マネーボイス メニュー

金融庁が急ぐ「FXレバレッジ10倍規制」が殺すもの。4つの注目点=今市太郎

やはり来年にはFX取引のレバレッジ10倍規制が始まりそうです。となれば、まだ規制が緩くボラティリティも大きい仮想通貨に多くの個人投資家が流れるでしょう。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年12月19日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

加速する「個人投資家のFX離れ」次のステージは仮想通貨か

「消費者保護」だけではないFXレバ規制の背景

以前から噂されてきた金融庁のFX取引に関するレバレッジ規制が、いよいよ来年から10倍に引き下げて実施される見込みになったようです。具体的な時期などはまだ明確にはなっていませんが、店頭FX業者の取引だけがこうした規制をまず受けるようで、取引所FXがどうなるのかが非常に気になるところです。

金融庁は消費者保護もさることながら、業者の抱えるリスクやカバー先のリスクなども指摘しているようです。レバレッジを10倍に規制するのも、業者の保護を重視しているように見えます。

この手の制限は、いったん決まってしまえばパブリックコメントなどを市場から集めたところで確実に実施されてしまいます。ですので、もはや国内では10倍のレバレッジで取引をする以外には方法がなくなりそうな状況になりつつあります。

個人投資家はビットコインに「大移動」か

これまでドル円の1000通貨取引ならば、112円程度のドル価格であれば概ね4,500円、1万通貨であれば4万5,000円程度の証拠金で売買ができました。

それが10倍のレバレッジとなると、1,000通貨でも1万1,200円、1万通貨なら11万2,000円の証拠金が必要になります。そのため、同じ資金を使っても取引できるボリュームはかなり減少してしまうことが見込まれます。

トランザクションボリュームでマージンを稼いできた国内の店頭FX業者にとっては大打撃で、今後ますますFX業者が仮想通貨売買のほうに乗り出していくであろうことは容易に予想できる状況です。

Next: ドル円相場への影響大、個人投資家マネーは仮想通貨に逃避する



自動売買やループイフダン売買に打撃

こうした規制が実施されると、大きな打撃を受けるのは、シストレループイフダンの組み合わせを使った売買サービスを提供している店頭FX業者です。

レバレッジ規制とともに取引量は激減し、事実上サービスが立ち行かなくなることも予想されます。

ドル円相場にも影響大

日本のFX個人投資家は、世界のFX市場のほぼ53%近くを占めています。しかも、本邦個人投資家の8割以上がドル円の売買に従事しています。そのため、ドル円相場に国内個人投資家の影響が非常に大きく出るのです。

しかしながら、レバレッジの規制によりその取引ボリュームが現状の4割程度に落ち込むことになれば、ドル円の価格推移にかなり影響が出ることは間違いありません。また、取引ボリュームのみならず、ドル円の価格形成が大きく変化することも想定しておかなくてはならなくなりそうです。

【関連】ビットコインFXという死亡遊戯。レバ25倍の本当の意味を知っているか?=今市太郎

個人投資家が「よりハイリスクな市場」に移動?

こうなると、まだ規制がはっきりとされておらず、しかもボラティリティの大きな仮想通貨に、多くの個人投資家が乗り換えることは必至の状況です。

金融庁の規制は、かえって個人投資家を危うい場に追いやることにならないか。これが非常に危惧されるところです。いずれにしても、規制の具体的な内容は今後つまびらかになるものと思われますので、それを受けた個人投資家の動向が非常に注目されます。

続きはご購読ください。初月無料です


※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年12月19日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

<初月無料購読ですぐ読める! 12月配信済みバックナンバー>

・2018年米国市場は中間選挙まで突っ走るという恐るべき可能性(12/20)
・金融庁・店頭FX業者レバ10倍規制で起きるFXドル円市場の変化(12/19)
・イールドカーブフラット化恐るるに足らずのイエレン発言は正しいのか?(12/18)
・北朝鮮経済封鎖に対抗しサイバー通貨市場に本格参入か(12/17)
・FXの延長気分上で取引するな!今世紀最大の死亡遊戯ビットコイン25倍レバレッジ取引(12/15)
・完全雇用下の減税・インフラ投資で米国は来年・年間利上げ3回で済むのか?(12/14)
・イールドカーブのフラット化に反応が異なる米国債券と株式市場アナリスト(12/13)
・日銀のETF買い減少で日経平均はどこまで下げる?(12/12)
・ビットコインを操る鯨は先物上場前に値を釣り上げて売り飛ばしたのか?(12/11)
・ビットコイン先物取引開始で相場はどう変わる?(12/8)
・チャート形状から見た日経平均全値戻しという超楽観論の可能性について(12/8)
・ミレニアル世代馬鹿のひとつ覚え〜米テクノロジー株偏重投資投資の限界(12/6)
・政治的ピンチが続くトランプ起死回生策〜北朝鮮攻撃の可能性(12/5)
・税制改革法案上院通過で2018年益々加速が予想される米国バブル市場(12/4)
・2017年トランプ相場の最大リスクはトランプそのものか?(12/2)
・12月FX相場の注意点(12/1)
・ニューヨーク市場のMagin Deptはもうパンパン〜これ以上借金で株は買えないレベル(12/1)

【関連】暴騰するビットコインの未来をゴールドマンと「1%の富裕層」はどう見ているか?

【関連】ビットコインは一転暴落の可能性も?最新未来予測/仮想通貨とサウジ政変=高島康司

【関連】ビットコイン版「バブルの物語」いつか死ぬまで踊り続ける覚悟はあるか?=鈴木傾城

今市太郎の戦略的FX投資』(2017年12月19日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

今市太郎の戦略的FX投資

[月額880円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日]
個人投資家がもっと得難いファンダメンタルズを徹底的に集めテクニカルで売買チャンスを探るFX投資家のためのメールマガジンです。土日を覗く平日毎日の配信となりますので、確実に日々の売買に役立てることが可能です。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。