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大学生の49.6%が「公務員になりたい」と回答、日本はあと数年で救いようのない国になる=鈴木傾城

2020年3月卒業予定の大学3年生に「就職したい企業・業種」を聞いたところ、“公務員”がトップで全体の半数を占めたとの調査結果がある。これは日本が救いようのない国になる兆候と言えるだろう。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』鈴木傾城)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

令和が正念場?なぜ約半数もの若者が「安定志向」に入ったのか…

学生たちは何者になりたいのか?

2020年3月卒業予定の大学3年生に「就職したい企業・業種」を調査した結果をリスクモンスター社が2019年2月に報告している。これによると、今の大学生たちの「ある傾向」が目をひく。

いろんな夢や希望を持った学生たちは、社会に出て「何になりたい」と思っているのか。

1位:地方公務員 31.6%
2位:国家公務員 18.0%

この2つを合わせると49.6%であり、事実上「公務員になりたいが半分」であるということがわかる。3位は外資IT系の「グーグル」なのだが、これが6.1%である。そう考えると、「公務員になりたい」と考えている若者たちが圧倒的であるというのが結果から見て取れる。

ところで、公務員というのは「国民全体に奉仕する」というのが使命である。彼らは「日本国・日本人に奉仕したい」という大きな使命感に燃えて公務員という職を求めているのだろうか

確かに、そうした使命感を持って率先して公務員に突き進む若者もいるだろう。しかし、それがすべてではない。実際にはそんな建前的な理由よりも、もっと別の理由で公務員という職が選択されているのは昔からよく知られている。

公務員と民間企業の違い

昔から人々が「公務員」という職に求めているもの。「公務員」という職を聞いてイメージするもの。民間の職と公務員と違うもの。

それは「安定している。クビにならない。仕事がラク」というものである。実際に公務員がそうなのかは考えなければいけないが、人々は公務員という職にそれを求めている。

民間企業の経営は浮き沈みが激しい。業績がどれだけ好調であっても、社会が変われば民間企業の経営はすぐに悪化する。

脚光を浴びている業種やセクターであっても、そのセクターの中で激しい競争が繰り広げられている。競争に出遅れたり、経営判断のミスがあったりすると、あっと言う間に凋落する。

業績が悪ければリストラされる。成績が悪ければリストラされる。会社が倒産したら全員がまとめて路頭に迷う。グローバル化した社会ではこの傾向に拍車がかかっており、民間企業の従業員は死にもの狂いで働いている

これだけを比較すると、公務員の方がいいと思ってしまう人もいる。しかし、それでも多くの人が民間企業を志向する。民間企業には、公務員にはない特質もたくさんあるからだ。

そこには、自分のやりたい職種がある。リスクに見合う収入もある。道を切り開く面白さがあったり、事態を乗り越える面白さもある。思いがけない事業の展開があったりする。職場や取り巻く環境に活気もある。大きなチャンスがつかめるかもしれないという夢もある。とてもダイナミックだ。

社会に活気が溢れ、チャンスに溢れ、未来に大きな希望や高揚感が満ち溢れているような時代、若者たちは公務員のような「安定しているが退屈な仕事」よりも、リスクはあるが可能性に満ちた民間で羽ばたこうと思う。

つまり、ワクワクして魅力的な未来が待ち受けているような時代であれば、若者たちはこぞってそこに向かうのだ。

Next: なぜ約半数もの若者たちが「安定志向」に入ったのか?

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