採用活動をしていて驚くのは、多くの企業が導入する「適性検査」の精度の高さです。人事はこれをどう活用しているのでしょうか?また攻略は可能なのでしょうか?(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資〜雪ダルマ式に資産が増える52の教え〜』東条雅彦)
能力も性格もバレバレ。就活・転職で本当に注意すべきこととは?
就職・転職は今が絶好のチャンス
勤務する会社ではシステム開発部に所属する私ですが、新卒採用の一部もお手伝いしています。今は基本的に売り手市場なので、仕事を探している学生さんたちの方が圧倒的に有利な環境です。
2018年3月卒業予定の大卒者の有効求人倍率は1.78倍(リクルートワークス研究所調べ)です。そして、2017年3月に卒業した大卒者の就職率は、2017年4月時点で97.6%でした(日経新聞調べ)。
今は、就職を希望している人がシビアに仕事を選ばなければ、ほぼ全員が定職に就ける時代です。転職を考えている人にとっても、本当に今がチャンスでしょう。
適性検査にはどれくらいの意味があるのか?
WEBなどで行われる適性検査「3Eテスト(知能+性格・価値観テスト)」は、選考において意外に重視されます。例えばウチのように「社内SE」という職種の場合、数学的な能力があるのか、ないのかはよく見られてしまいます。
あと、性格診断テストもとても大切です。中には矛盾した回答をする人もいて、そういう人は性格診断結果の注意すべき点の「一貫性」の項目に警告が表示されてしまいます。
つまり、自分のことをよく見せようとするあまりに、都合の良い回答をしていると、ボロが出る仕組みになっているのです。
残念なことに全体の5%の人がここで引っかかっていました。この手の性格診断テストは心を無にして、すべての設問に正直ベースで答えなければ、システムが受験者のウソを見抜いてしまいます。
能力テスト(いわゆるSPI)に関しては事前対策をした方が良いと思いますが、性格診断系の適性検査については、いつもの素のままで受けることが必要です。
自分たちで適性検査を受けてみて驚いたこと
試しに私も、この適性検査を受けてみました。設問が50個ぐらいあって、単純にYES/NOと答えていく、簡単なテストです。私以外にもシステム開発部のメンバー全員(合計5名)で受けてみて、その結果を名前を伏せた状態で誰がどの人かを当てられるか?というクイズをメンバー間で出しました。
すると、5人のメンバー全員が検査結果だけを見て、自分自身も含めて、それが誰の結果であるかを見事に的中させました。この適性検査はかなり精度が高いのです。
適性検査には、その人の良い点と悪い点が明記されます。面接する前から、面接官は「この人はこういう性格の人だな」という、大まかな見当をつけて、効率的にその人の良い点と悪い点を確認するということができてしまうわけです。
今まで私は、1回の就職活動と2回の転職活動を通じて、面接官の人たちは鋭いことを聞いてくるし、さすがだと感じていました。時には「この採用担当者は人の心が読めるスタンド使いではないか?」と疑ったことも、1度や2度ではありません。
しかしながら、必ずしもそれは面接官の実力ではないことが、今回、はっきりとわかりました。事前にこの性格診断テストの結果を知ったうえで面接をする場合、初対面の人に対してもかなり突っ込んだことを確認できてしまうからです。
余談ですが、私の適性検査の結果は以下の通りでした。
- 物事を論理的に他人に説明するのが得意である
- 仕事に対しては熱心に取り組むタイプである
- 自由な発想でアイデアを膨らませて、多少のリスクが伴っても挑戦する
- 相手の気持ちや感情を正しく感じ取ったりすることが苦手である
- 目標が達成できないことがわかると、すぐに諦める傾向がある
(1)から(5)まで、周りの人が言うにはほぼ全部、当たっているそうです(笑)。これらの情報を事前に知ったうえで、面接の際に確認するポイントは「人間関係は大丈夫か?」とか「慌てて変な判断を下して勝手な行動をしないか?」等になると思います。実際に私は就職・転職活動時に面接官から、上記のことを頻繁に確認されていました…。
でも、面接官はスタンド使いではありませんでした。適性検査の精度が高いだけだったのです。