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トランプの「口先介入」でドル円急落、戻り売り目線で対応すべき局面に=今市太郎

トランプがドル高に関して口先介入に踏み切り、ドル円は瞬間的に1.3円ほどの下落を示現。当面ドル円は、戻り売り目線で対応すべき時間帯にさしかかっていると言えます。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年2月1日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。月初のご購読は特にお得です!

「トランプ相場第二幕」遠のく。ドル円は月足20MAが重石に

ついに日本を名指しでけん制

中東・アフリカ7カ国からの入国を、国務省もしくは国土安全保障省から許可されている場合を除き90日間いきなり禁止しますから、という前代未聞の鎖国政策の実施で大揺れに揺れる米国ですが、その舌の根も乾かぬうちに、とうとうトラ様がドル高に関して口先介入に踏み切り、ドル円は瞬間的に1.3円ほどの下落を示現することとなりました。

米ドル/円 15分足(SBI証券提供)

為替で他国通貨をけん制するのは、大統領の政策としては、もっとも金のかからない行為のひとつで、しかも成果が見えやすいものですから、就任早々とうとうやらかしてくれることになったわけです。

しかも今回はさらにエスカレートしており、日本と中国は通貨切り下げで市場を手玉に取った、とはっきり日本も名指しにしていますので、穏やかではありません。

トランプ就任後、とにかくNYタイムではドル円は絶対ロングのポジションを持たないようにしていますが、案の定本日も、いきなりとんでも発言で、ドル円はあっという間に下落を果たしてしまいました。

しかも、こうした要人のまるでテロのような発言は、事件や事故と違ってその後の話がなにもでない一発ものの暴言ですから、下げるだけ下げるとショートカバーも出やすくなり、ここ数日は1回のショートカバーでドル円は難なく70銭幅程度が毎日、日によっては31日のように東京タイムとNYタイムの2回楽しむことができるようになってきています。

個人投資家はもっとトラ様に用心が必要

巷では、トラ様相場第二幕の開幕を期待する声も多くなっていますが、果たしてそんなに旨く上昇局面が訪れることになるかどうかはかなり疑問な状況になってきています。

Next: 戻り売りで攻めるファンド勢。2月10日の日米首脳会談に要注意!



20ヶ月移動平均線が戻り売りの絶好のターゲットに

ドル円は月足の1月終値が20ヶ月移動平均を完璧に下回っており、ここからは戻り売りに専念する時間帯に入ってきています。この月足の20ヶ月移動平均は多くのファンド勢も指標として見続けているものですから、2月は多くのファンド勢がドル円をショートで戻り売りする方向に流れが変わる可能性が高まってきています。

米ドル/円 月足 20MA(SBI証券提供)

「米国は強いドルを志向している」といったエコノミストやアナリストの声も多く聞こえてきますが、少なくともユーロと円に対しては真っ向からドル安を訴求してきているわけですから、ここからドル円が上昇すると期待するのは相当楽観的な市場の見方といわざるを得ません。

むしろ2月10日の日米首脳会談で、明確にドル安を実現するようにトランプが公然と恫喝をかけてくるのはもはや間違いない状況で、しかもその内容を米国サイドからメディアに発表するようになれば、大きな下落転換日になる可能性すら高まっていると言えます。

2月末に、このドル円の月足が20ヶ月移動平均を超えるところまで戻さないかぎりは、当面ドル円は戻り売り目線で対応すべき時間帯にさしかかっていると言えます。

想像していた以上に、リアルなトランプ政権相場は難しくリスキーなものになろうとしています。
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今市太郎の戦略的FX投資』(2017年2月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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