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不足する万博バスドライバー…大阪メトロ車内は“超募集”広告だらけに。過去に市バス運転手の年収を4割削減した維新に十数年越しのブーメランか

大阪市内とその周辺地域を走る地下鉄「大阪メトロ」の車内が、大阪・関西万博の会場への送迎を担うバスドライバー募集の広告にジャックされていると、現地で話題となっているようだ。

この広告は大阪メトロが掲出しているもののようで、舞洲駐車場から万博会場を結ぶ大型EVバスの運転手と、万博会場内や外周道路を走る小型EVバスの運転手を募集しているとのこと。

大阪メトログループ公式サイト上の募集ページを見てみると、応募資格は正社員だと“64歳以下の方”が条件ということで、バス運転の経験者はもちろんのこと未経験者も募っており、その場合、大型第二種免許の取得のうえ入社となるとのこと。

ちなみに給与は正社員の場合“月収30万円以上も可能(基本給+諸手当を含む)”とのことで、また万博終了後も、大阪メトログループの大阪シティバスにおいて、バス運行業務に引き続き従事できるとのことだ。

必要な運転手の数の半分も確保できない危機的状況

もともと慢性的な運転手不足が叫ばれていたところに、運転手の労働時間などの規制が強化される「2024年問題」の影響も合わさり、ここに来て減便や路線そのものの廃止といった事態が全国的に頻発しているバス業界。

今回取沙汰されている大阪府内では昨年、富田林市や河南町など4つの市町村で14路線のバスを運行していたバス会社が、慢性的な赤字と人手不足を理由に、突然の事業廃止を発表し、地元住民を大いに困惑させる出来事があったことも記憶に新しい。

いっぽうで、比較的バスの利用者の多い都会でも運転手不足は顕著で、今回取沙汰されている大阪メトロ傘下の大阪シティバスでは、利用者が少ない路線においては、従来の大型バスから小型バスに切り替えるといった動きが。

これはバス利用者の減少にくわえて、さらに現在の路線を維持しようとした場合に、2030年度には大型バスの運転手がおよそ3割不足するという見通しから、利用者の少ない路線に関しては、タクシーと同じ普通2種免許で運転できる小型バスに置き換えることで、運転手を確保しやすくするという狙いがあるようだ。

このように人手不足に汲々としている大阪のバス事業者なのだが、近々の“大事業”として控えているのが、大阪・関西万博における人員輸送。

ただ、万博協会が策定した輸送計画によれば、JR桜島駅と万博会場を結ぶ経路において、シャトルバス70台を導入し、1日最大約1万6,000人を運ぶプランが存在するようなのだが、この計画には運転手が約180人が必要なところ、府内で路線バスを営業するバス会社からは最大80人しか運転手を確保できていないとのも。

そこで大阪府内だけでなく、全国各地からバス運転手をかき集める方針に転換したというのだが、バス運転手が不足しているのはどの地域も一緒ということで、それもどうやら上手くはいっていないということのようなのだ。

「応募する人おるんかい?」地元民は冷ややかな反応

このようにバス運転手の不足が深刻化するなかで、大阪メトログループとしても人材集めに躍起ということで、上記のように地下鉄車内や駅構内に募集ポスターを、異常なほど貼りまくるといった行動に出ているということらしいが、現地の市民からは「応募する人おるんかい?」「ポスターもお高いんでしょう?」といった冷ややかな声があがっているところ。

いっぽうでSNS上では、かれこれ10年以上前に当時の大阪市長である橋下徹氏が、市バスの運転手らに対し「今までとち狂ったような給料で生活していた」と断罪したうえで、民営化前だった大阪市交通局のバス運転手の年収を4割削減したを思い出す向きも。

当時はいわゆる大阪の“公務員天国”ぶりを象徴する存在として、バス運転手を散々叩いていたわけだが、今となって人手が足りないからと、全国からかき集めようとしたり“超募集”をかけたりしている様に、「今さら戻ってきてほしいとか、ムシが良すぎない?」「なんかの寓話としか」などと、ある意味で自業自得、あるいは十数年越しのブーメラン発動といった受け止め方も多くなされているようだ。

開幕まですでに1年を切った大阪・関西万博だが、今からバス運転手をかき集め、なかでも未経験者には大型二種免許を取らせたうえで、その後の研修の期間も考えれば、タイミング的にはあまり余裕はないといった状況。速成教育もいいところといった感じだが、くれぐれも事故などが多発するような事態にだけはならないよう祈るばかりである。

Next: 「万博のバス運転手不足問題の解決策…」

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