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低リスクで安心かと思ったら…実は、タイミングが重要だったバランス型投資信託のワナ=川畑明美

バランス型の投資信託といえば、低リスクで安心なイメージがありませんか?初心者の頃に自身で運用した経験から、オススメできないと感じた理由をご紹介します。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

バランス型の投資信託を運用した結果、起きたこと

資産を分散すればそれでいいのか?

私はバランス型の投資信託をあまりオススメしません。なぜなら私自身が初心者の頃に、バランス型の投資信託を運用した経験からオススメでないと判断したからです。
※バランス型とは、株式と債券など複数の資産を含む投資信託のことです。

私が投資を積極的にはじめたのが次女を出産した時の育児休暇中でした。長女がちょうど3歳の頃です。

書籍を中心に投資の勉強をはじめると「資産を分散する」ことの大事さが書かれています。

そしてリバランスをすることが大事と書かれているのですが、その具体的な方法は書かれていないのです。

実際、経済がどのように変化するのか常に違うので、具体的例が出せないのは、その後理解はできましたが、難しく感じたのです。

先進国株は超・回復したのに…

そこで、資産も分散されているバランス型の投資信託を毎月購入したら、資産もタイミングも分散されるのでとても良いと感じたのです。

実際に6年くらい運用しました。

教育費に使うつもりだったので、債券重視の安全重視のバランス型でした。

途中でリーマンショックに見舞われ、バランス型の投資信託も含み損を抱えました。

極度な円高と株価の下落が原因です。

もちろん、株式だけの投資信託よりは含み損は少なかったのですが、それでもマイナスにはなりました。

その後、先進国に投資する資産から徐々に含み損から含み益へ変化していきました。

特に、含み損が深かった先進国の株式はびっくりするくらい「超・回復」しました。

ところが、バランス型の投資信託はあまり伸びなかったのです。

Next: バランス型の投資信託が伸びなかった理由とは?



バランス型投資信託のデメリット

リーマンショック後、超・回復した先進国の株式に比較するとバランス型は思ったほど含み益がなかったのです。

それは、資産の中にあまり増えない「債券」を含んでいたからです。

その投資信託は、先進国の株式・債券と日本国内の株式・債券が主な資産でした。

リーマンショックで株価が下落して、円高も進んだので国内の債券以外は値を下げました。

その後先進国株は上昇しましたが、さらに円高が進んだので、先進国債券はマイナスだったのです。

そのような状態で、お金を使う時期を迎えました。子どもの進学塾費用が毎月5万円ほどかかるようになったのです。

自分で分散すると効率が良い

毎月先進国株に投資する投資信託の利益分を売却して、塾費用にあてました。

バランス型も利益がでている先進国株も配分されていてプラスにはなっていました。

ところが、マイナスになっている債券も同時に保有しています。「先進国株だけ売りたい!」と、感じました。

セットになっているということは大きく減りませんが、使う時には大きく増えないのです。

自分で資産分散をして、それぞれの資産の投資信託を保有した方が効率的と切実に思ったのです。

ファンドラップもロボットアドバイザーもバランス型と同じで全ての資産がミックスされています。

景気の良い時でしたら、すべての資産がプラスになっていますが、お金を使う時期と必ず合致するわけではありません。

このような理由で、私はバランス型の投資信託をオススメしていません。

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教育貧困にならないために』(2019年4月4日・5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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