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【3月米雇用統計】今夜から始まるトレンド転換。短期戦略は「押し目買い」で=ゆきママ

ドル円は先週の大陽線から、トレンドチェンジといった声も強まり始め、徐々に流れが変わってきたように感じます。今週の雇用統計は、久々の107円台で迎えることになり、上方向へ動き出すのか、それとも再びレンジ相場となるのかのターニングポイントとなりそうですから、しっかり見ておきましょう。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

結果よりも市場の受け止め方。今夜に限っては「ロング」が有効か

強気相場継続ならトレンド転換の可能性大

今週は米中貿易戦争問題がクローズアップされ、4日に中国から新たな対米報復関税案が発表されると円高に振れて安値をつけました。しかしながら、これを受けてトランプ政権が態度を軟化させると、急激に反発し、久々に株高・金利高・ドル高のトリプル高となりました。

そもそもとして、米中貿易戦争というのは、あくまでもプロレスというか、中間選挙へ向けたトランプ流の有権者に対するポーズでしかないわけですが、貿易戦争を理由にして下げ続けていた相場が、急に楽観論が広がって同じ貿易戦争ネタで上昇し始めたという点は、注目すべきだと思います。

どちらかというと、これまでは売る(下げる)理由を探してきた感のあるドル円相場ですが、強気強気で相場が、この問題を意に介さなくなりつつあり、いよいよトレンドが変化し始めた兆しであると考えられるのかもしれません。

というわけで、今日は極端な数字が出ればともかくとして、内容云々よりも、雇用統計を市場がどう受け止めるのかを確認したいところでしょう。

平均時給が弱いよりは強い方がトレンドを確認しやすそう

もはや雇用者数は、さほど判断材料になっていませんから、引き続き平均時給(賃金上昇率)に注目が集まることになります。

ただし、今回はは後付けの理由として結果が利用されるだけで、事前予想値を下回っても上回っても、市場の受け止め方次第なので、あまり関係ないのかなという気はします。

それでも、弱めの数字が出るよりは強めの数字が出たときに、トレンドの変化が確認しやすそうです。

少し振り返ると、2月2日に発表された1月分の雇用統計では、前年比+2.9%となり、賃金インフレから利上げペースの加速が意識されて米長期金利(10年債利回り)が急騰し、この金利の上昇を嫌気して株価が大きく下落したことから、ドル円も大崩れとなりました。

この金利高は、これまでは株安を招いてドル円を押し下げる材料とされてきましたが、かといって金利が下がって株価が上がっても、ドル円はジリジリ下落していましたから、単に下げるための後付け的な理由だったと言えるでしょう。

したがって、市場が金利高をネガティブに捉えなくなるようであれば、教科書的な値動きとしての金利高=日米金利差拡大=ドル高が復活してくるわけで、これまでの下落一辺倒の状況が変化が確認しやすいと思われます。

逆に予想を下回った場合は、金利の低下を好感する形で株価が上がり、ドル買いというよりは円売りが寄与しそうで、これまでの状況が変化したかどうかという点では、やや見極めにくくなりそうです。このパターンの場合は少し注意が必要でしょう。

Next: 先行指標と注目ポイントは? 平均時給の見通しはやや強めか



先行指標の割には平均時給の見通しはやや強めか

今回も先行指標は堅調な数字が並んでおり、トレンドとしては良好さを保っていると言えるでしょう。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)

やや下がった数字もありますが、依然として強めの数字が続いていますから、特段にどうこうということはありません。

むしろ、さほど良好な数字でもないのにかかわらず、平均時給が前月比+0.3%・前年比+2.7%というのは、やや強気なのかなといった印象です。

したがって、平均時給が事前予想値を上回る可能性はやや低そうで、もし上回ってくるなら、サプライズと言えるでしょう。

そして、平均時給が上振れしてドル円が伸びるのであれば、いよいよトレンド転換ということになりそうです。

今夜に限ってはロングが有効か

トレンド転換か否かは、発表された数字と市場の反応を見極めなければならないため、何とも言えないのが本音です。

ただ、短期的には強気強気の相場になりつつありますから、今夜の雇用統計に限っていえば、押し目買いに賭けた方が良いのかなと考えています。

ドル円チャート(日足)

今朝、トランプ大統領が米通商代表部に対し、中国からの輸入品に対して、追加で1,000億ドル規模の追加関税を検討するように指示したと報道されましたが、ドル円は107円台を維持しています。

これまでなら喜んで売り材料として飛びついていたように思いますが、底堅さを見せていますから、これまでの状況と変わりつつあるのは事実でしょう。

Next: 想定レンジは1ドル=106.50~108.50円。狙いは押し目買いで



想定レンジは1ドル=106.50~108.50円

レジスタンスとなり続けてきた107円台後半を抜けて、108円台に定着するまではトレンドが変わったとまでは言い切れませんが、逆に107円を割り込まない限りは、早々に弱気に転じることもなさそうです。

なので、平均時給が下振れしてドル円が下がっても、107円台(107.00円)を維持している限りは押し目買いでエントリーし、相場がジワジワ戻していくの狙いたいですね。

また、平均時給が予想を上回ったパターンでも、ロングで入って上値ブレイクを期待したいところです。ただ、108円台へ乗せきれないのであれば、早々に手仕舞いして次の値動きを確認したいところでしょう。

先行指標の数字などを含めてトータルで考えると、今夜の雇用統計がトレンド転換の決定打となる可能性はそれほど高くはなさそうです。そのため、値動きとしては発表前の水準に戻ってくる全戻し前提でトレード戦略を組み立てていますが、今の強気相場と可能性は無視できませんので、短期戦略はロングとしています。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。今夜の雇用統計もお互い頑張っていきましょう!

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年4月6日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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