東京都内にある郵便局の幹部2人が廃棄するはずの切手を金券ショップに持ち込み、計5億円以上も着服していたことが発覚しました。なぜそんなことが可能だったのでしょうか。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』)
※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2019年11月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。
なぜ5億円も着服できた? いまだに公式発表をしない日本郵便の闇
政治家も「切手」で不正
ここ数年、地方議会で議員の政務活動費の不正が問題となっていました。不正の手法はさまざまでした。
地方議会で問題となり、政界全体で改善されるならいいのですが、なぜか国政のずさんな政治資金にはメスはなかなか入りません。白紙領収書もうやむやに。
地方議会で問題になった手法の1つが、切手の換金です。
選挙区の郵便局で切手(など)を政務活動費で大量に購入する。郵便局はノルマがあるので喜ぶ。その切手を換金する。自由に使えるお金となる…。
切手を使ったマネーロンダリングですね。
政務活動費は、地方議会の議員に政策の調査などために支給される費用のことです。 以前は政務調査費の名称でしたが、2012年の地方自治法改正で改称されました。
さて、このように切手は以前から不正に利用されやすかったんですね。
郵便局幹部が5億円を荒稼ぎ
東京都内の2カ所の郵便局幹部2人が、それぞれ廃棄するはずの切手を持ち出して金券ショップに持ち込んでいた。
約3年間で換金したのは計5億円以上。切手は「料金別納」の支払いで企業などが持ち込んだものだったが、「使用済み」の消印を押して細断する、というルールが守られていなかった。
問題発覚後も日本郵便は公表しないまま。
動機は、小遣い銭欲しさだったということですが、2つの郵便局で5億も換金できるとは…。
悪用されたのは、大量に出すと料金が割り引かれる料金別納の制度でした。
社内規定では、別納の支払いで使われた切手は、使用済みの消印を押したうえで、総務部で細断処分する決まりでした。
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なぜ5億円も着服できた?
関係者によると、同時に大量に出すと料金が割引になる郵便物の支払いで、シート状になった切手が持ち込まれた場合、受け取った担当者が最終的に細断されるものですから、消印を押す手間を省いて総務部に回すことがあったそうです。
出納責任者は切手の細断処分を実行する立場だったのですが、立会人もおらず持ち出しが可能な状態だったため、これだけ多額の着服ができたんですね。
神田郵便局でも、郵便部課長代理だった50代男性が未消印の切手を持ち出していたとみられ、換金額は14~16年度で計約4億円。
起きたことも問題ですが、日本郵便はいまだ公式発表していません。
2局で5億円ですから、全国で本格的に調べたほうがいいと思います。
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・フードロスの取組み
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※太字はMONEY VOICE編集部による
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3年3ヶ月の与野党国会議員の経験を生かし、三宅雪子独自の語り口で、あたたかみのある中にも、言うことは言う「こわいものしらず」なコラムを展開します。加えて、「教えて!○○さん」「名言・迷言・明言」「永田町コトバ」「ヒトリゴト」「話はそれますが…」など、私的なコンテンツもローテーションでお届けする予定です。