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バンコクで現地採用?デイトレ?日本を飛び出した3人の「収入・家賃・休日の過ごし方」インタビュー

アジアの超ローカル景気やおカネ事情を現地在住ウォッチャーがレポート。今回はタイ・バンコクで現地採用として働く20代の若者と30代のデイトレーダーの方に、日々の暮らしぶりを聞いてみました。一口に在タイ日本人と言っても、キッカケやライフスタイルはいろいろ!(取材・文 / あいさ)

【 取材時の為替レート: 1タイバーツ = 約3.5円 】

バンコクで暮らす日本人が急増中!そのキッカケとは?

皆さん、サワッディーカー!路地ウラウォッチャー・タイ担当の「あいさ」です。

突然ですが、タイの首都・バンコクは、日本人にとって最も住み心地のいい場所のひとつ!

外務省の海外在留邦人数調査統計によれば、2014年10月現在、タイで暮らす日本人は64,285人、うちバンコク在住者は46,367人だそうです。

これは日本国大使館や総領事館への「在留届」を集計した調査のため、実数を正確に把握するのは難しいのですが、それでも、2004年の32,442人から2014年の64,285人へと、ここ10年で約2倍に増加しています(ちなみにジェトロによると、バンコクの人口は約825万人)。

日本人がタイに住むキッカケや理由は人それぞれですが、私の経験上、おおまかには、だいたい以下の3パターンに分かれることが多いようです。ワタクシ自身は(1)のパターンでした。

  1. とにかく海外に興味があって住みやすそうなタイに来た。仕事は現地採用!
  2. 日本企業の駐在員として、会社の辞令でタイにやってきた!
  3. 引退後のリタイヤ先・ロングステイ先としてタイを選んだ!

そしてキッカケはどうあれ、現地で生活していくには、先立つモノ=お金が必要!リタイヤ生活以外では、何かしら仕事をしなければ生きていけないんですよね(当たり前のことですけど)。

そこで今回は、やる気になればいつでもチャレンジ(だけは?)できる、「バンコクの現地採用」で働く2人の若者に、そのキッカケやお仕事の内容、お給料や休日の過ごし方をインタビュー。

それからMONEY VOICEらしく(?)、タイで暮らしながら株やFXの取引をしている「デイトレーダー」の方にも、毎日の生活や「バンコクでトレードをするコツ」を聞いてみました。

バンコクには、現地採用で熱心に働くまじめな若者が大勢います。が、それと同じくらい、ふだん何をやっているのか分からない不思議な人もいるんです(笑)将来タイ暮らしを考えている方はもちろん、そうでない方にも、在タイ日本人それぞれの暮らしぶりを、どどーんとご紹介したいと思います!

Next: Webデザイナーアシスタント みきさん(27歳)の生活


路地ウラウォッチャー – あいさ

27歳、沖縄県出身。タイ・バンコク在住6年目。語学学校通いや現地就職などを経てタイ人の夫と結婚し定住を決意。2014年に生まれた息子の育児に奮闘しつつも持ち前の好奇心とタイ語を駆使し、まだ行ったことのない場所に突撃しては驚かされる毎日。

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Webデザイナーアシスタント みきさん(27歳)の生活

こちらは広島出身のみきさん(27歳)。タイ在住歴は1年ちょっと、現在はWeb関連企業のWebデザイナーアシスタントとして働いています。

お仕事がある日のスケジュール

4:00 起床
5:00 お掃除
7:00 家を出る(電車で通勤)
7:30 会社到着、お仕事開始(勤務時間は8:00~17:00)
18:00 帰宅(※自由時間は、料理を作ったり、図書館で本を読んだり、マッサージへ行ったり)
0:00 就寝

タイ在住歴こそ短いのですが、みきさんとタイとの付き合いはもう少し長く、そもそもは大学を2012年に卒業後、日本での就職を選ばずに、バンコクの日本語コールセンター会社のインターン制度を利用して働き始めたのがきっかけ。

みきさんはそこでコールセンター業務をこなしながら「タイマッサージ」の資格を取得、2013年には出身地の広島に戻ってマッサージ店で働き始めたそうです。

しかし次第にタイに戻りたい気持ちが高まり、ふたたびバンコクへ。Webデザイナーアシスタント職に応募し働き始めました。


――みきさんはものすごく早起きなんですね。どうして?

