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老後にお金はいくら必要なのか? 現役世代が知るべき「老後資金の確認方法」=牧野寿和

「老後破綻」といった強烈な言葉を聞くことがあります。歳を取ってからお金が無くなり、生活が不安になる。こんな心細いことはないでしょう。今回は、特に老後生活をしていく中でお金の心配をしなくてもいいように、現役のうちにしておくべき簡単な「老後資金の確認方法」をお伝えいたします。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

収入は減るし、支出は増える。現役のうちに考えるべき老後資金

現役と老後「生活の違い」とは?

現役と老後の生活では何が変わるのか? もちろん。いろいろと変わることがあります。

まず、1日(24時間)の時間の使い方です。

現役中は、サラリーマンの方であれば、いわば強制的に勤め先から決められた勤務時間を中心に生活をします。

老後の生活では、毎日に時間の制限を受けることはありません。24時間、好きなように時間配分をすることができます。

言い換えれば、この時間配分によって、必要なお金も変わってくるかもしれません。

また、衣食住にかかる費用は、現役の時代から老後の生活になって増えることはあっても、減ることはないでしょう。

食費などは老いとともに減るかもしれませんが、自宅で過ごす時間が長くなれば、電気水道などの光熱費は、現役の時代よりも高くなる可能性があります。

それにも増して、現役中は仕事中に必要な費用は、勤め先が経費として払ってくれていたでしょう。しかし、老後の生活では、支払うお金は、すべてご自身の家計支出となります。

家計収入が大きく異なる

そして、1番確認をしておかなくてはならないのは、現役中と老後の生活とでは、収入先が変わることです。

多くの方は、給与から年金に収入が変わります。

例えば、毎月の手取り給与が40万円あった方が、年金では20万円になった場合、大変数字が極端ではありますが、毎月20万円の家計収入が減ります。

その分、所得税や住民税が減るのでは?と思われる方もいるでしょうが、ここではわかりやすく税金などの話は除いて、単純に収入のみでお話をいたします。

毎月20万円家計収入が減ると、

・1年間では240万円
・5年間では1,200万円
・10年間では2,400万円
・20年間では4,800万円

と変わってきます。

Next: 生活に必要なお金は? 老後破綻にならないために



老後生活に必要な支出

現役中にはあまり必要がなく、老後になってから必要になるものがあります。どのくらい必要になるかは人によって違いますが、

などを考える必要があります。

また、こんな考え方もできます。「健康寿命」という統計的な数字があります。健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことで、男性は約72歳女性は約74歳です。

平均寿命と健康寿命の間は、男性で約9年女性で約13年の差があります。

この間は、介護の状態とは言えなくても、誰かの手助けを受けながら生活する期間と言われています。この手助けを家族などが無償でしてくれればいいのですが、無理であれば家計からの支出となるのです。

【関連】資産運用のプロが教える。老後の資産形成「こういう人が失敗する」

老後生活の生活費を心配しないためには

老後の生活には、年金以外に、下記などのお金を使える人がいます。

ほかにも、個々のさまざまな資金を加えることのできる人もいるでしょう。

老後生活で毎年の家計収支はどのように動くのか。支出・年金以外の貯蓄や個人的な資金をしっかりと把握し、少なくても平均寿命プラス5年先位まで、

表を作って、お金の流れを現役中に知っておく必要があります。

もし生活費が足りないのであれば、その対策も現役中にしておくことが必要です。もうおわかりかと思いますが、大切なことは老後の準備は現役中にしておくことです。

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【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2018年2月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

[touroku]

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