアメリカ

では、「北朝鮮リスク」はいつ頃に峠を越えてくれるのでしょうか。

アメリカ側が「再び対話に出る」にしろ「(可能性は低いが)軍事オプションに打って出る」にしろ、まずは中国と詳細を調整してからというのが必須条件になります。

アメリカとしては、中国には最後の最後まで「アメリカの軍事オプションは本気だ!本気だ!」と、オオカミ少年の役目をぜひとも担ってもらう必要があるのです。ところが、その中国は、今は共産党大会(10月18日から~)が終わらないと「なかなか熱心には身動きがとれない状態」。

一方、トランプ大統領は、11月初旬から中旬のアジア歴訪の旅を予定しています。11月初旬には日本・韓国・中国と歴訪の旅を、11月10日から中旬にかけては、APECや東アジアサミットを予定しているのです。

これらの日程をこなした後、トランプ大統領は中国・韓国・日本と幾度も詳細の調整を行って、「北朝鮮から最大限の譲歩を勝ち取って、米朝二国間平和協定への第一歩」へと打って出るのではないでしょうか。

それまでは、米朝の熾烈な口撃の応酬はエスカレートするばかりなのではないでしょうか。

Next: 北朝鮮リスクが後退するのは11月下旬から12月あたり



北朝鮮リスクが後退するのは11月下旬から12月あたり

11月下旬から12月あたりになると、「厳しい経済制裁で奥歯をがたがた言わせながら、北朝鮮に核保有を認めて、北朝鮮の存続を認める。その代わりに、北朝鮮には核ミサイル開発を諦めさせる」という、米朝二国間平和協定への歩みが前進し始めるかもしれません。

「北朝鮮リスク」が後退し始めるのは、このあたりからでしょう。それまでは、ますます米朝の「口撃」はエスカレートして、世界を不安のドン底へ陥れてゆくかもしれません――

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資産形成・マクロ金融deあそぼ♪ − 貞子ちゃんの連れ連れ日記』(2017年9月26日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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