特に何の理由もないのですが…生まれつきの朝型人間で、4時くらいには目が覚めてしまうんです(笑)おかげで朝は余裕たっぷり。部屋の掃除をきっちり済ませると1日気持ちよく過ごせますよ。

――現在お勤めの会社はどんなところですか?

Web関連の会社で、日本人は私を含めて5人。デザイナーをサポートするアシスタント職はいまのところ私だけです。タイ人スタッフは25名前後。ただ、正確な人数は分からないんですよ。

――タイ人スタッフの人数が分からない、というと?

実はオフィス内がパーティションで区切られていて、私自身は、業務で彼らと関わることがほとんどないんです。だから分からない。職場でよくお世話になるタイ人というと、お掃除のおばさんくらいかな(笑)

――そうすると、お仕事も日本語オンリーで?

はい。いまの業務は日本人デザイナーの補助や事務、雑務全般。仕事でタイ語や英語を話すことはほとんどないんですよ。採用時も、基本的なPC操作ができることが条件でした。未経験から少しずつ勉強できるので有り難いです。

――下世話な話になりますが、その業務内容だとお給料が安いのでは?実際のところどうでしょう?

いまのお給料は約5万バーツ(17.5万円)。最初に働いたコールセンターよりもだいぶ良いんですよ。いまはオンヌットに住んでいるんですが、その家賃も会社が負担してくれますし。

――家賃が浮くのは大きいですね!福利厚生は他にも?

はい、いまの会社では年に1回、日本への一時帰国費用を会社が支給してくれる制度があり助かっています。やっぱり、たまには日本にも帰りたくなりますよね。家族や友だちにも会いたいし(笑)


一般的に、月5万バーツは「きちんとしたタイの日本企業」が現地採用の日本人社員に支払う給与として、ひとつの目安となるラインかと思います。

みきさんの場合は、それに加えて家賃補助がつくので、かなり良い条件だと思います。タイに住み慣れてお金の使い方にメリハリをつけられるようになると、バンコクではそれなりにリッチな暮らしができる額です。

みきさんが住むオンヌット駅周辺は、最近では日本人が増え、ショッピングモールも増加し、かなり住み易くなりました。

また、タイにいるにも関わらず、タイ人と直接関わらない仕事が比較的多いのもタイの特徴かも。生活面も含めてタイ語ができるにこしたことはありませんが、仕事は日本語が中心という方もけっこういらっしゃいます(もちろん、そうではない職種もたくさんあります)。

みきさんの業務は、基本的には残業はなし!そこで仕事帰りには近くの日本語図書館へ行ったり、自宅で料理をしたりしてのんびり過ごすそう。また、ご自身でも資格を持つタイマッサージは受けるのも施術するのも大好きだそうで、よく行くとのこと。

そんな「ゆるふわ」なみきさんですが、休日の過ごし方は意外にもサッカー観戦!先週も応援しているチーム「ナコーンラーチャシーマーFC(SWAT CAT)」の試合を観戦しに行ったばかり。

こちらは、このチームの日本人コーチとの記念写真です!

