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なぜ安倍首相と昭恵夫人の行動は私たちをイライラさせるのか?=三宅雪子

安倍首相と昭恵夫人、両名に問題があるとしか言いようがありません。「首相案件」で騒がれている最中の会食相手選びや秘書官のヤジなど、話題が絶えません。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2018年4月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

批判を受け止められない安倍首相と、悪意のなさが問題の昭恵夫人

善意の怪物

安倍昭恵さんがモリカケで渦中の人になってから、1年余り。モリカケ以前は家庭内野党とご自身はアピールしていました。そのため、期待をされていた時期もあります。

その流れで、2016年参議院選挙後の三宅洋平さんとの接近や交流もあったわけです。選挙での敗北の後のこの出会いは、結果的に洋平さんのプラスにはならなかったように思います。利用されたという人もいますが、昭恵さんにそういう意図はなかったようには思えます。悪意でないから困ってしまうんですよね。そのため善意の怪物と言われるわけです。

あの件ではっきりしたのは、電話の取次ぎくらいはしてもらえるのかもしれませんが、安倍総理に決まったことを翻意させたり、政策の影響を与えることは難しいということですね。よく考えれば、それができてしまったら、逆に問題ではないかと思いませんか?

昭恵さんには数回ですがお目にかかったことがあります。お目にかかったというよりお見かけした程度でしょうか?

私が所属していたチャリティ団体の催しものの場です。背が高く明るく元気で社交的な方という印象です。私は最年少の役員、なぜか昭恵さんは一会員でした。そのチャリティ団体の仕事はかなりの激務で他との兼務は不可能でしたから、やってみたいことがたくさんある昭恵さんからしたらお断りだったのかもしれません。高村副総裁の奥様が会長でした。

昭恵さんの「軽さ」が問題を引き起こす

第一次安倍政権以降、昭恵さんが大人しくしていたかというとそうではありません。現在の片りんはすでにありました。

例えば、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世との面会(2008年)などですね。日中関係はデリケートな問題をはらんでいましたので、その行動が正しいかどうか別として、ハラハラした覚えはあります。日本がチベットの人権問題に関心を寄せているメッセ─ジになってよかったという声もありました。

昭恵さんは、安倍さんが最初の総理を退いたあと、大学に通ったり、色々な経験をして自分の意思をそれまでより前面に出すことが増えていったように感じます。特に大麻市民運動スピリチュアルという方向へ興味を持ったようでした。市民活動はともかく賛否が分かれる大麻はどうなんでしょう。昭恵さんと親しいとされていた2人がその所持などで逮捕されています。

有名な「アベ政治を許さない」の紙を掲げた方々と笑っての記念撮影は、政権に批判的な勢力にも寛大な人だと微笑ましく見るかどうか感想が分かれるところです。

非常に軽い、私はそういう感想を抱きました。一部は、その「軽さ」が引き起こしたともいえる今回の問題。本人はあくまでも「私かわいそう」のスタンスであり、講演で涙をこぼしたりの姿に「泣きたいのはこっちだよ」と言いたくなります。

Next: 驚きの会食相手…安倍さんはなぜ国民にケンカを売るような行動を取るのか



安倍首相の反骨精神

4月10日。「首相案件」が報じられ、国会も紛糾。日本中(自民党及び安倍さん支持者、ネトサポ除く)のひんしゅくを買っている最中に、安倍さんはまたまた国民にケンカを売るような行動をとりました。これはいつものことですが、「自分は負けないぞ」「批判なんか気にしていないぞ」そういう強がりのポーズなんですよね。わかりやすい方です。

総理!今夜もごちそう様!」という、総理の毎日の会食の様子を紹介してくれるツイッターのおもしろアカウントがあるのですが、そこでは新聞の「首相動静」より詳しく、お店の紹介付きでリポートしてくれます。

渡辺美樹様、和田政宗様…(ぽかーん)。

最近、委員会での不適切発言で議事録削除になった2人ではないですか? いくらなんでも─、いくらなんでもー(これ、流行語になりそうですね)。

もちろん、2人を慰労など必要はないわけですから、この会食の意図はなんだろうと思ってしまいますが、安倍さん独特の意地なのかな、とも思ってしまいます。反発を招くことをあえて、反発を招くタイミングでやるような性格ですね。

