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「史上最長の景気回復」で日経平均株価と家計消費はどこまで伸びる?=山崎和邦

企業業績好調でも懸念は多い。景気回復局面に入って満5年、いよいよ6年目の拡大期に入るというわりに、「日本の勢い」はいざなぎ景気当時の足元にもおよばない。(山崎和邦)

※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く2017年12月17日号の一部抜粋です。今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。

「好景気」はどこまで本物か? 日本の株価と消費が行き着く先

膠着する日本株

(管理された)日経平均では相場は語りにくいが、世界中の人が見ているのは日経平均だし、テレビでも新聞でも語るのは日経平均だし、海外の大手短期ファンドが仕掛けるのも日経平均だから、これを象徴として今後も述べることに致したい。

先週(12/11~週)は円高もあって4日続落して終わったが、日銀は午前中のTOPIXが0.1%下がると、後場に700億円を機械的に買うことにしている。これでは「生きた相場」でなくなる。日銀のETF買いの枠から言えば、今年中にあと3回買える勘定だ。

【図1】日銀ETF買いは12月に6回実施され、年内は最大3回の買付が想定される

【図2】週末の米国市場の上昇を受け、日経CMEは22685円(大証比+165円)と、週明けは上昇スタートに。なお、先週末は「メジャーSQ値」水準での攻防となった。今週は20日(水)・21日(木)に日銀政策決定会合を控える

企業業績好調でも懸念材料はたくさんある。私は「2017年は世界中が“政治の年”だ」と年初から何回も述べてきたが、12月9日(土)開催のセミナーで「2018年はリスクと不確定性とブラック・スワンを意識する年だ」と述べた。

好業績だし世界レベルから言えば割安のはずだが、膠着状態が続くのはいくつのものリスクを意識するからであろう。特に北朝鮮の問題は、日本人が考えている以上に海外では深刻に受け止めているようだ。

【図3】一目均衡表において、一目山人が最も重要と指摘する「遅行線」が実体の株価に入り込む動きに。下記、需給状況を勘案しても、当面の指数は保ち合い相場の動きに

【図4】外国人投資家は4週連続の売越し、一方で短期資金の信用買残が3兆円水準を超えてきている。外国人投資家の買い転換がなければ、需給面での信用買残の積み上がりは、当面の戻り売り圧力に(単位:億円)

Next: 「史上最長」景気回復6年目にして、あの頃とは全く異なる市場の勢い



「史上最長」景気回復6年目を迎える

景気は回復局面に入ってから満5年、拡大期に入ろうとしている。「いざなぎ景気(旧経企庁命名)」(1965年~70年)の57ヶ月よりも、また、「いざなみ景気(俗称)」(郵政改革相場の前後)よりも長く、回復期から5年を経て拡大期に向かうことになる。

しかし、その勢いはまったく違う。いざなぎ景気の頃は、GDPは7~10%伸びた。今は年率2%だと言って市場は喜んでいる。この勢いが当時とまったく違う。ただ、労働総数が増えたため、国内全体で見た場合の名目雇用者報酬は四半期続けて前期を上回ってきた。これが消費者心理を改善し、「節約々々」から「消費」へ向かえば、脱デフレへの見込みがまんざらないことでもない。

ただし、伊藤元重元東大教授(現学習院大学教授)は、「社会保険料の負担増を考えると家計の可処分所得は増えていない」と言っている(12月13日付「日経新聞」より)。この人は何かあるとどこへでも口出しするし、顔も出す。解説は的確だが、彼には洞察というものがない(と筆者には見える)。

【図5】

【図6】

【図7】2017年相場も残すところ2週間、日経平均の年足は6連続「陽線」となろう

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世界のGDP成長率(次週に詳細述べます)

強気相場は終わっていないがリスクも終わっていない

日経平均VI大幅低下

半年後の予想も強気の機関投資家

外国勢の投資行動のパターン

海外投資家は日本株をどう見ているか

FRBに利上げの悩み

欧州のポピュリズム化の流れを止めたマクロンだが.

北朝鮮問題─北朝鮮対応のトランプの無策

アメリカに「財政のガケ」はない

「地銀、好況でも迫る危機」

トランプと金正恩

デフレ脱却へ「薄日」か

日銀という大株主

トルコリラについて

老後資金はいくら必要か

Nさんへの「トルコリラ建て債券について」の返信(12月13日)

「資金ポジションについて」の質問(13日)

「地銀株上昇は相場下落の予兆か」について(13日)

Uさんよりの「12/10号の(7)のトリプルA格の8~10%のクーポン率でのところもう少し説明いただけませんか?満期まで持つということでしょうか?」について


※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報 「投機の流儀 (罫線・資料付)」*相場を読み解く』2017年12月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2017年12月17日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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