ところで、みきさんが最初にバンコクで働き始めた日本語コールセンターの「インターン制度」とは?これは、期限付きで会社が用意した物件に住み込み、コールセンターで働くかわりに、会社の費用負担で語学学校やマッサージ学校に通えるという仕組み。就業時間が短いかわりに、お給料はほとんどでません(ギリギリ、なんとか生活はできるかな程度)。

そりゃそうですよね、甘い話はありません。ただ、このような日本語コールセンターが、「海外で働く=難しい」のイメージを払拭してくれるのも事実。年齢制限さえクリアしていれば多くの人に門戸が開かれています。みきさんのようにステップアップできるなら、タイで働く最初のステップとして悪くない選択肢かもしれません。

Next: 機械商社営業マン ユウスケさん(27歳)の生活


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機械商社営業マン ユウスケさん(27歳)の生活

お仕事がある日のスケジュール

7:30 起床
8:00 家を出る(クルマで通勤)
8:30 会社到着、お仕事開始
13:00~14:30(時間はまちまちですが、お昼休みはたっぷり1時間半)
19:00 帰宅(※自由時間は、趣味のムエタイジムに通ったり、日本食を食べに行ったり)

こちらはユウスケさん(27歳)、タイ在住歴は1年半ほど。現在は機械商社の営業マンとして働いています。

ユウスケさんはもともと、とある日本商社の駐在員として訪タイ。その会社を退職後に、半年前からバンコク都内の会社で現地採用として働き始めました。営業一筋の男前!といった雰囲気。実はさきほどのみきさんのお友だちでもあります。


いまお勤めになっているのはどんな会社ですか?

タイ国内の工場に各種機械を販売する専門商社です。日本人は2人、タイ人は8人ですね。

ユウスケさんはそこでどんな業務を?

僕は前職もそうですが営業ですね。たとえば今は、これまで手動で作っていた物を機械で作らないか、といった提案をさまざまな企業に対して行っています。また、日本人が2人しかいませんので、タイ人スタッフのマネージメントも重要な仕事です。

タイ人スタッフとの意思疎通はどのように?

僕は英語ができるので、基本的にタイ人スタッフとは英語で会話をします。ただ、頑張ってタイ語も使うようにしています。そのほうが真剣に話を聞いてもらえる場合もありますから。それでも伝わらない場合は通訳に頼むこともありますね。

いまのお仕事のやりがいはどんなところでしょう?

前職も今も、営業マンとしてはやはり、取引先から信頼され、頼りにされることにやりがいを感じますね。最初はつれなくても、あきらめず相手のニーズに応えることで、少しずつではありますが心を開いてもらえますし、さまざまな相談をしてもらえるようになります。

もう1人の日本人がユウスケさんの上司でしょうか?

はい。有り難いことに上司との相性はとてもよく、いまの会社に入って間もない自分にもいろいろ意見を求めてくれたり、さまざまな業務を任せてくれます。小規模の会社ですが、仕事内容にはとても満足しています。転職して良かったですね。

気になる現在のお給料はどれくらいでしょう?

自分の場合、月によって多少変動するのですが、おおむね月6~7万バーツ(約21~25万円)くらいですね。あとは、家賃の会社負担制度などがあります。

仕事をする上での苦労や悩みはありますか?

いろいろありますが、日本で働くのと大きな違いは、やはりタイ人スタッフのマメージメントですね。

具体的には?

現地採用で、なおかつタイ人と関わっている日本人は皆が悩む壁だと思うのですが、日本人同士の感覚で指示や伝達をしても、なかなか動いてはもらえません。業務の正確性にも欠ける面があるんです。

「タイ人が働いてくれない!」「もっとしっかり仕事をしてほしい!」といった悩みはよく聞きますね。ユウスケさんなりの工夫はありますか?

まず、タイ人スタッフの一般的な性格として、仕事よりも生活が中心。また性格が大らかなのは良いのですが、逆に言うと業務面で失敗があったときなど、それを反省し次に生かす姿勢には足りない面があると感じます。あくまで日本人から見ると、なのですが…。

そのため僕の場合、タイ人スタッフには、やってほしいことを1から10まで簡潔に伝えることを意識しています。業務を箇条書きにして紙に書いて渡すのは、後々「言った言わない」を発生させないためにも有効です。

また、日本では部下の上司に対するホウレンソウ(報告連絡相談)の重要性がよく言われますが、僕は、むしろ自分のほうから何でもタイ人スタッフに確認しに行くようにしていますね。


