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セイラー博士も匙を投げた米国株の「理解不能なバブル」はいつまで続く?=今市太郎

足元の米国株式市場について、今年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー博士が理解不能と発言。この相場に個人はどう向き合うべきでしょうか?(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年10月13日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

従来とまったく異質なアメリカ株式市場のバブルに専門家も戸惑い

リチャード・セイラー博士「理解できない」

今年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授が、ブルームバーグの番組におけるインタビューに答えて、「われわれは人生で最も危険な時期にあると思われるが、株式市場は油断している様子だ。私には理解できないことを認める」と語り、市場で非常に大きな話題になっています。

ノーベル経済学賞の受賞博士をもってしても「理解不能」な足元の米国株式市場とは、一体何なのでしょうか? そして、その相場にわれわれはどう向き合うべきなのでしょうか?

セイラー博士の戸惑いをよそに、強気の米系ファンド勢

セイラー博士は、経済主体の不合理かつ衝動的な行動を研究し、行動経済学の発展に貢献したことが今回のノーベル経済学賞の受賞理由となっています。そのセイラー博士の目から見ても、現在の市場のボラティリティの低さ、ならびに投資家のあまりにも楽観的な相場見通しには違和感を覚えざるを得ないようで、明確に懸念を表明しているところが注目されます。

ところが、相場に挑む米系のファンド勢ウォールストリートの証券担当者は、減税期待やFRB議長の人事に絡む利上げの後退、ドッドフランク法の一部廃案、レパトリ減税の実施期待などから少なくとも年末までは今の株式市場が続くと見ており、うまく行けば中間選挙まで引っ張れる可能性すら視野に入れているといいます。

このギャップはかなりのものです。昔から「もうはまだなり」とはよく言ったものですが、確かにテクニカルチャートで見ても、NYダウはボリンジャーバンドの日足+2σの外側で売買を続けているという異常な強さで、ほとんど調整らしい調整もないままに年末相場に突入しようとしているのです。

Next: 迂闊に売れば担がれる、このバブルにどこまでついていくべきか?



このバブルにどこまでついていくべきか?

相場が大幅に下落する可能性はすでに随所に現れており、これが大地震であれば、すでに避難していなければならないぐらいの兆候が見えているのが実情です。

しかし、足元の相場で迂闊に売りから入っても単に担がれて損をするだけですから、とれるところは順張りで入ってこまめに利益を稼ぐか、思い切って様子を見るためキャッシュアウトして暴落を待つかのどちらかしか方法はないようにも見えてきます。

これまでのバブル景気は、特定業界が活性化して、それがダメになることでバブルが破裂したものです。しかし、今回の中央銀行バブル相場の終焉時期はあらゆる資本市場がバブル状態になっており、今までのバブルとはかなり印象の異なるものになっていることは間違いありません。

それだけに終わりを見抜くのもなかなか難しくなっていますが、終焉というのは実に突然訪れるものですから、相場の最終段階にどこまでついていくかは、相当慎重に検討するべき時間帯に入っていることがわかります。

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デイトレのようなものならまだまだ利益機会はあるのでしょうが、少なくとも12月までには一旦利益を確保して様子見を決め込んだほうがよさそうな雰囲気がかなり漂いはじめています。

ここからは、まさに個別の投資家の自己判断次第の世界ということができそうです。さて、貴方はどう判断されますでしょうか?

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今市太郎の戦略的FX投資』(2017年10月13日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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