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ふるさと納税のシャインマスカットに黒いブツブツ…。それでも交換を頑なに拒む山梨県甲州市の“塩対応”にSNS上は「マジでヤバい」とドン引き

ふるさと納税の返礼品として送られてきたシャインマスカットが、見るからに痛みがひどい状態にも関わらず、送付元の自治体である山梨県甲州市が返品に応じないとのSNS上の投稿が、大きな反響を呼んでいるようだ。

投稿された画像をみると、粒のいたるところに黒い穴が開いており、無傷なところも含めて、食べるのをためらってしまうような状態。

そのため投稿者は、交換等の対応ができないかとサポートセンターに問い合わせたようだが、発送から4日以内でないと対応できないとして、拒否されたとのこと。さらに同市の政策秘書課に対しても、同様の問い合わせをしたものの、同様の理由で突っぱねられたという。

SNS上からは、この症状は欧州系品種が罹りやすいとされるぶどうの病害「黒とう病」ではないかという見方もあがるなかで、甲州市側としてはそうではなく、日にちが経過したことによる痛みだと判断している模様。それゆえ一律で決まっている交換等の期限に則り、それを超過しているとして対応しないという立場のようだ。

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ふるさと納税で評判悪化の山梨県産フルーツ

昨年度に全国の自治体に寄付された総額は、初の1兆円超えとなる1兆1100億円余りにのぼるなど、年々その人気が過熱しているふるさと納税。

だがその反面で、地元産だと謳っていた畜産物や魚介類といった返礼品が、実は外国産のものだったという、いわゆる産地偽装が全国各地で発覚するなど、ふるさと納税に絡む様々なトラブルも頻発しているといった状況だ。

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そんななかで、今回のように送られてきた返礼品が期待外れ、それどころか食べることも憚られるような状態だったという話は、それこそ枚挙に暇がないといったところ。

現に今回のトラブルが起きた山梨県の各自治体では、ブドウやモモなどといった定番の返礼品となっている県産の各種フルーツに関して、「痛んでいる」「味が悪い」「粒が小さい」といったクレームが少なからず寄せられているようで、仲介サイト上において約2割の利用者が“低評価”を付ける事態にまでなった、というもあったようだ。

県の担当者によれば、ここ数年の梅雨の降雨不足やその後の高温多雨といった天候が生育不良に影響したのにくわえ、このところの“ふるさと納税人気”により、返礼品の提供業者が品質を確保できる量を超えた発送を引き受けてしまったことで、質の悪いものが交じるケースが多くなってしまったのではと、低評価が増えている原因を分析しているよう。

とはいえ山梨県側としても、ふるさと納税を通じて“フルーツ王国・山梨”を大いにアピールするハズが、逆にその評判を落とすこととなっているということで、同県の長崎幸太郎知事は昨年11月の会見で「山梨ブランドに対する意識が全く欠落していた」と、この状況に対しての危機感を表明。今後、各市町村や仲介サイト運営企業との協議会を設け、ガイドライン作成や研修会を通じて、品質の確保に取り組む方針を打ち立てていたところだった。

自治体の塩対応に地元からも反発の声

しかしながら今回の件では、甲州市のふるさと納税においては、その返礼品のクオリティが以前と変わらず低いままであることを如実に表す格好に。それだけに利用者からは、失望する声も少なからずあがっているといった状況だ。

特に、SNS上で今回のことが大いに取沙汰されている状況にも関わらず、返品・交換などの対応に一切応じないという、甲州市側のいわば“塩対応”に対しては、「甲州市ふるさと納税ほんっとやばいな」「これだけの反響を確認済みでもその対応なのか…」「つまり、甲州市産のぶどうはこれは正常値ってこと」といった反発の声が続出。

農作物であることから、仮に日にちが経過したことによる劣化であれば、際限なく交換に応じるというわけにはいかないという、甲州市側のスタンスも分からなくはないものの、とはいえこんな対応なら、今後甲州市へのふるさと納税は避けたほうが良さそう……といった見方も、利用者の間で広がっているようだ。

いっぽうで当地・甲州市の住民、とりわけ果物農家の方々からは「本当に申し訳ありませんでした」と平謝りする反応が続出。それとともに「同じぶどう農家として本当に恥ずかしい」「返品交換が当たり前だと思う」というように、品質確保に無責任な一部ブドウ農家の姿勢や、返品に応じない甲州市の対応への怒りの声も続出している。

ふるさと納税の申し込み期限である年末に向けて、どの市町村に寄付しようかと思案する人も増えてくるタイミングで起きた、今回の返礼品を巡るトラブル。このままでは甲州市のみならず他の山梨県内の自治体への悪影響も、大いに考えられるといった状況のようだ。

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