ユウスケさんは、二十代の現地採用社員としては、かなりの高級取りですね。また、上司との信頼関係があり、大きな仕事を自分の裁量に任せてもらえる自由度の高さも魅力のようです。

そんなユウスケさんの悩みは、タイ人スタッフとの人間関係。これは日本人現地採用に共通の悩みのようです。タイ人スタッフが就業時間中にフェイスブックやLINEでサボる(しかもめちゃくちゃ長い…笑)なんてのは序の口です。

基本的にタイ人は真面目な性格なのですが、日本人とはその真面目の基準が違うんですね。まさに文化の違いです。

ワタクシも以前、「タイ人って仕事が嫌いだよね。仕事しないよね。どうして?」とタイ人の旦那に思わず愚痴ってしまったことがあります。その時は、「きのう彼氏と別れて心が折れてしまったので、今日は仕事ができません。帰ります…」というタイ人スタッフがいたんです。日本人なら、せめて仮病を使うところですよね(笑)

このような場合に、気の短い日本人なら「そんなの知らないよ!」と怒ってしまうかもしれませんが、中には、日本の本社から求められるクオリティと現地における現実の板挟みになり、鬱病になってしまう人もいるんです。そうなってしまっては大変。

だからこそ、ユウスケさんのように日本人とタイ人の気質や文化の違いを理解した上で、コミュニケーションの手順をきちんと考える必要があるのだと思います。

さて、そんなユウスケさんの会社ですが、上司の方いわく「在タイ日系企業の中で1番ユルい会社」だそうで、お昼休みはなんと1時間半!

前ページのみきさんの会社もそうでしたが、総じて勤務時間は長くなく効率重視、労働環境は日本と比べても悪くないようです(もちろん、お給料も日本の基準とは異なりますが)。

ユウスケさんの趣味はムエタイで、週に5回ジムに通うこともあるのだとか。私の経験でも、在タイ日本人が口を揃えて言うのが「就労時間には満足している」という点で、きちんとした会社を選べるなら、ワークライフバランスを重視する方にはバンコク勤務は魅力的だと思います。

ユウスケさんが住むラマ9世駅近辺は、交通の便が良く、タイでも有数の家電量販店や大人気のショッピングモールがたくさんあります。このような人気エリアに会社負担で住めるのも有り難いとのことでした。

Next: デイトレーダー Oさん(38歳)の生活


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デイトレーダー Oさん(38歳)の生活

お仕事がある日のスケジュール

6:30 起床。徒歩1分の屋台で朝食を調達して部屋に戻る
7:00 東京株式市場前場取引開始
9:30 前引け。まだ涼しいうちに徒歩1分のセブンイレブンで昼食とおやつを調達して部屋に戻る
10:30 後場取引開始
13:00 大引け。収支をつけたら、外は暑いので本を読んだりゲームしたり昼寝する
14:30 夜間取引開始。トレードはせず語学学校に行く日も
21:00 徒歩5分のローカルレストランでタイ料理とビール。タブレットで本を読んだり店員さんと喋ったりしてダラダラ過ごす。相場が急変したら部屋に戻ることも
1:00 夜間取引終了。NYの値動きを簡単にチェックして就寝

最後にご紹介するのは奈良県出身のデイトレーダー・Oさん(38歳)。在タイ歴は約5年で、以前は日本でシステム関係のお仕事をしていたそうです。ワタクシとはひょんなことからのお知り合い。現地採用で働く人とはまったく違った生活スタイルをご紹介したいと思います。


Oさん、おひさです、あいさです。実はいま…(省略)…で、ちょっとお話を聞きたいんですけど

写真とか嫌だから匿名希望で、LINEでならいいよ。

さっそくですが、なぜタイに?

