不動産が50％オフ!?「無茶な指し値」が効く物件、効かない物件の条件＝姫野秀喜

著名な不動産投資家には「売値の半額」のような指し値をする人がいます。ですが、これを一般の投資家が真似する場合は、相当深く考えてやる必要があります。（『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜）

不可能を可能にする「半額指し値」の成功条件はかなり厳しい

良くて「売値の5～10%」が相場

著名な不動産投資家の方の中には、売値の半額のような指し値（買主が希望する購入価格を指定すること）をする人がいます。そういう方の本やブログを読んで、50％オフの指し値をしたいという希望を抱く人もいるでしょうが、やるのであれば相当、深く考えてやってください。

基本的に23区や優良なエリアでの指し値は、良くて売値の5～10％程度というのがおおよその相場です。30％オフや50％オフなんて武勇伝は、そうそう簡単には実現できません。

「武勇伝」のウラ側

そもそも価格は需要と供給で決まります。この50％オフになるような指し値をしている物件のエリアはどこでしょうか？ 武勇伝が生まれるエリアはたいてい、人口が減少している、県の中心地からかなり離れたエリアです。

23区内の駅徒歩10分以内などのエリアで、50％オフの指し値を次々と実現したという武勇伝は知りません。

できたとしても、現金買いや有力なコネなどがあるという理由によるものなので、誰もが再現することは不可能です。

不動産業者との関係に亀裂も

50％オフの指し値は単に不可能なだけでなく、より状況を悪化させることがあります。

不動産屋で売り物件に対して50％オフの指し値を入れると、その不動産屋さんから優先度を下げられてしまうからです。

50％オフのような指し値を入れるお客さんは「どうせ売主に断られて、買えない人だから、物件の紹介をするのはやめよう」という扱いになるわけです。

ですから、大きな指し値を入れたいという人は、深く考えて行ってください。

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埼玉で見つけた30万円（土地評価額200万円）の戸建て

さて先日、埼玉で30万円の戸建てがレインズに掲載されているのを見つけました。

福岡の業者が所有している物件で、売買価格がなんと30万円の戸建てです。敷地面積は150平米くらいあって、土地の評価額が200万円くらい出ている物件です。ただ、屋根に穴が空いていて、そのままでは使用できないとのことです。

そりゃそうですよね。いくら捨て値といっても評価が200万円の物件が30万円ですから、まともな物件ではありません。駅から車で20分以上離れていますので、駅を使わない車を使う人向けの物件です。

もちろん、こういう物件を再生して、うまく収益化できる人も世の中にはいますので、まったくダメというわけではありません。ただし、自分で安くリフォームするノウハウを持っていたり、休日返上で作業ができる比較的時間に余裕がある人でないと難しいでしょう。そういう意味で、誰にでも再現できる投資スタイルではありません。

もっとも、この物件は持っているだけで、固定資産税が毎年2万円弱かかってきます。つまり、売主側はさっさと手放したいと考えている可能性が高いわけです。

もしかしたら、こういう物件なら半値の指し値が通るかもしれません。

超格安物件を購入する際のコツ

さて、こういう超格安物件を購入するときのコツは1つです。それは、「売側業者（元付け業者）に直接連絡すること」です。

売り側の業者に直接話せば対応してくれますが、それ以外の業者は相手にしてくれない可能性が高いです。なぜなら、仲介手数料が安すぎて、その物件に関わっただけで赤字になるからです。

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30万円の物件の仲介手数料は約1万5千円に消費税です（物件価格の5％）。この金額では、営業マンの人件費やガソリン代、登記簿その他の資料代を支払うこともできません。そんなわけで、超格安の物件は元付け業者を直接あたるしかないということです。

再生物件は再生物件で非常に面白いと思うので、気合いを入れてやってみたい人は頑張りましょう！

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