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衆院選の「積極的棄権」を呼びかける炎上ビジネスをスルーしよう=三宅雪子

大義なき選挙を批判する、とある著名人が「(自分は投票するかもしれないが)まわりには投票の棄権を呼びかけよう」と賛同者を募っています。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2017年10月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

炎上しても注目が集まれば大成功? そんな輩はスルーにかぎる

理由は「今回の選挙は意味が無いから」

今回の選挙は意味が無いから(自分は投票するかもしれないけれど)まわりには投票の棄権を呼びかけよう」という著名人が賛同署名を募っています。すでに目標の5000人を達成しそうだとか(※編注:10月14日現在、賛同者は5200人に達した)。

それに賛意を表しているらしい最近話題の自称女性政治学者Mさんも話題になっています。あ、Mさん、これで選挙(立候補)はなくなりましたね。

「きっかけになれば」という欺瞞

今回の選挙が大義のない選挙といわれたらそうでしょう。だから投票の棄権の賛同署名を集める? 棄権するなら1人でやればいいし、棄権の賛同署名を呼びかけることにどんな社会的正義があるのかわかりません。

ずるいなと思うのは、直接的な「棄権の呼びかけ」ではなく、「棄権の賛同呼びかけ」なんですよね。ややこしい! よくある「考えてもらうきっかけになれば」というアレです。

こういう意見もありました。「自分は投票するかもしれないけど」の言葉に「頭のいい俺たちはいいけど、馬鹿な有権者が投票行くと迷惑なんだよね。だから、棄権させよう」という「選民意識」を感じると。私も同じ「匂い」を感じていました。「自分は行くかもしれないけれど」なにそれ

この著名人は今まで、橋本徹元大阪市長支持猪瀬直樹元東京都知事に投票小池百合子都知事に投票という行動だったそうです。

投票棄権で誰が得をする?

投票の棄権は絶対ダメです。それを呼びかけるなど、さらに最悪です。今さら言うまでもなく、投票率が下がれば下がるほど、固定票がある与党などが断然有利になります。

結局、この著名人って、実は与党の応援団なのでは? と疑ってしまいます。

Next: こういう手合いの「炎上ビジネス」に付き合う必要はない



炎上ビジネスに付き合う必要はない

「選挙費用が無駄」? その通りです。選挙には約700億円かかります。しかし、そんなに反対ならば、解散する前に、できることはほかに山ほどあったはず。お仲間とその主張を叫ぶのもよし、官邸前に座り込むのもよし、抗議活動はいくらでもできました。そういったことは一切せず。解散後いきなりの「投票の棄権賛同署名呼びかけ」です。

そもそも、あの方、そこまで熱心に政治に関わっていましたっけ。これも、いわゆるお得意の「企画」ですか? まじめに選挙に取り組んでいる側からすると、不愉快きわまりない。

5000人の賛同署名が集まり、その影響が多少でもあり、2014年の史上最低投票率を下回れば、この社会実験は成功なのでしょうか?

【関連】やはり実在する、あの政党の「ネット工作員」は石破茂がお好き?=三宅雪子

批判が集まっているようですが、この方にすれば、注目が集まれば成功なのでしょう。炎上商法が効果をあげる時代ですから、こうした手合いが次々と誕生します。

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三宅雪子の「こわいものしらず」』(2017年10月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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3年3ヶ月の与野党国会議員の経験を生かし、三宅雪子独自の語り口で、あたたかみのある中にも、言うことは言う「こわいものしらず」なコラムを展開します。加えて、「教えて!○○さん」「名言・迷言・明言」「永田町コトバ」「ヒトリゴト」「話はそれますが…」など、私的なコンテンツもローテーションでお届けする予定です。

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