バンコクに来たのは5年前。そのときは円高で、タイ暮らしのコスパがものすごく魅力的だったのがひとつ。もうひとつは、前職をやめてそのまま日本にいると、翌年の国保や住民税の支払いが高くなるでしょ。

転職せずにいたら、そうなりますね

そう。で、年末に住民票を抜いてタイに行けば、浮いたお金で1年くらいは余裕で暮らせることが分かった。最初の理由はそんな感じだね。

いまはデイトレーダーなんですよね?

うーん、まあそうだけど、要するに無職だよ。もう中間管理職をやりたくないんだ(笑)あと、別にデイトレばかりやるわけじゃない。スイングもやる。まあ、わかりやすいからデイトレーダーでいいけどw

どんなものに投資しているんですか?

短期では日経平均先物とドル円だね。あとは日本株ももちろん売買する。ほんの少しだけど、タイ株も持ってるよ、ティプコとか。タイのスーパーとかにティプコのジュース並んでるでしょ、あのティプコね。

日本で取引するのと、こちらで取引するので、何か違いはあるんですか?

いまはインターネット取引だから、基本的には何の違いもない。ただ、2時間の時差があるから、東京市場の取引開始が朝7時からになる。それがちょっと大変。もう慣れたけど。逆に大引けが13時なので時間を有効活用できるし。ただ、この時間帯は外が暑いから、結局部屋にいることが多いけどね…。

設備やインフラ面はどうですか?

それで言うと、おれが住んでいるスティサン界隈は、日本に比べて停電が多い。といっても数ヶ月~半年に1回だけど、けっこう長時間、ソイ一帯が停電するw ポジション持ち越してるときに朝イチで停電されるとピンチになるから、そういうときはスマホもって別の場所に移動することがある。すげー面倒くさい

株やFXの注文ができなくなると困るということですね

そうそう。瞬間停電も多いでしょ?だからデスクトップPCはダメ。ノートPCじゃないと。モニタなんかはタイで売ってるやつで問題ない。スキャルピングするわけじゃないので、距離による約定負けみたいなのは特に感じたことがない。

いまのアパートの無線LANは、調子のいいときは2~3Mbps出て快適なんだけど、たまに繋がらなくなるから、予備のモバイル回線を用意してる。何社かSIMを用意して、モバイルルータに差して備えてるよ。

おおむね、日本との違いはないと

多少の工夫は必要だけど、そういうこと。ニュースはネットで見られるし、ラジオもネット経由で、プロキシ挟んだり、日本の自宅サーバ経由で問題ない。本はキンドルとかの電子書籍でけっこうカバーできるし。大規模な図書館がないとか、紀伊國屋書店でリアル書籍を買うのが高くつくくらい。

日本の部屋も維持しているんですね

法的に曖昧な部分があるみたいなんだけど、日本の銀行口座や証券口座を維持するには、定期的に届く郵便物を受け取るための住所が必要なんだ。それに、日本でサーバ動かしておけば何かと便利だから。テレビ番組を日本で録画して、それをエンコードした後にネット経由で持ってきたりね。

ものすごく長時間、取引してるんですね。ほとんど部屋からは出ない?

平日は、あまり部屋からは出ない。遠出もしない。ただ、長時間取引しているわけでもない。市場に動きがないときは相場の研究をしたり、マンガを読んだり、昼寝したり、のんびりしていることも多いし、用事や買い物があれば出かけることもあるよ。値動きだけならスマホでチェックできるから。

Oさんの生活っていろいろ謎なんですが、どれくらい儲かるものなんですか?

月間でマイナスの月もあれば、何百万円も儲かる月もある。相場ってそういうもんだよ。ただ、日本に比べてプレッシャーは少ない。

と言うと?

すでに何億円も資産がある人ならちまちまトレードなんてする必要はないでしょ?でも、おれはそこまでは行けてないからトレードする。そうなると、きっちり利益を上げなければ生活できないわけ。でも、定収入のない個人投資家にとって、毎月これだけは稼がなきゃ!というプレッシャーはかなりきついし、投資パフォーマンス的にも逆効果になる。

その点、バンコクなら生活コストがたいしてかからないから、もう今月は5万円だけ稼げばいいや、休もう、といった判断が冷静にできる。5万とか10万なら、いまの元出でほぼ確実に稼ぐことができる。アベノミクスの上昇相場前からやっていることだから自信もあるし。

ふだんあまりお金を使わない?

