ファーウェイが米中貿易戦争の槍玉に挙がった。中国への経済的打撃や5Gの覇権争いなど、問題の表層を見ればただの一企業の規制に思える。しかし実態は違うのだ。(『「ビットコイン&グローバルマーケット」by天空の狐 ミニ版メルマガ』天空の狐)
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プロフィール:天空の狐
IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、日本人で唯一のESTA名誉会員、現職ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンド・プログラム、国内AI企業のアドバイザー Python・MT4・MT5自動売買&裁量AIトレーダー。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発に従事。
情報には裏と表がある。ファーウェイ規制がもたらす大打撃とは?
槍玉に挙がった「ファーウェイ」
米中貿易摩擦の渦中に巻き込まれた中国企業ファーウェイ。
貿易摩擦の解決のためにファーウェイが規制されたことで、中国はインフラ関連企業を通じて経済的な打撃を受ける。
これはもちろん、次世代通信網「5G」の覇権争いでもある。情報管理をどの国がするのか?これが外交カードの一部になっている。
表層部分を読み取る情報からは、一企業の規制に見える。しかし、実態は違うのだ
狙いはドルの回収
米国は、中国からドルを回収しているのが真実だ。
中国は人民元を世界に配りながら、中国の覇権構造を強め、一路一帯へと経済的な影響力からGDP世界第2位にまで成長した。
そこから大切なのは、世界の基軸通貨ドルとの関係だ。ドルと人民元のパワーバランスを変えるために、人民元が世界に回りだして貿易摩擦が生まれた。
今回は、一企業との取引を規制することで、ドルと人民元の2つの分断を図っているのが実情だ。
中国国内のドル不足により、国外活動が弱ってゆく算段だ。
米中が互いに関税報復を繰り返し、結局は互いに25%課税をしていく先には、互いのマーケットの縮小がある。
人民元とドルの交換が減れば、国内の人民元に対するドルが不足して、世界貿易への力が弱ることなる。
ドルが足りなくなれば、中国国債を無理にでも発行して、貿易国に売り渡し、ドルを手にする。貿易国はパワーゲームとして中国よりも有利になり、結果として、中国は国内の力が弱まってゆくことが真相だ。
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