著名な不動産投資家には「売値の半額」のような指し値をする人がいます。ですが、これを一般の投資家が真似する場合は、相当深く考えてやる必要があります。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。
不可能を可能にする「半額指し値」の成功条件はかなり厳しい
良くて「売値の5~10%」が相場
著名な不動産投資家の方の中には、売値の半額のような指し値(買主が希望する購入価格を指定すること)をする人がいます。そういう方の本やブログを読んで、50%オフの指し値をしたいという希望を抱く人もいるでしょうが、やるのであれば相当、深く考えてやってください。
基本的に23区や優良なエリアでの指し値は、良くて売値の5~10%程度というのがおおよその相場です。30%オフや50%オフなんて武勇伝は、そうそう簡単には実現できません。
「武勇伝」のウラ側
そもそも価格は需要と供給で決まります。この50%オフになるような指し値をしている物件のエリアはどこでしょうか? 武勇伝が生まれるエリアはたいてい、人口が減少している、県の中心地からかなり離れたエリアです。
23区内の駅徒歩10分以内などのエリアで、50%オフの指し値を次々と実現したという武勇伝は知りません。
できたとしても、現金買いや有力なコネなどがあるという理由によるものなので、誰もが再現することは不可能です。
不動産業者との関係に亀裂も
50%オフの指し値は単に不可能なだけでなく、より状況を悪化させることがあります。
不動産屋で売り物件に対して50%オフの指し値を入れると、その不動産屋さんから優先度を下げられてしまうからです。
50%オフのような指し値を入れるお客さんは「どうせ売主に断られて、買えない人だから、物件の紹介をするのはやめよう」という扱いになるわけです。
ですから、大きな指し値を入れたいという人は、深く考えて行ってください。
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