うん、使わない。お金のかかる趣味がないし、博打はトレードだけで十分だし、女遊びにも興味がない。タイで女の話ばっかりしてる人って何考えてるんだろう、不思議。おれは本当はただもう、ビールでも飲みながら静かに読書でもしていたいw

仙人スタイルですか(笑)いまの楽しみや悩みは?

楽しみは、まあ、日々つらくないことが楽しみという感じ。あと、空いた時間でタイ語を勉強したりして、近所の人たちとコミュニケーションするのもけっこう楽しい。これは仕事じゃないからね。タイで働いてる友だちからは、タイ人との人間関係が大変だってよく聞く。

トレードは、どこにいたってどうせ部屋の中で没頭するものだから、ドアを開けたらすぐ異国という環境は刺激があって悪くない。ちょっとした散歩も楽しいよ。

悩みは、そうだなあ…個人的に超インドア派なんだけど、ずっと部屋に籠もっている日本人って、周囲のタイ人から見てものすごく奇妙な存在らしい。だから、ネット経由でシステム関連の仕事をしてるんだよって説明はしてるんだけど、休みの日はムリにでも外出するようにしてる(笑)日本以上に、周囲の住人から「あいつは何者なんだ」と監視されている気はする。あとはビザがめんどいくらいかな。

投資をしているということは、周囲に言わないんですか?

言わない。基本的に、日本人にもタイ人にも、それは言わない。投資家同士のコミュニティみたいなのも行かない。だって、わざわざタイに来る自称投資家なんて怪しくて信用できない(笑)いちばんコワイのはタイ人じゃなくて日本人だと思う。まあ自分も同類なんだけど、そういうのは一切、信用しないことにしてる。

では最後に、今後の生活の展望を

とくにないけど、これ以上円安が進むようなら、日本に戻るかもしれない。それでも、タイ自体は気に入っているから、またリタイヤメントビザが取れる年齢になったら戻ってくるかも。まあ将来は分からないなあ。


ワタクシは投資未経験のため、Oさんの解説をきちんと理解はできませんでした。マネーボイスをご覧の皆さんはいかがでしょうか?

Next: タイで暮らし、働くなら、その長所・短所をリサーチしておこう!


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タイで暮らし、働くなら、その長所・短所をリサーチしておこう!

三者三様の暮らしぶりをご紹介した今回、いかがでしたでしょうか。

タイは日本人にとって住みやすく、労働環境も日本と比べて良い面が比較的多いと思います。ですがその反面、タイ人との社内コミュニケーションや仕事のクオリティ維持で悩むのもまた事実。

さらに、タイに長く住んでいる日本人の中には「タイだから」という理由で仕事の質を高めようとせず、自らもタイの生活に甘えている日本人がいます。そういう日本人を「タイ人化した日本人」と呼ぶ方もいます。(Oさんのことではありませんよ、念のため・笑 Oさんは結構まじめな方)

この「タイ人化」という呼び方は決して適切ではないと思いますが、タイ人の「心地良く、穏やかに生きていこう」という良い面を悪用する日本人を「タイ人化した日本人」と揶揄しているのでしょう。

これから日本を飛び出してタイで働こうという方は、ぜひ事前にその長所、短所をリサーチしてくださいね。っと真面目に語るあいさ(笑)ではまた次回!

路地ウラウォッチャー – あいさ

27歳、沖縄県出身。タイ・バンコク在住6年目。語学学校通いや現地就職などを経てタイ人の夫と結婚し定住を決意。2014年に生まれた息子の育児に奮闘しつつも持ち前の好奇心とタイ語を駆使し、まだ行ったことのない場所に突撃しては驚かされる毎日。

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