情報の少ない新興国株と言えば“ハイリスク・ハイリターン”というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。『バフェットの眼(無料版)』を配信する八木翼さんは、もちろんリスクはあると認識しながらも、新興国であるフィリピンについて生産年齢人口の視点から詳しい分析を寄せています。
新興国の市場を投資先として分析する【フィリピン編】
さてさて、これまで新興市場についてはメルマガで取り上げてきませんでした。というのも、新興市場って安定してないんですよね。
ドルが金利を引き上げたら資金流出だーって言って、株安になっちゃったりしますから。政治的な問題もありますし。。。
というわけで、あくまでリスクがあることを承知で今日はフィリピンの会社についても調べていきたいと思います。
毎日5分!経済英語NEWS!では、散々述べているんですが、生産年齢人口というのが経済が発展するかどうかの大きな要素となってきます。
で、生産年齢人口というのが、だいたい20歳~65歳の人口のことなのですが、これって、20年後はだいたい予測できてしまいます。20年後、20歳になる人は、すでに生まれていますので。
というわけで、こちらがその予測表です。
【生産年齢人口の比較:15~64歳】
1990年 | 2000年 | 2010年 | 2025年 | 2050年 | |
日本 | 8585万人 | 8636万人 | 8157万人 | 7165万人 | 5179万人 |
米国 | 1.68億人 | 1.90億人 | 2.12億人 | 2.27億人 | 2.47億人 |
ドイツ | 5477万人 | 5585万人 | 5430万人 | 4954万人 | 3870万人 |
中国 | 7.55億人 | 8.55億人 | 9.24億人 | 9.96億人 | 8.70億人 |
シンガポール | 220万人 | 285万人 | 359万人 | 346万人 | 293万人 |
タイ | 3704万人 | 4271万人 | 4825万人 | 4920万人 | 4582万人 |
インドネシア | 1.07億人 | 1.33億人 | 1.56億人 | 1.83億人 | 1.84億人 |
インド | 5.02億人 | 6.32億人 | 7.80億人 | 9.72億人 | 1.09億人 |
フィリピン | 3500万人 | 4563万人 | 5826万人 | 7648万人 | 9683万人 |
今日はどんな会社なのかを調べたいと思います。
で、こちらが、2010年から2050年にかけての、伸び率を示した表です。
2010年 | 2050年 | % | |
日本 | 8157 | 5179 | -36.5 |
米国 | 2.12 | 2.47 | 16.5 |
ドイツ | 5430 | 3870 | -28.7 |
中国 | 9.24 | 8.7 | -5.8 |
シンガポール | 359 | 293 | -18.4 |
タイ | 4825 | 4582 | -5.0 |
インドネシア | 1.56 | 1.84 | 17.9 |
インド | 7.8 | 10.09 | 29.4 |
フィリピン | 5826 | 9683 | 66.2 |
フィリピンの恐ろしさをご覧いただけるでしょうか?
単純に倍以上に増加します。
Next: 人口増加のメリットを受ける会社とは?
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会社の価値を見るので、基本的には、一度分析したら買いっぱなし。
筆者のこれまでの運用成績も見ることができます。
さて、それでは、人口増加のメリットを受けることができる株とはどのような会社があるのでしょうか?
まずは食品会社。
当然、人口が増えれば食べる量も増えますので、儲けを出すことができるでしょう。
注目しているのは、Jolli Beeです。
マクドナルドを抑え、フィリピンシェアNo.1のファーストフード店です。
こちらに写真なども乗っています。
米が主食ですので、米を出しています。地元からの人気も高そうですし、これは期待できそうです。人口増加のメリットをしっかり享受できる会社ではないでしょうか?
さて、もう一つ候補に挙げたいのが、電力会社ですね。フィリピンで主力となっている電力会社は、
最大手配電会社メラルコになります。電気料金はアジアで最も高いらしく、結構なぼったくり状態ですw
そのため盗電などもかなりの数あるようです。
ちなみに発電方法は、こちらです。
2013年
石油ベース | 3,353 (19%) |
水力 | 3,521 (20%) |
地熱 | 1,868 (11%) |
石炭 | 5,568 (32%) |
太陽/バイオス/風力 | 153 (1%) |
天然ガス | 2,862 (17%) |
合計 | 17,325 (100%) |
引用) Philippine Department of Energy
原子力発電所は、作りはしたもののチェルノブイリの事故や政情が不安定になったこともあり、一度も動かしていないらしいです。
それにしても地熱の割合が高いですね。ここら辺は日本も見習うべきでしょう。
『バフェットの眼(無料版)』2015/7/21号より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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