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今後20年は日本経済が上向く。「経済の千里眼」菅下清廣氏の未来予測が的中するワケ

「経済の千里眼」の異名を持つ菅下清廣さんが、2017年末に新創刊した有料メルマガ『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』。経済評論家であり、現役の投資家でもある彼はなぜ、2012~13年の日本経済の大底とその後のアベノミクス相場の到来を予測できたのか? その的中率の高さと独自理論の秘密を伺うべくロングインタビューを敢行。直近の株価展望と長期的な日本経済の行方、おすすめの投資対象まで、投資家にとっては必読の内容です。

※有料メルマガ『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:菅下清廣(すがした きよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、経済評論家、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と的中させてきた「富のスペシャリスト」として名を馳せている。「経済の千里眼」との異名も。著書に『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』ほか多数。

この株高は続いても2019年の年央まで。いま投資すべき対象は?

「経済の千里眼」と呼ばれるほどの的中率

――菅下さんといえば「経済の千里眼」という異名で有名ですが、どうしてそういう風に呼ばれるようになったのかを、ご説明していただけますか。

菅下:それはやはり、私が相場予測でことごとく的中をしてきたから。的中確率が高いからじゃないですか。

例えば、『2014年までにお金持ちになりなさい』(徳間書店)という本の初版は、2012年6月30日なのですが、「表紙の帯だけでも1400円以上の価値がある」と後に言われました。というのも、その帯には「2012年から13年の底値圏にお金もうけの大チャンスあり」と書いてある。つまり、2012~2013年が、日本経済と株価の大底だとハッキリ予測していたのです。

しかも、その帯には「今後は3つのステップでインフレの時代がやってくる」とも書いています。つまり、それまで20年続いてきたデフレが、2013年前半ぐらいまでに“終わりの始まり”を迎え、2013年の後半からは脱デフレ・インフレ期待の時代になる。そして2014~2015年頃からは、再びインフレマインドの時代がやってくる。そう予測しているのです。それで実際はどうだったか。私の予測よりも時期はちょっと遅れたのですが、2015年には日経平均が2万900円をつけるなど、ほとんど予測した通りの展開になりました。時期が少し後ろにズレたのは、2014年4月の消費税増税のためです。

『2014年までにお金持ちになりなさい』を出版した当時は、民主党政権下で日経平均が8000円台まで下がっていた頃です。誰もが日本経済に対して悲観的で「株で儲かるなんてあり得ない」という空気でしたから、そういう時期にこのような予測をして、それが的中したということで、ことさらにインパクトが大きく、全国の多くの投資家から支持を得たのです。

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世の中には経済評論家や株や経済のアナリスト・エコノミストの方々がたくさんおられますが、的中率が高い人は、実は少ないのです。なかには自分の書いた本を売るために、「1ドル50円の時代がやってくる」とか「日経平均4万円」といった、極端な見通しを語る者もいる。そして大ハズレになっている例が多いのです。私は、経済評論家だと言われることもあるのですが、自分自身では投資家だと思ってますから、自分で言ったことは実践している。現に先ほどの本を出した時期、2012年の春夏ぐらいには、もう「2013年からデフレの終わりが始まる」「株価が2013年から上昇する」「2012年、2013年は日本の経済と株価の大バーゲンセールだ」と、講演会などでずっと言ってたのです。つまり、デフレの真っ最中の2012年に、その後のアベノミクス相場の到来を予測したのは、私一人だけでした。

そういうわけで2013年も後半になると、各出版社から出稿の依頼が来るようになりました。2013年は、新刊本・ムック本などを合わせて10冊以上出すことになったのです。その中に、今後有望な銘柄をいくつか挙げたのですが、それらもことごとく値上がりしました。とくに2013年は、早くからガンホー・オンラインユーグレナを有望銘柄に挙げたのですが、その後、両銘柄とも爆騰しました。

私が「今後株価が上がる」と言った時期の日経平均は8000円台でしたが、その後すぐに1万6000円台と、約2倍になった。しかも私が推奨した銘柄は、前述のような、中小型成長株ですから、日経平均が倍になってる間に3倍とか4倍になりました。ということで、私の本を愛読して実践してくれた個人投資家の多くは、この時期に家の1軒ぐらいは建てられるほど儲かりました……そういったところが、私が「千里眼」と呼ばれるようになった背景・理由ではないでしょうか。

ちなみに今後のことに関しては、2017年に出した『2019年までに株でお金を持ちになりなさい』(徳間書店)にも書きましたが、今続いてるアベノミクス相場・金融相場は、2018年には業績相場へと移行していくのですが、この株高はどんなに続いても2019年の年央ぐらいまでだろうと予測しています。というのも、2019年10月には消費税のアップが予定されているので、安倍首相がそれを先送りしない限り、その前の段階で天井を打つだろうというのが、私の読みです。前回、2014年4月に消費税が上がった時の天井は、約7~8ヶ月前の2013年6月、8月の2番天井でしたからね。だから、今から、2019年の年央5~6月頃までが、今の相場で儲けられる最後のチャンスではないでしょうか。

どうやって予測しているのか?

