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窓が3つ開いたら相場転換のサイン…買いたい人は買い切り、売りたい人は売り切った=清水洋介

日本古来のテクニカル分析「酒田五法」に見られるような法則は、どういう心理状態で形成されるのかを検証。今回は相場転換のサイン「三空」をご紹介します。(『資産運用のブティック街』清水洋介)

【前回】大相場の予兆の可能性も?底値圏で小さい陽線が3本並んだ「赤三平」は上昇サイン=清水洋介

筆者プロフィール:清水洋介
大和証券、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト「チャートの先生」としてテレビ・雑誌等に登場し、また、現役ディーラーとしても日々相場と対峙する。 講演を行う一方、2014年5月に株式スクールを開校するなど投資に関して幅広い分野で活躍。著書:ローソク足と酒田五法(パンローリング)など多数。

窓を開けての上昇や下落は、その勢いの強さを表すはずが?

酒田五法(その7):三空-3つもの窓を空ければそれは…

「空」とか「窓」とか言われるものは前日の高値から大きく上昇して始まる、あるいは前日の安値から大きく下押して始まり、その前日の高値や安値まで戻らないときのその株価の「隙間(英語では「ギャップ」といいます)」のことを言います。

このように前日の高値や安値から大きく放れて始まるようなときは、その方向に大きく動くことが多くなります。ただ、「窓」を空けたあとに比較的小さな(上下の値幅の少ない)陽線や陰線をつけたときは「気迷い線」となって「三川」となる可能性も出てきます。

今回検証する「三空」は、こうした「窓」を3日間(あるいはごく短期間の間に)連続して空けることを言います。一つの「窓」を空けて上昇するとその後も上昇することが多く、下落するとその後も下落が続くことが多いのですが、3日も連続して「窓」を空けると「いい加減、もういいだろう」と言うことになるのです。その時の相場に参加しているときの心境を考えて見ましょう。

以下の図1をご覧ください。

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図1.の上段はHOYA<7741>ですが、ずるずると下落した後に「切り込み線」で底入れとなり、突然小さな「窓」を空けて上昇、「気迷い線」となったのですが、その次の日も、またその次の日も「窓」をあけて上昇となったのです。

これで本格的な戻り相場となるかと思いきやその後は再び下落となってしまったのです。ここでは、「三空飛び上げには売り向かえ」と言うことでしっかりと「三空」目で売っていれば、戻り高値で売り抜けることができたということです。

最初に「窓」を空けたところでは「底値かもしれない」と言う程度でまだ、慌てて買うこともなかったのですが、2つ目になると「おそらく底値だろう」と買いが入り、3つ目になると慌てて買戻しも入るという状況になるのです。こうなると、買いたい人、買い戻さなければならない人がほとんど買いついた可能性も高く、今度は少しでも上がれば、あるいは少しでも上値が重くなれば売ってしまおう、と考える人達が多くなり、その後の下落につながる、と言うことなのです。

図1.の下段はトヨタ<7203>ですが、これもいったん底打ちとなるところでは「三空」となっています。これも、「そろそろ天井ではないか」と思っている人が多い中で悪材料が飛び出し、一気に下落、いったんは下げ止まったかに見えたのですが一日おいてまた大きく下落を始めたパターンです。この場合も「もういいだろう」と買っては見たものの「やっぱり駄目だ」と思って売る。あるいは、少し我慢していた向きが「もう駄目だ」と売ることで「窓」を空けて下落したということになるのです。

したがって、3回も「窓」を空けて下落となるとさすがに売りたい人はほとんど、売ってしまった、と言うことで、ちょっとした買戻しや押し目買いが入ると戻り相場となる、と言うことなのです。小型株などの場合、悪材料が出て何日も下げ続けることはありますが、主力銘柄の場合はこのように「三空」ともなると、いったんは上昇が終わる、あるいは下げ止まるということが多く、「三空飛び上げには売り向かい」「三空叩き込みには買い向かう」のが正解とされるのです。

以下の図2は上記の「三空」の「売り向かい」と「買い向かい」という2つのパターンを典型図として示したグラフです。

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(※ご注意:投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません)

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image by : rSnapshotPhotos / Shutterstock.com

資産運用のブティック街』(2019年12月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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