政治批判を許さない安倍首相

安倍さんには、この人の言うことなら絶対聞くという指南役がいるように思えません

経済界のお歴々を失望させても消費税増税や裁量労働制は延期しましたし、逆に放送法改正はテレビ局各社の猛反対を押し切ってもいつかは強行しそうです。そうそう、放送法改正は野田聖子総務大臣が「何も聞いていない」と委員会で答えていたのが印象的でした。おそらくそうなんだろうと思います。

批判を浴びた昨年2017年の「こんな人たち」ですが、最近になって「選挙妨害だった」という言葉が飛び出し、いささか驚きました。確かに街頭のヤジは厳しいものでしたが、全員をひとくくりにして「同じ組織・団体」だという決めつけ。「シールズ的な人たち」ということなんでしょうか。「言いすぎだった」とは思っていないということですね。

安保法制の時の「アベ政治を許さない」は、コピーもデザインも秀逸なものだったと思いますが、気になっていたことがありました。あのコピーで安倍さんは自分個人が攻撃されていると思いこんでしまったのではないでしょうか? 総理大臣は批判されるのも仕事だと言われます。批判されるのは個人ではなく立場だと捉えることが大事なんですね。

しかし、安倍さんは批判の類を一切受け付けません。批判はすべて誹謗中傷とされてしまいます。だからこそ、安倍政権批判は、つけ入る隙がないようにすべきなんですが、最近はやや暴走しがちです。同じ土俵に乗らないように説得していますが、今のところ焼石に水です。引き続き自分なりに頑張ろうと思います。

Next: 前代未聞! 総理秘書官が質問中の国会議員にヤジ



あってはならないヤジ

総理秘書官が質問中の国会議員にヤジという、あってはならぬ、前代未聞のことが起きたのは4月11日の予算委員会。玉木雄一?議員(希望の党代表)の質疑の最中です。

総理席から2席後ろの秘書官が自席から玉木議員に向かってヤジを飛ばしたんですね。当然、予算委員会は紛糾。河村建夫委員長が速記を止めなかったのでまた紛糾です。河村委員長はとにかく何が起きてもめったの速記を止めません。いくら自民党の委員長だといっても、公平中立が建前の委員長の職務です。

玉木議員のツイッターによるとS氏(経産省出身の事務の秘書官)が、総理の後ろの席から玉木議員に向かってヤジを飛ばしたということで、その場面は審議中継で確認はできないものの、その後本人が特定され、「総理に向かって言った」という苦しい言い訳。総理に官僚や秘書官が助け船を出すときは、耳元で囁くか、メモを差し込む形でしょう。自席から総理に声をかけることなどあり得ません。本来は退場となってもいいような愚行でした。総理がマナーが悪いと周囲も悪くなるという典型的な例です。

崩壊した学級委員会のような国会

総理の自分はヤジられるのが大嫌い、でも、自分はヤジを飛ばすというダブルスタンダードはよく知られています。

そういえば、有名になった昨年の都議会議員選挙(秋葉原街頭線説)での指をさしての「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」発言ですが、私はすっかりてっきり反省されているのかと思ったのですが、甘かったです。

なんとこれも予算委員会で「選挙妨害(だった)」と言い出す始末です。組織や団体の動員はあったと聞いていませんが、安倍さんは個人があんなに集まるわけがないという思い込みから、そういうことを頻繁に言います。

選挙妨害も何も、先の衆議院選挙での「おにぎり配布」が公職選挙法違反容疑で現在地元市議が聴取を受けており、その場にいた安倍総理の責任が問われているこのタイミングで「よく言うわ」です。

今回のヤジ秘書官については、野党は責任追及の構え。結果、秘書官更迭となるのかどうかわかりませんが、少なくても予算委員会の出席は難しいでしょうね。顔は全国に拡散されてしまいました(汗)。崩壊した学級委員会のような国会ですが、これを立て直せるのは、安倍総理、1人なのです。

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三宅雪子の「こわいものしらず」』(2018年4月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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