初々しい新入社員が入ってくるこの時期、彼らを育てる立場の上司は苦労が絶えないことでしょう。そこで「最近の若者」の価値観や行動特性を考えたいと思います。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2018年4月2日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
やる気がない? 電話に出ない? 上司の工夫が彼らを一流に育てる
新入社員を戦力化しなくてはならない
いよいよ新年度。初めて管理職になる読者様もいらっしゃるのではないでしょうか。そして都内では初々しい新社会人が多数見られます。
新入社員を迎えた会社の管理職は、彼らを戦力化していかなければならないという立場です。価値観の違いや行動特性に驚かされる人も少なくないと思います。
そこで昨今の若者の傾向を知っておけば、無用なイライラを感じることが減ると思い、ご紹介します。
「今どきの若者」の精神・思考構造を知る
バブル世代、氷河期世代、平成ゆとり世代…。これは何も日本特有の話ではなく、アメリカでもジェネレーションXとかミレニアル世代とか、どこの国でも「今どきの若者は理解できない」と嘆くのが人間ということなのでしょう。特に家父長制が崩壊し個人主義が台頭している先進国では顕著です。
そして、多くのリーダーが最も苦労しているであろう部下はおそらく平成ゆとり世代と呼ばれる20代ではないでしょうか。しかし、会社の目的は利益を上げていくことですから、世代間の軋轢は何ら意味がないどころか、むしろマイナスです。
たとえば「言ったことしかやらない」と嘆く上司は大勢います。それも、学生時代は勉強の範囲や解法、果ては勉強の仕方まで学校や塾などで教わってきたためです。
起こりうる事象を想定して先手を打つとか、相手が言いたいことを想像して動くという経験をしなくてもよい環境で育ってきたから、「そのぐらいわかるだろう」は通じない。
それを「それくらい、いちいち言わなければならないのか!」とあきれたり憤っていてはストレスが溜まるだけです。
「言ったことしかやらない」というのは言い方を変えれば、「少なくとも言ったことはやる」ということなので、面倒でも詳細な指示を出すことです。
そうやって慣れてきたときに、「この仕事はもう大丈夫だ。あとはもっと効率よくできないか自分なりに工夫してみたらいいよ」と段階的に任せていくことで、自分で考える習慣ができてきます。
そうやって彼らの思考パターンや行動原理を知ることで、ある程度の対処法を見つけるきっかけになると考え、20代の典型的な価値観や行動パターン4つと考察してみました。
もちろん、これらがすべて当てはまるということではなく、当然ながら個人差はあるし、そうではない人もたくさんいます。あくまで傾向として、彼らを理解する材料のひとつとしてとらえていただければと思います。