――メルマガのタイトルにもありますが、菅下さんが語られる相場予測には、よく「波動」という言葉が出てきます。これは一体どういうものなんでしょうか。

菅下:株価の予測といえば、経済の様々な指標や「日本の景気はこれから良くなる」「悪くなる」といった、いわゆる経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)から、今後の展望を予測している人が多いですよね。もちろん私もそういう経済指標を参考にしていますが、それよりもさらに重要な決め手として考えているのが「波動」なのです。

ひとくちに「波動」といっても、いろいろな種類があるのですが、一番分かりやすいのが景気ですね。景気循環の波というのは、短期・中期・長期・超長期という4つの波があるのですが、そのなかでも短期・中期・長期の3つが株価と連動していると、私は思っているわけです。これは当たり前の話ではあります。景気が良くなれば、株価が上がるのですから。つまり、景気の波に連動する株価の波というものには、一定のサイクルがある。そのサイクルを活用して、私は相場を予測しているんです。

詳しく説明すると、株価というものは直線的に上がったり下がったりはせずに、波型で上がっていって、一度天井を打つと、今度は同じく波型で下がっていく。これが波動なんですが、そこには一定の周期がある。一体どんな周期かというと、実は景気の波と連動しているのです。通常だと株価の波は、景気の波よりも6か月ないし9か月は先行します。また早い場合だと、1年以上も先行することもあります。この株価の波のことを、私は「波動」または「相場の波動」と呼んでいます。

この「相場の波動」ですが、「価格の波動」と「時間の波動」という2種類が存在します。もっとも相場の世界では昔から、「価格の波動」に関しては「値ごろ」、「時間の波動」は「日柄」という言葉で呼ばれていました。私は、この「時間の波動」と「価格の波動」をすり合わせて予測してるわけですが、両方の波動のなかでは特に「時間の波動」、時間の読みがすごく重要だと考えています。

大きなサイクルで原点に戻る「価格の波動」とは?

――「価格の波動」と「時間の波動」の違いについて、詳しく教えていただけますか。

菅下:まずは「価格の波動」の話をしましょうか。例えば今の相場は2万3000円近辺で高値を付けて、もみ合っていますよね。これは1996年6月に付けた、2万2666円という高値に面合わせになるんです。つまり過去の高値や天井が壁になることが多いのです。最近の天井は、全部過去の高値近辺なのです。

たとえば、ここ最近の株高で見ても、まず最初の山は1万8000円。次の山は2万1000円。次の山は2万3000円という風に、順番に上がってきている。で、最初の1万8000円は、小泉政権時の郵政相場の高値。次の2万1000円は、2000年の小渕政権時の高値2万868円の壁。その次は1996年の戻り高値という風に、みんな過去の高値なんです。なので、安値も過去の安値に匹敵する。ちなみに過去の相場では、1989年12月末に3万8915円で天井を付けて、底は2009年3月10日の7054円。前回のバブル相場の出発点の1982年の安値が、大体7000円割れでしたから、これは相場の出発点に戻っただけなんです。

こういう風に、株価の値ごろというのは、過去の高値・安値・天井・谷を意識します。もちろん、これは100パーセントそうというわけじゃなく確率的に高いという話なんですが、そう考えると今回の相場はまだ1996年の高値を抜け切れていないのです……「価格の波動」に関しては、こんなところでしょうか。

景気循環の波と連動「時間の波動」とは?

いっぽうの「時間の波動」ですが、これはまさに景気循環の波と連動します。先ほども言った通り、景気の波には短期・中期・長期という3つの種類があるんですが、これはそれぞれ3年・7年・20年という周期ごとに山や谷がやってくるということなんです。そのうち短期の3年周期の波に関しては、江戸時代中期の米相場の時代からすでに「大回り3年、小回り3か月」という相場格言があったぐらいで、現代でも当てはまることが非常に多いんです。

次に中期の7年周期ですが、ざっくりと言えば7、8年から10年ごとに山や谷がやってくる。これはジュグラー循環とも言われて、設備投資のサイクルに起因している。そして長期の20年周期ですが、こちらはクズネッツ循環と言われていて、住宅、オフィスビルなど、色々な建物が建て直される周期で、伊勢神宮の20年ごとの遷宮にも一致してますね。私はこういった「時間の波動」も、相場予測で大いに参考にしています。

……まぁ「価格の波動」も「時間の波動」も、説明しだしたらキリがないんですが、相場初心者なら、まずこれだけ覚えておけば十分でしょう。

Next: 今後20年は景気が上向く? あらゆる未来の手がかりを掴んで予測する

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